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インタビュー

2018-11-08 11:00 追加

新鍋理沙「久美さん(中田監督)は絶対諦めない。世界バレーはみんなで本気で戦えたいい大会でした」(前編)

SV女子 / 全日本代表 女子


――トップ6には入りましたが、メダルにはもう一歩届かずでした。どこが足りなかったと思いますか? 上げていきたい部分は?

新鍋:海外の選手だと、ブロックの上から打ったりパワーで弾きとばしたりして点数を取ることができますが、日本人選手はブロックの上から打てるわけではないので、日本人のよさや武器は、丁寧に確実に1点を取るための、それまでの1本目や2本目もそうですが、次の人のことを思ってボールを運べることだと思います。

途中で雑になったり、ラリー中、競った場面で落ち着いてボールを触れてなくて自分たちでバタバタしてしまったり、いろんな場面でそういうことがあったと思うので、やるべきことを確実にもう少しやり切れたら、もしかしたら違う結果になっていたかもしれません。他にも足りないところはいっぱいあると思いますが、そういったところは意識すればすぐできることで、小さいことかもしれないですが、細かいところを確実にできるように。自分自身もできるところがもう少しあったかなと思っています。

――確かに大事ですね。それでも前よりは、打てるところまで丁寧に持っていけたボールも増えた気はしました。あとは、中田監督が言う「どう点を取るか」でしょうか。

新鍋:ハイボール(二段トス)になると、普通に2枚、3枚ブロックが来るので、そこをどうやって攻めるか、難しいときはリバウンドを取るとか、相手セッターに取らせるとか、冷静な判断が必要かなと思います。

――新鍋選手のライトゾーンからの攻撃は、アメリカ戦もそうですがよく決まっていたように思いました。エゴヌ選手(イタリア)のようなエースがドカンと決めるのも1点ですが、日本が工夫して決めるのも同じ1点です。

新鍋:いい状況で使ってもらっていましたし、そんなに(ブロックが)2枚きっちりつくこともなかったので、「1枚のときは決める」という約束事もあるので……。でも決めきれない部分も多かったですし、難しいボールももっと工夫して返せたらよかったですし、判断を間違えて相手に切り返されて点数を取られたことも多かった。1枚になったら決めないといけないですし、「ライン(ストレート)があいている、でもそこにはリベロがいる、まともに打ったら拾われる、だったらブロックを利用する」と、そうするための技術が足りていないと思いました。

――それでも、世界バレー前の「たいへんな不調」を思えば、世界のトップチーム相手にこれだけやれた、攻撃でも決められたことは自信になったのでは?

新鍋:あはははは。あのときは……はい、自信もなかったですし、“私の武器はなんだろう”って考えてしまって……。でも考える頭もないから(笑)やるしかないと。世界バレーではへんに考えすぎずにやれたと思います。

――その中で「私の武器」は見つかりましたか?

新鍋:私の武器は……、今回、愛(黒後愛)やサリナ(古賀紗理那)にサーブがいくことも多かったですが、(自分が)サーブレシーブをしてからでも速く攻撃に参加できるときは個人的に調子がいい。「今日いいかも」って思える1本があると次のプレーにも乗りやすい。勝手に自分がそう判断しているだけかもしれないですが、確実なパスと速い攻撃ができていたら自分の中のいいときかなと思います。

――新鍋選手がサーブレシーブをきれいに返して古賀選手らがビシッと決めてくれるのも嬉しいですよね? ディグを上げたときもそうですが。

新鍋:嬉しい! ブロックが散らばってトスをどこに上げても1枚という状況が作れていたら、みんなが楽だと思うから。

――全日本で中田監督と2年やってきて世界バレーという大きな大会を戦って、今どんな思いですか?

新鍋:どんな状況でもどんなに点差が開いていても、絶対諦めていない。世界バレーは選手もスタッフもみんなで本気で戦えた。いい大会になったと思います。(久美さんは)選手のことを一番に考えてくださって、ちょっと顔に出ていたらすぐ気づかれるし(笑)すごく見てくださっているんだなって思います。

写真:堀江丈、黒羽白

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