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インタビュー

2019-04-14 09:00 追加

バレー界のイニエスタ、ミハウ・クビアク(パナ)が語る「日本のバレーは良くないと口々に言われたこともあるが、日本に来て3年間で、世界選手権を連覇してベスト6にも選ばれた。それが答えだ」前編

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――プレーがうまくいかないときにどう立て直していますか?

クビアク:まずはミスを考えずにコートに入るんですけど、25点チームでとるのが目標のスポーツであるし、なにかプレーでよくないことがあっても、自分のプレーでチームに貢献するという気持ちが大切ですね。

もしサーブでうまく行かなければ、スパイクでうまくやろうと思いますし、アタックが調子が良くなかったら、レシーブ、サーブ、トスで貢献しようと思います。あとは、バレーボールは一人だけでやるスポーツではないので、自分が悪いときに他の選手が補ってくれることもありますし、その逆に他の選手が悪いときに、自分がフォローすることもあります。テニスのように1対1でやる競技ではありませんから。いいサーブが入らなければ即負けるようなスポーツではありませんから、チームで戦うということを念頭に置いています。

――相手チーム、もしくは自チームの条件を分析し、駆け引きする内容を毎回、変えていると思うのですが、駆け引きをするにおいて必要なものは何でしょうか。そこが気になります。もちろん、情報の収集は大事ですが、クビアク選手は何を重視しているのかが気になります。

クビアク:スパイクについていえば、全部トスが同じわけではないので、まずはトスがどのように上がるかを見ます。特にセッターが走り回りながらとかの悪い状況だと、自分が考える時間もあまりないので、いいトスだったらもちろん自分の好きなスパイクを打つし、悪いトスだったら相手のブロックを見て打ちます。特にトスが悪いときは、相手のディフェンスを見るようにしています。ただ返すのではなく、空いている場所を探します。空いている場所がなかなか見つけられなくても、相手の嫌がるところに返そうとします。チャンスボールを返さなければならなくなったときも、ただ返すのではなく、そのあと少しでも自チームがいい状況につなげられるようなボールを返そうとしています。

――ナショナルチームでのadidasシューズと現在履いているNike、どちらが好みですか?

クビアク:靴は各々にあった物を選ぶのがベストだと思っていますし、人に履くものを選ばれるのは好きではなくて、自分がベストを尽くせるものを自分で選びたいと思っています。試合に集中したいから、靴の事に気を取られるのはいやなので、ナイキでもアディダスでもアシックスでも、自分にあったものを選んでいます。

――ラリーの中で急にクイックを打つ場面がよく見られるのですが、あれは深津選手との阿吽の呼吸でやっているのか、それとも事前にこういう時はクイックを打つなどと決まり事としてやっているのか、その辺りを教えて欲しいです。

クビアク:ミドルの選手ではないので、常に(クイックの準備に)入っているわけではありません。点数を取ることがまず目的ですし、アタックの種類はなんでも良いと思います。そのときにできる選択肢の中でベストと思ったものを選びます。前もって決めているわけではありません。

――よく試合中にヒートアップしている姿を目にしますが、世界標準として、あえて怒りを見せる事で、仲間を鼓舞したりするという意図があったりすることはありますか?

クビアク:試合中にそういうカッとなることはありますけど、コートで終わることでコートの外まで引きずるようなことはないです。すべて、チームが勝つためにやっていることです。自分からカッとすることを望んでいるわけではなくて、もし、相手の選手が話したあとに相手のパフォーマンスが悪くなることがあるとすれば、そういうこともあるかもしれません。小さい頃はカッとなることで自分のプレーに影響を受けることもあったのですが、経験を積んだ今では、それはコントロールできるようになりました。そうですね。自分のチームを鼓舞するために、あえてやっているところもあるかもしれません。

――クビアク選手が日本に来てからの日本のバレー界への影響はすごく大きかったと思いますが、逆にクビアク選手自身が日本に来て得られたもの、学んだものはありますか。

クビアク:僕が日本でプレーしていることについて、ある人々は「日本のバレーは良くないね」と口々に言います。ですが、自分が3年間日本でプレーして個人的な達成したものは、世界選手権の連覇であり、ベスト6だったり、ワールドリーグ2015年のときもベスト6をとれています。達成していることは非常にレベルの高いものだと思います。ただ、チームに一人だけ外国人というのは、そんなに簡単なことではありません。当然コートの中での責任も重くなるし、コートの外での環境も難しいものがあります。だけど、ここにいる人達は皆良くしてくれるし、すごくいい環境でプレーしていると思います。結果としては、一人しか外国人がいない環境でプレーするのは、重要な責任をおっていると感じます。いろんな選手がいますよね。多くお金を稼ぐために来る人もいますし、住みたいから来る人や、お寿司のために来る人もいますけど、私自身は「勝つ」ためにきています。ただそのためにここにいます。実際、先ほど挙げたことは日本に来てから達成したことで、すべては勝つために来ています。

後編に続く
聞き手:中西美雁
写真:FIVB、火野千鶴

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