2025-02-27 08:00 追加
「やばいかも」決定率9割を叩き出した野中瑠衣が違和感を覚えたスパイク。「どんな時もやり方があるんだなって」 SV女子
Astemoリヴァーレ茨城・野中瑠衣 コメント
SV女子
バレーボールSVリーグ注目のプレーヤー。その一人として野中瑠衣の名前を挙げることに異論はないだろう。
Astemoリヴァーレ茨城に所属する野中瑠衣は今季で入団5年目。両サイドをこなせるが、近年はオポジットで起用されることが多く、守備ができるライトサイドの選手として攻守両面でチームに貢献している。

「稀有な存在です」
とチームの指揮官、中谷宏大監督は言う。
「うちは真面目で大人しい選手が多いのですが、その中で先頭に立って発言をしてくれています。チームに対しての思いを言葉で表現できる選手ですね」
ポジティブさを保ちながら、試合での課題や反省点については自分自身を客観的に見ることができていると中谷監督は評価する。
シーズン半ば、日々研鑽を積む野中瑠衣に今季ここまでの手ごたえを聞いた。

「5年目になりました。毎年成長は実感しています。今季はゲームキャプテンを任せてもらったりもしています。そんなシーズンで最初は本当に充実感があって、試合も楽しいと感じていました。でも、だんだん順位争いが絡んでくると、もっと上に行きたいって思いが強くなり過ぎてしまって…自分で自分にプレッシャーをかけてしまったところがありましたね」
Astemo茨城は数シーズンに渡り7位が定位置になっている。記者会見で毎回のように順位についての話を振られるのだから否が応でも意識せざるを得ない。
「ここ数年ずっと中位に留まっているので、そこから抜け出したい気持ちがあります。それが空回りして日頃の練習から…自分で変えなきゃとか、ちょっと気を張りすぎてた部分がありましたね」
一呼吸置いて野中は言う。
「それで、ちょっと疲れちゃった部分があって」
シリアスな状況だったのかもしれない。が、それはもう乗り越えたのだろう。くすっと笑いながら野中は言葉を継ぐ。
「リーグ中盤になって、パッとこれまでを振り返ったんです。一人でやってるわけじゃないし、勝ちたいのはみんな一緒。頼れるところは頼る、そういう気持ちが大事なんだろうなって。考え方の切り替えもできるようになりましたし、精神面でも成長のシーズンを過ごしているなと思っています」
一段階、俯瞰力を高めた野中はチームのことをどのように見ているのだろうか。
「昨シーズンよりも試合中の波は減ってきていると思います。相手のデータを分析して選手間で話し合ったりもしていますし、試合の中で修正できる力がついてきている。今のメンバーは試合に何年も出続けているベテランというわけではないですし、まだこれからだと思います。個々のスキルをもっと磨いて、チーム全員でキャリアを積んでいったら戦い方も変わってくる。今は未来のリヴァーレに向けて、そのベースを作り上げている時期だと思っています」

2月9日、日立市池の川さくらアリーナでのホームゲーム刈谷戦で野中瑠衣はアタック決定率90.9%を叩き出した。4割を超えれば上出来と見なされるサイドプレーヤーとしては異質の数字だ。しかし、試合前の野中は絶好調というわけでなく、スパイクに対して感覚のズレを感じていたという。
「最近の感触の悪さに、これは”やばいかも”と。昨シーズンだったらもうリーグが終わっている時期ですし、疲労で体が動かないとかそういった悩みは今までなかったのですが、今シーズン初めて”おやっ?”と自分に違和感を覚えたんです」
野中の言葉が徐々に熱を帯びる。
「あ、これは逃げちゃいけないことだな、って。これまでも自分と向き合ってきたつもりでしたが、自分自身ではわからないこともあるんだろうな、と。コーチにアドバイスを貰ったり、同じポジションの選手と話したり、いろんな意見も聞きました。今日は体の面でいつもとは違うアプローチをしてみたのですが、すごく集中ができました。だから今、何本決まっているとかそういうことは意識に入らなかったですね」
野中が言う「体の面で違うアプローチ」とはどういうことだろうか?
「最近、上半身と下半身のバランスが崩れているな、と感じていて。トスにも思うように合わせられていない。この状況を何とかしようと下半身にポイントを置くトレーニングをしました。土台の部分を安定させたんです。そのおかげて今日は体がピシッとしたというか、ふわふわ浮かない感じでしっかりプレーができました。何事も常に新しい学びがあるというか、上手くいかなかった時には、それはそれでいろんなやり方があるんだなっていうことを勉強しましたね」
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