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インタビュー

2020-02-20 17:34 追加

越境バレーボーラー 福澤達哉「自分がやろうとしているバレーボールは、代表チームで共有できてきているかなと感じます」

福澤達哉インタビュー

Others / 全日本代表 男子

所属のパナソニックパンサーズ(V1)を離れ、今季、フランス1部リーグのパリバレーへ活躍の場を移している全日本最年長の福澤達哉選手にお話を伺った。後半は代表についてや、アスリートとしての情報の発信について。

――この先同じように社員で海外に出ていく選手が増えてほしいですか?

海外に出たいという選手はこの先たくさん出てくると思います。実際増えている。ただ、現状代表チームで(海外で)やっている選手は4人だけです。もっと出てきてもいいと思います。

――チームが見つからなくて苦労している選手も多いですよね。

一種のプレゼン力ですよね。会社員では当たり前のようにしている、企画を通すためのプレゼン、その企画というのが自分自身であって、自分自身をどうプレゼンするか。エージェントに対して、「僕はこうしたいです」と明確に示すことができれば、エージェントもいろんな伝手があるので、提示してくれるかもしれない。その道その道には当然プロがいて、それを生業としている人がいて、そこを繋げるのがコミュニケーション。そのコミュニケーションの段階できちんと自分の意志が伝わらないと、多分その先がスムーズにいかないと思います。

――もともとそういう考えを持っていたんですか?

自分の中のポリシーとしては、選択肢を常に持ち続けるっていうのを一つのベースの考え方としてあって、それは高校の時からそうでした。バレーだけやるというのが、違和感がありました。将来について会社とか上司とかに対しても、「今バレーボールやっていますけど、社員としてこういうことがやりたいです」という話も積極的にするようにしたり。いろんな経験をして余分な部分が削ぎ落されて、何が一番大事なんだろうというのが、ようやくここ最近分かってきたかなっていうところがあります。だから代表でも、悩んでいる選手が分かるようになったりしました。よくあるベテランだから周りに声かけてとか、そんなことする気は全くなくて、例えば若い選手が必要だと思って僕に聞きに来てくれると、それに対しては当然全力で応えますけど、上の選手が下の選手にという文化って、単純にエゴだなって僕すごく思うようになって(笑)。先輩が後輩を引っ張り上げないといけないっていう、それも考え方がもうガラッと変わりました。海外だったらそんなベテランが若い選手にというのは、ないじゃないですか。

チーム内のコミュニケーションは英語で

――対等ですよね。

基本対等じゃないですか。なんで対等かっていうと、いいも悪いも自分次第で、消えていくやつは消えてくし、残るやつは残る。自分が持っている集中力100%をどう振り分けるかってすごく大事で、例えば後輩の指導とか引っ張り上げるのに3割集中力持って行かれたら、自分のパフォーマンスは7割だけじゃないですか。それって本末転倒な話であって、代表で一番ベテランになったからといって、特にする気はないです。

――昔よりは代表でも上下関係が見られない気がします。

それはあると思います。下の選手もよくいじってきますからね。そういうのがチームにとってはいいことだと思います。僕は若かろうがなんだろうが、一プレーヤーとして全員リスペクトしています。俺の方が十何年日の丸背負って戦ってきているから、というのはないです。

――悔しいという思いはないですか?

前はやっぱりあったんですよね。昔でいけば越川(優)さんとか、「ここぞ」というときに活躍できる選手を近くで見てきて、僕もああならないといけないと。その感覚ってすごくあったんです。でもここ3、4年くらいは、「自分のためにプレーするんだ」とマインドが切り替わってからは、他人のことは自分とは切り離して考えて見えてくるようになりました。今は自分がやるべきことはこれで、この選手はこういうプレーをしていて、その選手に対して単純にリスペクトもするし凄いなって思います。自分が獲った一点だろうが、石川が獲った一点だろうが、なんか熱量が全部一緒になりましたね。最終的には誰がコートにいたか、っていうのが僕は一番大事なことかなと思います。感覚としては7人コートに入っていて、7人を一人として考えるんですよね。例えば石川が右手で、西田が左手で、セッターが頭で、胴体がだれで…とか。

前回のワールドカップで言うと、難しい所を自分が決めなくても上手くつないで、セッターにさえ返しておけばミドル使ってくれるとか…。そういう一つ一つの繋がりがバレーボールでは大事で、それをより意識するようになりましたね。

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