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インタビュー

2020-02-23 18:26 追加

WD名古屋から台湾に挑戦した渡邊侑磨が得たもの

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横井社長「地域と世界を繋ぐ」バレーボール

ウルフドッグス名古屋を運営するTG SPORTSの横井俊広代表取締役社長は、こういった海外との交流を広げていきたいという。

横井俊広 TG SPORTS代表取締役社長

――今回の親善試合の経緯は?

リュウ・ホンジェ(劉鴻杰)くんがうちに来てくれたというのもありますし、うちの渡邊くんがContiでお世話になっている。そういう関係で台湾のバレーボール協会の方と我々が、一緒に協力的な関係を築かせてもらっている。向こうの事務局長さんから、(2019年)9、10月頃に、年末にオールスターをやるから来ないかとお誘いされました。さらに渡邉も選出されて出られるかもしれないというのもあり、話を進めました。直前までどうなるかわかりませんでしたが(苦笑)

 

――サッカーのJリーグや各チームはアジア戦略を採り始めて、有効に活用しています。今回、バレーボールで豊田合成が現地法人とか現地の工場との連携を深める一環なのかなと思いました。企業的な目的はありますか?

もちろん。台湾には豊裕、台裕橡膠工業といった関連会社があります。渡邊は豊裕で人事の仕事を午前中やって、バレーをしています。関係会社の社員の方も渡邊が台湾でバレーするにあたって盛り上げてくれた。渡邊がオールスターの投票が3位になりましたが、連日「ユウマが何位になった!」って人事に報告するくらい盛り上がっていました。

ウルフドッグス名古屋のブースでは、豊田合成の現地関連会社社員が、ファンを歓迎していた。

――今後も海外との連携を深めたいと考えていますか?

僕は会社でいつも言っているのですが「バレーボールは繋ぐスポーツ。人と人を繋ぐ、人と地域を繋ぐ、地域と世界を繋ぐ」というのが、ずっとキャッチコピーでいっている。僕は地域と世界を繋ぐ、一番近くて親しい台湾とそうなりたいなと思いもあって、渡邊を送り込んでいます。関係会社もありますし、当然中国語も勉強してくれて、いろんな人脈を作ってくれて、バレーボールでもこことご縁を作って欲しい。

オールスター最後に行われたウルフドッグス名古屋と台電公司のエキシビジョンに集まった現地の人々。日本とはまた異なる声援で盛り上げた。

――これは一種の豊田合成の会社としての社員教育プランみたいなものがあるのかなと感じました?

もちろん。おっしゃるとおり。完全にそういうことも含めて、だから、会社にお世話になっています。中国語も勉強してもらうことで、豊田合成は中国でも約10社ほど関連会社がある。彼のビジネスキャリアとしても絶対大きく将来役に立つと確信がある。同じくスウェーデンに送り込んだ黒澤(雄介)も同じです。(前監督でスウェーデン人である)アンディッシュとのつながりもあって、ハボバレーで研修して、彼にはジュニアの指導だったり、ハボバレーが地域の人をどうやってバレーに親しんでもらっているか、その部分が進んでいるので学んでもらっている。アンディッシュにも月に1度2度か会って、アンディッシュからも勉強させてもらっている。あとは、全部英語なので語学の勉強になる。そして、ヨーロッパはバレーボールの中心。ヨーロッパのバレーの流れを、黒澤にはつかんで欲しいというのがある。研修は基本1年ずつですね。これはTGスポーツとして海外に出しているが、豊田合成には海外出向制度があり、社員8年目くらいから10年未満の時に1回海外に出向しようよ、というのがある。それをバレーボールに適用している。

母国の人気選手の帰還とあって劉鴻杰には、試合前、試合中、試合後と常に声援が送られていた。

――ということは、いずれTGスポーツ、豊田合成、どちらに還元する形になるのでしょうか?

当然(ウルフドッグス名古屋の)ジュニアの指導だったり、スクールのやり方だったり、TGスポーツに還元してもらえばと思う。ただ、キャリアとして彼らは長い目で見れば、会社員として頑張ってもらう。絶対に異文化で仕事をした経験は役に立つ。語学力だったり。川口太一もドイツで経験しています。(古賀)太一郎はちょっと違う形ですけど、ポーランドでああいうかたちで成長していきました。彼も最初はうち(豊田合成)でフィンランドに出て、フランスにいって、ポーランドにいって定着した。彼は彼で、バレーのキャリアが花開いたといっていいかわからないが、伸びていっている。両方があっていいと思う。バレーで伸びる人があってもいいと思うし、会社員としてのキャリアを、何が何でも会社に還元してほしいというわけではありません。

 

――Vリーグが変革期の中、こういう選択肢を選手に示せるというのは大きいと思います。

ありがとうございます。

 

なお、横井社長は以前、台湾の関連会社で董事長(代表)を兼務したこともあってか、会場で現地の台湾人役員や社員たちと交流していた。

客席から声援を送る、劉鴻杰の親族と関係者たち。

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