2020-07-06 17:54 追加
パナソニック、新型コロナウイルスに対策したパンサーズマッチ(紅白戦)を配信
パナソニックパンサーズ紅白戦
SV男子
V.LEAGUE Division1のパナソニックパンサーズは6月27日、パナソニックアリーナ(大阪府枚方市)で、パンサーズマッチ(紅白戦)を無観客で行った。試合の様子はV.TVで生配信され、パナソニックパンサーズ公式サイトからアーカイブでも見ることができる。
5月末で引退を発表していた山添信也選手の引退試合を兼ねて、「ウィズコロナ」の世界で、いかにインドアバレーボールの試合を遂行するかを追求したものとなった。試合前後のネットを挟んでの握手ではなく礼、得点をあげてもハイタッチはしない、セットごとのコートチェンジも行わないなど、工夫をこらしての開催となった。その代わり、資格を持った主審・副審によりジャッジ、場内アナウンスによるプロトコルのコール、メディアによる取材など、できる限り公式戦に近づけた方法が探られた。
南部正二GMによると、この日に至るまでのチーム内練習でも、感染を防ぐためにグループに分かれてボール練習を行ったり、ボールも1回1回アルコール消毒をしたり、トレーニング機器も1回使用ごとにアルコール消毒するなど、感染予防を徹底してきたという。それらの努力が、この日のパンサーズマッチ開催へとつながった。「ファンの方にも、『バレーを観戦する喜び』をお届けしたい」というのが南部GMの思いだという。
試合に先立ち、勇退した山添信也さんから選手宣誓が行われた。「宣誓! 我々選手一同は、新型コロナウイルスにより中止となった黒鷲旗の分まで、精一杯頑張ることを誓います」。
ブルーパンサーズは、1清水邦広、2深津英臣(キャプテン)、3山添信也、5渡辺奏吾、6白澤健児、8仲本賢優、10山内晶大、12専田和也、15福澤達哉
ブラックパンサーズは、4大竹壱青、7久原翼、9今村貴彦(キャプテン)、11鈴木祐貴、16伊賀亮平、18牧山祐介、20新貴裕、21兒玉康成、22小宮雄一郎
両チーム総監督は、5月に手術を行った永野健選手が務めた。
試合は3セットマッチで3セット目は15点で終了。第1セット、第2セットともにブルーパンサーズが連取したが、第3セットはブラックパンサーズも意地を見せてセットを取った。結果は2-1でブルーパンサーズの勝利。
試合後のヒーローインタビューにも山添さんが選ばれ、「バレー人生で一番印象深かったことは」という質問に「一番印象深かったのは、この素晴らしいメンバーと一緒に戦えたこと」と答えながら、涙で声がつまった場面も見られた。息子さんと娘さんからの花束贈呈も行われた。会場のフェンスには山添さんの後援会による応援弾幕も掲出され、勇退には恒例のイベントである「胴上げ」も身体を密着させないよう山添さんが床に仰向けに横たわり、それを選手スタッフ一同でエア胴上げするという形で幕を閉じた。
清水選手は「2月29日以来初めての試合で、緊張するところもありましたが、とても有意義でした。試合でしかできないことがあり、それを今日やることができたのが、本当に良かったです」と振り返った。
また、パリバレーから帰ってきて久しぶりにパンサーズでのプレーとなった福澤達哉選手も、「今日はいろんな方のおかげでこの試合を開催することができました。そのことにまず感謝したい」としつつ、「インスタライブなどでも楽しんでいただけたかと思います。このような厳しい状況ですが、だからこそいろんな形で発信していくことを考えたい」と「ウィズコロナ」の世界でのバレーボールの試合を発信していくことに意欲を見せた。
7月1日にはVリーグ機構の嶋岡健治会長から、新型コロナウイルス感染症対策のガイドラインが発表されたが、2月29日のV.LEAGUE Division1男子ファイナル以降、すべての公式戦が中止となっている日本バレーボール界において、先駆けとなるイベントとなったといえよう。
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