2018-10-20 16:43 追加
中田久美監督「古賀紗理那、黒後愛の成長は収穫」 古賀紗理那「世界のエースとは違う細かいプレーを身に着けていきたい」 女子世界選手権5位決定戦記者会見コメント
女子世界選手権 5位決定戦記者会見コメント
全日本代表 女子
19日に横浜アリーナ(横浜市)で行われた女子バレーボール世界選手権5位決定戦後の記者会見コメントをお届けする。
■中田久美監督
約4週間ありがとうございました。最後勝って終わりたかったのですが、やはり選手たちのモチベーション維持が難しかったのかなということと、サーブで崩されて、後手後手に回っていく試合展開になってしまったことは、すごく悔しいです。
ただ、この世界選手権、本当に選手たちは頑張ってくれたと思います。そういう意味では今シーズン、アジア大会で4位という結果に終わり、そこからよく持ち直し、 頑張って、ここ横浜に戻ってこれて、よかったと思っています。
――この大会を通してつかんだ手応えと、逆に世界との差を感じ続けたことがあれば教えて下さい。
中田: 今シーズンの収穫としては、 課題はあるにせよ、古賀紗理那、黒後愛の2人の若手選手が戦力として加わったということが大きかったと思います。また、長岡望悠がケガから復帰して、ある程度目途が立ったということは、これからにつながっていくのではないかと思います。戦術面ではトータルディフェンスが機能していた時の日本はそう簡単には負けないというところと、サーブレシーブがきっちり返れば、ある程度互角な戦いができるという 再認識ができました。大会前の記者会見で「この大会で光を見つけたい」と言いましたが、その光がちょっと見つかったのかなと。
また、先日の記者会見でも申し上げたように、課題設定の見直しをする必要があるのであれば、課題をしっかり抽出して、計画を立て直すこともしますし、 本当に挙げたらきりがないですけれども、ただ、今持っている力は発揮できたのかなと思います。発揮できても6位なので、もう少しリードブロックをやるにしても、コンビネーションバレーをするにしても、何が本当に必要なのかを検証していく必要性はあるかなと思っています。
――東京五輪でメダルを獲るという目標に向かっていく上で、この2年が終わって、パーセンテージでいうとどのくらいできているのかなということと、 セッターは(この大会で)決まったのかということ、 もう少し若い力がほしいのではないかと思うのですが、それについてはどうお考えかをお聞かせください。
中田:若い力は必要だと思いますが、今日の試合もそうでしたが、苦しい場面で活躍したのはベテランなので、ある程度キャリアのある選手が結局このチームを引っ張っていくんだなということを再認識しました。ただ、 おっしゃる通り、もう1枚若い選手を入れてチーム作りをしたいなというイメージはあります。
完成度のパーセンテージに関してですが、 昨年グラチャンが終わった時点で40%と言いました。今回、メダルが獲れれば70%まで行くのではないかと思ったのですが、その目標は達成されていないので、58%ぐらい 。ただ、昨シーズンよりは上乗せできていると思います。
セッターに関しては、そろそろ決めないといけないでしょうね(苦笑) ここが安定すれば、チームは完成すると思います。ただ、今の段階で誰をと言われると困ってしまいますが。
――今シーズンが始まる時にバックアタックを積極的に使いたいとおっしゃっていて、この大会である程度形は見えたと思うのですが、監督はどのように評価されていますか?
中田: 確かに長岡がバックアタックに入ったりとか、昨シーズンよりは意識的に使ったとは思います。ただ、拮抗した場面や大事な場面で点数に確実に絡められるのかというところまでいくと、長岡が入ればまた別なのでしょうけれども、今日の試合に限って言うとあまり通用していなかったのではないかという感じがしました。ただその精度は使い方も含めて強化していかなければならないと思います 。
――今回、イタリアが決勝に出てくるなど、世界の図式が少し変わる中で、世界一を獲るということを視野に入れると、世界との差は縮まっているという手応えはありますか?
中田:世界との差というものが今ひとつわからなくなってきています。イタリアのエゴヌ選手のようにブロックの上から打てるような選手がいるわけではないですし、 何で点数をとっていくかを考えた時に世界と同じことをやっていたのでは難しい。でも、世界と戦うことに関しての違和感は徐々に薄れてきているのではないかと。 あの高さとパワーが当たり前になっていて、そこから点数をとるためにどう強化していくのかという部分では、 もう少し日本独自のものを追求していかなければならないと思うし、それが「差」ということになるとよくわからないんですけど、縮まっているのかな? よくわからないです。
――今日の試合はメダルが消えていたので勝利は度外視した選手起用という考え方もあったかと思います。そういう意味で黒後選手を下げるのが少し早かったのではないかと思うのですが、なぜあのタイミングだったのか教えてください。また今大会の黒後選手への期待が大きかったと思うのですが、どの程度成長したと感じられているかを教えてください。
中田:今日の試合は別としても、今シーズン彼女を使ってきて、シニア1年目としてはすごく頑張ってくれたと思います。ただ今日、勝敗関係なく、順位関係なくというのはあるのかもしれませんが、このチームは来シーズンも強化を進めていかなければならないので、 黒後を今日、最後まで使うという判断は私の中ではつかなかったです。あのまま黒後を使い続けていたら何かが起こったのかもしれないですが、私はそういう判断はしませんでした。
――この大会のサーブ面での評価を教えてください。手応えやもっと強化したい面など。
中田: この世界選手権、サーブは非常に良かったと思います。ただ、 ターゲットにはかなり正確に行っていると思うのですが、崩すとなると、 技術がまだまだなのかなと。でも、こういうプレッシャーがかかる中で、サーブを武器にして選手たちが積極的に攻めていた部分では、技術もそうですが、 メンタルも強くなったのかなというふうに思います。あとはオリンピックに向けて、相手をもっと崩せるサーブを 打てるように強化していきたいです。
――今回の代表メンバーの中で複数の選手が海外のリーグに挑戦しますが、そのことについて監督はどう考えていますか?
中田:上手くなって帰ってきてもらいたいと思います(笑) 私は応援することしかできないので、しっかりとケガのないように頑張ってもらえればと思います。
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