2020-02-23 18:26 追加
WD名古屋から台湾に挑戦した渡邊侑磨が得たもの
WD名古屋から台湾へ。渡邊侑磨インタビュー
Others / SV男子
この数年、海外でプレーするバレーボール選手が非常に増えている。男子でいうと、石川祐希(イタリア:Pallavolo Padova)、柳田将洋(ドイツ:United Volleys)、古賀太一郎(ポーランド:Aluron Virtu CMC Zawiercie)、福澤達哉(フランス:Paris Volley)といった日本代表選手たちが、奮闘している。一方で、日本代表以外にも海外でプレーする日本人選手たちが増えた。
その1人、渡邊侑磨は2017年に豊田合成トレフェルサ(現・ウルフドッグス名古屋)に入団し、2019・2020年シーズンは、台湾リーグのContiでプレーしている。Contiはプレーオフラウンドに進めなかったので、レギュラーシーズン最終戦となる2月23日のミズノ戦が、渡邊にとっても最終戦となる。
昨年12月28日、台湾リーグのオールスターが行われ、渡邊は選出されて出場した。また、ウルフドッグス名古屋も台湾公司との親善マッチに招待されて、試合を行った。現地で渡邊に台湾リーグの感想、また、ウルフドッグス名古屋の横井俊広社長に親善試合の経緯や、渡邊を台湾に送り込んだ意図などを聞いた。
渡邊はオールスターファン投票で選出
台北駅から北方向に、地下鉄やバスを乗り継いで約40分。大葉高島屋百貨店の近くにある台北市立大学天母校区体育館でオールスターが開かれた。会場には、オールスターに選出された選手の等身大パネルや、グッズ売り場があり、多くのファンでごった返していた。渡邊の等身大パネルもあった。
男子では投票で選ばれた渡邊が出場し、活躍を見せていた。その後は、女子、なんと混合の試合まで行われた。そして、最後に行われた試合が、台湾リーグ強豪の台電公司とウルフドッグス名古屋のエキシビジョンマッチだった。渡邊も名古屋のユニフォームを着て控えていたものの最後まで出場機会はなかったが、久しぶりに仲間たちと一緒になって楽しんでいる様子だった。
試合終了直後、渡邊に声を掛けて、取材の希望を伝えると、「僕は裏海外組ですがいいですか?イタリア組とか、ヨーロッパ組じゃないでけど(笑)」とジョークで返してきたが、こちらとしては逆に是非話を聞きたかったので、ありがたく取材させてもらった。
どんなレベルでも試合に出たかった
2019・2020年シーズンを台湾のContiでのプレー経緯は、試合出場への願望からだったという。
「豊田合成(ウルフドッグス名古屋)で出場機会がなくて、せっかく入ったからにはどこかで出たかった。マレーシアの時(※)に試合に出たんですけど、その時にそこそこ出来るなと感じました。どんなレベルでもいいから試合に出たいと(チームに)伝えました。ジェイ(劉鴻杰)を取るに当たって、(台湾と)交流をしたいということで、チーム(名古屋)が紹介してくれて、僕もそういう意志があって、ここに来ました。また、(2017年に)ユニバーシアードの大会が台北であったので(渡邊も代表選手として出場)、もともと台湾に行きたいとずっと思っていました」
(※2019年4月にマレーシアで行われた大会で、マレーシアの合同チームに渡邊侑磨、黒澤雄介、山田脩造の3人が助っ人として参加した。日本バレーボール協会のアスリート委員会に属する内山正平によると「向こうの関係者からアスリート委員会にお話があって、であればということで紹介しました」という)
普段なかなか渡邊の台湾でのプレーぶりを見る機会はないが、渡邊はTwitterやInstagramで度々現地でのバレーの状況や生活や交流ぶりを発信していた。それを見てみると、基本的にはチームメイトとの交流を楽しんでいる投稿が多いが、稀にバレーに対する違いに悩む投稿も見られた。
「(日本と台湾のバレーの違いは)リードブロックを全然しないですね。めっちゃコミット(ブロック)します。だから、(ウルフドッグス名古屋と台電公司の試合でも)ありましたけど、パイプ(後衛中央付近からのバックアタック)がいっぱい通る。コミットでクイック(速攻)を止めにきてるので、パイプが通りやすい。ただ、そのかわり一対一が強いですね」
「(台湾のプレーは)やっぱり大変ですよ。包み隠さずにいいますが。文化の違いもあります。また、僕は午前中に仕事をやっています。(名古屋の時とは)違う体制でやったり、トレーニング施設とかも豊田合成の施設みたいには良くはないです。自分で考えてトレーニングをし、御飯も自分で考えて食べたりと」
ウルフドッグス名古屋の実質親会社である豊田合成は、アジア各地に関連会社を持つ。台湾にもあり、渡邊は豊裕という現地法人で、人事の仕事を手伝った。オールスターには、豊裕の副社長や社員が観戦に訪れていた。
「午前中に仕事をしてから、家に帰って、少し中国語を勉強して、食事を取ってから、練習に行ってました。台湾の生活は、最初はきつかったですけど、段々慣れました。日本と大体一緒なんで。(食生活は?)日本食を食べたいなと思ったら、大戸屋とかいっぱいあるので」
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