2019-03-15 14:48 追加
JT深津が髪バッサリ サーブでも東レをバッサリ
3月9日JT東レ戦ゲームレポート
SV男子
バレーボール男子V1リーグのプレーオフラウンド、レギュラーラウンド上位6チームによる総当たり戦「ファイナル6」の初戦、JTサンダーズは3月9日、静岡県の草薙総合運動体育館で、東レアローズと激戦の末、3-2(25-20、23-25、25-17、18-25、16-14)と勝利した。故障から3週間ぶりに復帰した劉力賓(リュウ・リービン)が、ブロックポイントを一人で8点取るなど大活躍した。セッターの深津旭弘も「あれはリービンの個人技」と、中国代表の底力に脱帽した。一方で、深津の活躍も見逃せない。司令塔としてトスはもちろん、ブロック、そしてサーブで連続点のきっかけを作り、第5セットでも逆転のきっかけも生んだ。深津はファイナル6を前に髪をバッサリ切った。気合いを入れるためなのかと思いきや、深津は「あんまり短くしたくなかったんですけど、いい加減切れと家族に怒られまして、切った所存でございます」と試合後の会見場を笑いの渦に巻き込むなど、絶“口”調だった。
ブレイクポイントがなかなか取れなくなっていたJT
一瞬、誰かわからなかった。そのくらいバッサリと深津は髪を短く切っていた。もっといえば、短くなった髪が少しだがツンツンと立っているのだ。少なくともここ数シーズン中の深津と言えば、前髪をやや伸ばして七三分けで決めていた(気がする)。見慣れない髪型の深津に、ファイナル6にかける思いがこもっているのかと記者は感じた。
JTは年末の天皇杯で優勝したが、レギュラーラウンドの3レグ中盤に4連敗するなど、一時調子を落とした。その原因の一つが、ブレイク(サーブ権の時に得点すること)がとれないことだった。サーブでなかなか崩しきれない試合が増え、ブレイクできないことで連続点を稼ぎにくくなっていた。本来であれば、勝利できる相手に思わぬ敗北を喫するなど、最終的に4位に順位を落としてしまった。しかし、この日の試合では、深津のサーブが勝利を導くきっかけとなった。
お互い1セットを取り合った直後の第3セット、14−14と互角の展開が続いていた。ここで深津がサーバーに。深津はジャンプフローターサーブで常に相手の得点源の一角か、またはコートの角を狙うなど、レセプションする側にはなんとも嫌なサーブを打ち続けた。すると、東レのレセプションが乱れ続けた。JTのブロッカーたちは相手スパイカーのマークがしやすくなり、ブロックポイントだけで3点、東レのレセプションミスからのダイレクトスパイクが1点を含む、驚異の8連続得点に繋げた。JTは25−17で第3セットを取った。このままJTがいくかと思いきや、第4セットは再び東レの反撃にあい取られてしまう。
2−2で迎えた第5セット。東レは第4セットの勢いをそのまま、さらに、セット序盤には東レのセッター梅野聡が174センチながらダイレクトスパイクを決め、流れは東レに傾いていた。しかし、再びここで深津のサーブが流れを変えた。11−12での場面で、深津がミャンマー代表でスパイク決定率の高いアウン・トゥをサーブで狙ってプレッシャーをかけ、梅野のトスがフランス代表アントニン・ルジェに上がるように誘発。劉は1枚ブロックではあったが豪快にシャットした。これでJTに勢いがつくと、再び劉がルジェをブロックシャットして逆転に成功。そして、16−14で勝利をもぎ取った。
劉の派手な活躍に目を奪われがちだが、深津のサーブが縁の下の力となったのは間違いない。深津は「リービンがすごかっただけじゃないかと思います(笑)普通に1枚、1枚半だったし」と謙遜したものの、やはり自分のサーブがキーになるとは感じているようで「3セット目を取ったみたいな一応、僕のサーブであそこでポンポンポン(と連続得点)だった。あの辺、僕の個人技の部分は大きいとは思います。来週(の試合)も、僕がサーブの時に、相手は早く切りたいという気持ちはあると思う。相手の早く切りたい気持ちを、こちらがブレイクを取れれば、また相手が焦るはず。その面でとにかくS1(セッターがサーバー)でブレイクを取れるのはとにかく良かった」と語った。
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