2020-01-18 07:18 追加
トヨタ車体・荒木絵里香「シーガルズはやりづらい相手」、岡山・川島亜依美「チームが大事にしていることをやり抜く強さを持ちたい」
SV女子
●印東玄弥監督

しっかり準備はしてきたんですけど、力みが出てしまっていい場面で決めきれなかった。非常に残念に思いますけれども、やや苦手としている岡山に対して前回の試合と比べてチームの成長が見られたので、それを前向きに捉え、次戦の糧にしたいです。次の試合を勝つために必要だった試合だと位置づけておきたいと思います。
――アウトサイドを内瀬戸(真実)選手、鴫原(ひなた)選手、最後に村永選手と入れ替えました。あのポジションが落ち着かなかったという判断でしょうか。

印東:プランにはありました。行き当たりバッタリで取っ替え引っ替えしたわけではありません。
――最終的に村永選手を送り出したのは?
印東:リバウンドを取ったボールで複数の選手が交錯していたり、深いところで守って取るという指示を出していたんですけど慌ててしまったり。攻撃においてはブロックをよく見て打つことを徹底していたんですけど、力みが蔓延して相手にうまくリバウンドを取られるような状況でした。その位置にブロックがあるとわかっていてもやってしまうところがあります。鴫原もブロックで止められてしまっていた。村永の起用はそういうところに対しての落ち着きを取り戻そうということでした。

――評価としては?
印東:村永は結構大きい手術をしてシーズンに間に合わせる努力をしてきました。勝つセットでは点数を取る面で貢献をしてくれていますが、まだ全開とはいかない部分もあると思います。ただ彼女が(直接得点しなくても)コートに入ることで落ち着きが生まれて、周りの選手が活かされる展開もありました。そこは頑張ってくれたなと思います。
――強い部分を徹底的に使うのは戦いのセオリーかと思います。トヨタ車体と岡山は真逆のチームですが、岡山に対してもやはり力押し、正攻法で粉砕することを目指していますか?
印東:今週トヨタ車体の練習を見たら違うものを目指しているのかな?って思っていただいたかもしれません。実際、素晴らしいプランはあったんですよ。そのプランが試合では使われなくて。使った時は100%決まると思っています。反省大会になっても仕方ないですし、それはひとまず置いて次のことを考えたいと思います。

岡山さんは河本監督が長くやってきて、バレーボールを自分の言葉で置き換えてチームの今があると思うんですね。岡山さんはどのチームにとっても特殊なチーム。河本監督の意思の元に粛々と試合を進めていく。そのペースに巻き込まれるチームの筆頭がトヨタ車体だと思うんです。興奮してわーっとなる感じで。それが車体の良さでもあるんですけど。でも岡山さんに対しては暖簾に腕押しというか、こっちは力んで力任せにやるんだけど、向こうは冷静にパチンとやってくる。岡山さんが練習でAB戦をしたならきっとそういうプレーを出しますよね。でも私たちにはそういうタイプの選手がいない。試合で初めて出会うので想定するのが非常に難しいんですね。

仮に岡山さんに勝つためのチーム作りに集中していくと、今度は埼玉上尾さんとかNECさんとか、そういうチームに星を落としていくことになるでしょう。岡山さんはミドルの位置を入れ替えたり、レフトの位置を入れ替えたり、すごく人の入れ替わりをやる。他のチームだと混乱するんですけど、岡山さんは訓練されている。去年まではセッターが3人入ったり、宇賀神さんがスパイクを打ったりなどがあり、自分たちがそれに戸惑って崩れていた面もあったと思います。今年は金田さんと佐々木さんが固定されて安定化された。その中で他のチームが真似できない技巧を持っていると思うんですよね。

岡山さんのことはとてもリスペクトしています。ただうちもそれに対抗するだけのものを持っていた。用意していたんですけど、それを実際に試合で使って勝つ経験があまりにも少ない。使えれば次戦はもっといい戦いになるでしょう。それを繰り返したら安定して勝つことができるでしょう。そのプロセスを経るには、もどかしいですけどやはり時間が必要だとすごく痛感しています。そういう過程の中でも勝つことが重要なんでしょうけど、今日は勝つところまでは行きませんでした。4セット目で燃え尽きて、5セット目に勝ちきる力までは残っていなかった。すごく残念に思います。

――印東監督から見て、今年の岡山は優勝を狙ってきていますか?
印東:岡山さんは毎年優勝を狙ってきていますけど、最後に自分たちで難しくしているというか、惜しい感じはあるんですけれども。みんな岡山さんに勝つまでに時間がかかるんですよね。相手の柔のプレーに絡めとられて自分のプレーを見失ったりして、それをだんだん克服していく。岡山さん自身はなかなか頂点には立たないんですけれども他のチームがそこを目指す過程で必ず一度は倒される経験をしていて。岡山さんに勝てるやり方をちゃんと身につけたら日本一になれるんだなっていうことはあると思います。本当に学びが多いというか。岡山さんとの試合を通じて私が学んだことを選手に伝えて、選手がそれを実行して、勝って自信になるところまでをくり返す。

トヨタ車体はこれから王者の位置に行くために必要なプロセスを歩んでいます。もどかしくてたまらないんですけど、できなかったことを指摘するより、できたことを強調して、これから何が必要かということに目を向けさせることが重要だなとつくづく思います。選手はみんな悔しくて泣いたり落ち込んだりしていますけど、自分がこの場でこういう苦笑いというか、微妙な表情でお話ししているのは「勝つ準備をして負ける覚悟をしている」心境だからです。岡山の選手の技巧は素晴らしく、特に金田さんと佐々木さんの技巧は日本有数のところまで行っていると思います。


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