2018-01-10 12:00 追加
パナソニック 今村貴彦・久原翼・兒玉康成(前編)ユニバーシアードを振り返って 久原「いいプレーはどちらにも歓声が上がり、やりがいがあった」
SV男子 / 全日本代表 男子
—―どの試合が大会の山場だったのでしょう。
久原:全部。
兒玉:予選は結構ブラジルも、バレーが強いという国として有名ですし、アメリカもそうですよね。大会自体も、初日から台湾戦じゃなくても人が入っていて、それもすごいなと感じました。日本では、そういうのがないじゃないですか。フランス戦も、スパイクがうまい人たくさんいました。予選はどうやって勝つかっていうのを、戦術の藤田さんにいいアドバイスを試合前も試合中もしてもらえました。自分たちも試合をやるごとに荒いところを削れていけたので、良かったと思います。
具体的に言うと、サーブの狙い目。パサーがいないチームが多いので、そこを徹底的に狙ってサイド勝負にもちこもうと。Aパスが返ってミドルで通されるとキツイ時もあったので、サーブの狙い目は、セットプレーからのどういう守りをしていくのかを重点的に話していました。
今村:全部です。
—―台湾戦では、台湾の観客がすごくエキサイトしていましたね。アウェイの雰囲気の中で戦ったのは良い経験になったのではないでしょうか。
今村:アウェイ感は、僕は一切感じなくて、むしろ応援してもらっているんじゃないかと思っていました。だから、うるさいとか騒がしいとか一切なかったです。集中していたので。
—―久原選手が記者会見で言ったように、いいプレーには両方のチームに歓声が上がっていましたね。
久原:その通りで、台湾との対戦でも、台湾への声援もありましたけど、今までイランとかと試合した時とくらべると、台湾ではやりにくくはなかったです。いいプレーをすると、どちらのチームでも関係なく歓声が上がるので、やりがいがありました。
—―シニア代表が混じっているロシアを相手に、セットが取れなかったことは痛手でしたね。それまでの相手と何が違いましたか。
兒玉:高さと攻撃力、サーブも何人かすごい人がいました。ブレイクされて、なかなか切れませんでした。でかいミドルがいるだけで、こっちも真ん中を使えなかったりとか、頌平にすごく負担かかったので、そこが課題なんだなと思いました。ミドルで切らないと、サイド勝負だけだったら、きついです。真ん中がどれだけ生きるかで、相手ミドルがステイしてくれるので。ミドルが高いチーム相手でも決められることが、次につながっていくんだなと改めて思いました。
久原:高さもサーブも、練習で高いブロックを意識してとか言ってやっているんですけど、実際にやってみると思わぬところから手がでてきたり、残っていたりして、そういうのって経験することで次につながるので、どんどんそういうチームと対戦できるような環境があったら、もっと善戦できたかなと思います。
今村:もう一回やりたいですね。そしたら勝てるかもしれません。
—―その翌日、同じ背の高いヨーロッパのウクライナとやったときに、前日の反省をどういかしましたか?
兒玉:そうですね。ブロックが高いから、(リバウンド)もらおうっていう雰囲気なんですよね。そこから切り返して、相手のミス待ちじゃないですけど、ブロックの油断をついていこうと。ただ、そういう練習をすごく細かくやっていたかといったら、(チームが集まってから)期間が短かったですし、5日間くらい。(ユニバーシアードの前に同じチームで行われた東アジア選手権の)モンゴルの時とか、集合してすぐ実戦みたいな感じでしたし。正直言って、ある程度のフォーメーションと戦術は決まっていましたけど、細かいコンビを作っていくというのは、時間がすこし少なかったかなと思います。
思い切りブロックを利用して出したり、自分の得意なプレーをするとか、サーブを攻めるとか、そっちに重点を切り替えられたという意味で、それがうまくはまった試合だったかなと思います。
久原:その通りです。「相手がこうだから、自分たちがこう」ではなくて、自分たちのやるべきことをやろうというのは、ミーティングでチームが統一できたかなと思います。
—―今村選手は、ロシア戦の後に、「もうペショペショ打つのは止めて、明日は思い切り行きます」と言っていましたね。
今村:言っていましたね。朝のミーティングで、サーブが入らなくて負けるんだったら、それはそれでしかたがないんだっていう話をしました。日本らしく、「サーブで攻めて、ブロックで引っ掛けて、切り返す」という展開ができれば勝てるから、サーブを攻めようと臨みました。だから気持ちは、守りに入らず攻めるバレーで戦おうと思っていました。
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