2020-01-17 12:01 追加
JT・小幡真子「シンプルに勝つことしか考えていない」、久光製薬・石井優希「まずは私が自信を持ってやります」
SV女子
●吉原知子監督
とりあえず3ポイント取れたというのが一番のメリットかなと思っています。
――ファイナル8は試合数も少なく、シリアスな戦いが続くと思います。この試合に向けてチームでどういった話をしてきましたか?
吉原:見ての通りですが、緊張というか、プレッシャーを感じて当たり前のことが当たり前にできなくなるという状況は、試合が始まる前から想定内のことでした。
何年か前に久光製薬さんとやった決勝戦では、そういうことか起こった時に何もできないで終わってしまったよねという反省から、こういうことが起こるだろうと準備はしてきました。
――1セット目、久光製薬には強い気迫が感じられたのですが、これもまた起こるべきことが起こった、と。
吉原:そうですね。久光製薬さんはやっぱり経験豊富な選手たちが多いですし、大舞台に場慣れしているというか。
やっぱり経験って大事だなって思うんですけど、久光製薬さんの選手たちは足も動いていましたし、すごくいい状態で入ってきたので。だんだんプレッシャーを感じて自分たちの中でヤバイ、となっていたんじゃないかなと思います。
(大舞台では)「本当にそういうふうになるよ」ってずっと言ってきました。2セット目からしっかり自分たちで修正をして、自分たちのやるべきことをできた。これは良かったと思っています。
――あらかじめ慌ててしまう想定があったからこそ、2セット目に立て直せた、と。
吉原:久光製薬さんもそうですし、去年のファイナル3もそうですし、本当にいい経験を積ませてもらって今シーズン迎えました。
それを今活かさなくちゃいけないよねっていう話もしていたので。心の準備は本当にしてきてよかったなと思っています。
――2セット目、得点のたびに頷いていらっしゃいました。思うことができていた、と。
吉原:全部ではないですけど。選手たちも不安なところはたくさんあったと思うんですよね。その中でいい時には頷いてあげないと。一応選手はこっちを見ているんで。
いいプレーをしても私が頷かないでムッとしていたら…「なんで?」ってなりませんか?(笑)
いいものはいいよと評価してあげなければいけないですし、それによって自分たちはできているねっていう確認にもなるでしょうし。自分が思い切って次のプレーをするきっかけになってもらえればいいな、と。
――切り替えという面でチームを鼓舞する小幡主将のアクションは効果が大きいと思いますか?
吉原:彼女に関しては本当に普段からチームをしっかり引っ張ってくれていますし、嫌なことも仲間にしっかり伝えられるような、そういう強いものを持ってリーダーシップをとってくれています。
彼女は彼女のやることをただやってくれている。負担も大きいかもしれないですけど、しっかりやり遂げてくれていると思っています。
――吉原監督が求めている「大事な1点を取る力、大事な1点を認識する力」は、小幡主将がもっともそれを体現しているのではないでしょうか?
吉原:リベロって自分で点数は取れませんが、あそこに指示ができる選手が入っているのか、ものを喋れる選手が入っているのか。
いくらプレーがすごくても、喋らなくて指示ができない選手が入っているのはどうかなと、あくまで私の個人的な感想ですけどそう思っています。
点数は取れないかもしれないですけど、人を動かす力っていうのはリベロのすごく大事な要素の一つだと。
そういう部分で彼女は指示をしたりだとか、後ろからチームを盛り立てるとか、盛り立てて尚且つもう一回奮い立たせるような、そういうことのできる選手だと思っています。
――そういう気持ちの部分では、林選手も成長したのではないかと思います。
吉原:レギュラーラウンドをずっとやっていく中で、彼女にも自分の責任を認識してもらったというか。
調子が悪かったら代わって終わりじゃないよっていう話をした時もありますし。自分を知ることが自分の強さになると思うのですが、(調子が良くないときに)自分はどうするのか、その対応をしてほしいと彼女には伝えました。
今日は上手くいかなかった後も気持ちを切り替えて、自分で自分を立て直して最後まで戦ったんじゃないかなと思います。
――籾井選手のセッターとしての魅力は?
吉原:セッターはどうしても小さい選手が多くなってしまいがちですが、彼女は大きくて左利きですし、貴重な存在じゃないかと思っています。
すごく頑張っていると思うんですけど、まだまだ周りが盛り立てている状況です。
スパイカーが思ったところに来なかったトスでも決め切れているかどうか。そういうカバーでセッターが育っていくと思います。
スパイカーがなんとか打ちこなせるトス、ナイストス、そのバランスが少しずつ取れてきたのかな、と。
それから柴田(真果)とか田中(美咲)の存在が非常に大きいですね。彼女たちがいなければ籾井がこの立ち位置でやれていたか、ちょっと難しいと思います。
本当にいい巡り合わせなんじゃないかなと思います。
――あらためてチームの成長について。
吉原:うちは本当に選手同士が会話できるようになっています。
要求し合ったり、助けてあげる時もあれば厳しいことも言えるようになってきています。選手同士の関係性も良いと思っています。
最初の頃は私が喋らないと場がシーンとしてしまっていたのが、今は私が黙っていても自分のやるべきことを一人ひとりがしっかり理解して自立してやれているんじゃないかと思っています。
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