2018-12-17 12:23 追加
にんげんだもの…豊田合成・高松、相田みつをの境地で勝利に導く バレーボール男子・天皇杯
天皇杯堺合成戦 コラム
SV男子
バレーボール全日本選手権(天皇杯・皇后杯)は12月16日、武蔵野の森総合スポーツプラザで準々決勝が行われた。V1男子の豊田合成トレフェルサは同じくV1の堺ブレイザーズを3−0で危なげなく勝ちを収めた。勝利に導いたのは、豊田合成のお祭り男、高松卓矢だった。この日は、スパイクやジャンプサーブだけでなく、日本を代表する詩人・相田みつをばりの境地で仲間を引っ張った。
天皇杯準々決勝では、微妙なシーンを映像で確認できる「チャレンジ制度」もなかったせいか、この試合に限らず、天皇杯いずれの試合でも、ラインジャッジやワンタッチなどで微妙な判定が起こっていた。豊田合成の試合でも、何度か微妙な判定が発生し、その度に両チームの選手が主審に詰め寄った。そこでいつもなら、同じように熱くなっているだろう高松が、なぜか率先して、イゴール・オムルチェンや古賀幸一郎など主審に抗議する仲間たちに割って入り、落ち着けといわんばかりに引き離し、審判には笑顔で親指を立てていた。観客たちも普段は高松の熱くなっている姿を見慣れているせいか、高松の行動に笑いが起こっていた。
一方、堺ブレイザーズのニコラ・ジョルジェフは何度も判定に抗議して、ついにはイエローカードを頂戴してしまっていた。きっちり切り替えていた高松は、試合を通して安定した活躍。第3セット終盤にはサービスエースを奪い、最後も豪快にスパイクを叩きつけて勝利を決定づけた。
試合後、高松はいつもと違う行動について報道陣に突っ込まれ、「僕らのチームは熱い選手が多いので。確かに僕も試合中に熱くなることもありますが、さすがにいい歳になりましたから」と苦笑い、さらに「チャレンジがない中で、審判の方々が、あんな速いボールをラインジャッジしたり、ワンタッチするのは大変だと思います。審判だって人間だもの…仕方がないですよ」と相田みつをばりの境地だったことを明かした。
相田みつをは日本を代表する詩人。死後27年が経つが、素朴な言葉で書かれた詩の数々は、今なお多くの人々の心を打つ。特に「にんげんだもの」という言葉は相田みつをの作品の象徴的な表現だ。高松も相田みつをの影響を受けたのかもしれない。
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写真・文:大塚淳史
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