2013-06-27 22:46 追加
聞こえない人たちに教えること デフバレーと私 第2回
デフバレーの現状など
Others
外国人監督を迎えた新生龍神NIPPONのキャプテンMB山村宏太選手の耳が聞こえなかったら?これと似たような状況が現在開催中のワールドリーグ2013にあります。
アメリカ男子ナショナルチーム代表メンバー背番号20、デビット・スミス選手。彼はデフプレーヤーでポジションはMBです。もしネット配信で彼のプレーを観る事が出来たら、彼が補聴器を装着しながらセッターとどういうコミュニケーションと取ってプレーしているかぜひご覧ください。
さて、筑波技術大学(技大)は男女一緒に1面のコートです。
火・木:18:00~19:30
土:9:00~13:00
が基本です(日曜日に練習試合等を行う時は他の部との話し合いで決めます)。時間をやりくりしながら練習しています。
指導者としてのテーマは「低経験、低体力の聴覚障害学生をいかに指導するか」ということに尽きます。
特に「ふらつきを軽減する」と「インプレー中に目切りができるようになる」事が指導の基本になっています。
バレーボール経験者の皆さんだとわかると思いますが、プレーの一連の動きを想像して下さい。
・ジャンプサーブを打ち、着地してレシーブに備える
・スパイクを打ち、着地して次にブロックに備える
・ブロックに飛んで着地して、ハイセットのトスを上げる
・ブロックに飛んで着してすぐに下がってクイックを打つ
・フェイントボールをフライングレシーブで拾って立ち上がる
・女子だとローリングして起き上がり立ち上がる
健常者の皆さんが普通に出来てしまうプレーだと思います。これが聴覚障害を持っているプレーヤーだと、聴覚神経になんらかの障害を持っているために、バランスをとるのがかなり苦手で自身の身体能力と運動神経で補っています(閉眼片足立ちをするとすぐにわかります)。
着地して「ふらつく」、立ち上がって「ふらつく」事が多いために、次の動きへ移るのにタイムラグがある人とない人では、当然次のボールへの対応が違ってきます。またボールだけしか見ていないので、やみくもに打つだけ、やみくもに上げるだけという事が多く、「目切り」して相手コートやブロックを見ることができない(余裕がない)。さらに選手同士の間に落ちるのボールは、ぶつかってしまう、お互いで引いてしまう、お見合いをする、目だけでボールを追ってしまって足が動かないなど。この他、連続のスパイク練習、ワンマンレシーブでものの1,2分で息が上がってしまう。バテてしまうなど様々です。
低経験、低体力を補いながらも、一連の動きの中でいかにふらつかないで次のプレーができるか、いかに「目切り」ができるか。そのあたりが彼ら達のプレーの幅を広げる事になってきます。
※目切り「ボールから目を離して相手(または空間)を見る」
文責:筑波技術大学 バレー部監督 今井計
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