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インタビュー

2020-09-30 11:56 追加

荻野正二サントリー前監督「前シーズンより個々の選手のレベルは上がった。唯一の心残りは、リーグ優勝を果たせなかったこと」

SV男子

――今、秦選手の名前が挙がりましたが、他の日本人選手についても、今季成長した部分と課題を教えてください。

荻野:秦はいちばん成長しているなと感じています。ほかには内定選手で出場した西田(寛基)とか、セッターらしいセッターでいいものを持っているし、パス力はまだまだこれからつくと思うけど、レシーブもいいし、ムードもいいし、そういう面で大宅と2人でやっていくには本当に安定したセッターにこれからなっていくんじゃないかなと思います。本人もメインで出場できたことが自分の中でプラスになったと言っていたし、できたことが経験よりも嬉しかったと言ってましたね。そこで「もっと出たい」という欲が出たというのがよかったと思います。

あとはミドルブロッカーの佐藤とか、よくリリーフサーバーで出る選手なんですけど、サーブもいいし、スパイクとかも練習中かなりいいので、これからどんどん伸びるんじゃないかと思います。 あとは出場回数は少なかったけれど、加藤とか、 AB戦をやっていてもサイドアウト率がかなり高いし、ブロックとかは課題ありますけどね。だから、小野はずっと試合に出ていましたけど、佐藤、加藤、小野の3人に関しては、ブロックはまだちょっと課題なので、ブロックがどんどん上がれば、佐藤、加藤ももっと試合に出れるんじゃないかと思います。

――藤中選手の評価もお願いします。

荻野:藤中はサーブレシーブが崩れる時は大崩れというのがありましたけど、僕の現役時代と同じポジションなので、サーブレシーブのつらさもわかるけれど、そこを乗り越えてくれたかなと思いますね。ジャンプフローターの対策はしているんだけど、ジャンプサーブの時に間を打たれたりとか、そういうところがあって。ジャンプサーブは速いし、わからないでもないんですよ。僕の現役時代よりサーブ力も上がってるし(笑) サーブで直接ポイントを取られることもあったので…。でも、そこらへんはうまく修正してくれると思うので、いいかなと。スパイクに関しては、もうちょっと上がるんじゃないかと思うんですよね。そこが上がれば代表もいけるんじゃないかと。

パイプも打てるんでね。特にレフトサイドから打つスパイクの決定力を上げれば、サーブレシーブは今代表に入っても遜色ないと思っています。ブロックとかレシーブとかはまだそれなりに伸びる要素はある。まだ若いし、安定はしているので、その安定感プラスアルファ、攻撃力が上がればと思いますね。本人も言っていると思いますけど。

サーブレシーブに関しては、フローターの時は、リベロ2人で取るから負担が大きいのですが、その中でもうちょっと直接ポイントをなくすとか、あとは指示とか。やっぱりリベロがメインになってしまうから、リベロがいろいろ指示するけれど、そこはでも、一番ボールを触るのがレフトのポジションですから。僕もそこをずっとやってきて、やはり指示したりしていたので。指示することで責任感が出て、取る範囲が広くなったり、自分の責任感というのがどんどん植えつけられる。そのため、自信もって練習から発言したり、試合中も「自分がカバーするから、もうちょっとこっち寄れ」とか、そういう積極的な声をもっと出すことによって成長できると思うので、そこらへんは今後に期待したいと思います。

――大宅選手の今シーズンの評価はどうですか?

荻野:大宅は昨シーズンの内定からずっと出ていたし、試合に出たことで自信につながったと思います。かなり安定感が出てきました。クイックに対して、Bクイックなどのトスが苦手な部分もあるのですが、それも小野だと合うし、他の選手でも合わせられるような技術というのはこれからできると思うので…。そういう面では、西田のお手本になっていると思います。パス力とか、レフトに上げるトスというのは他の選手よりきれいなんじゃないかと思うし、打ちやすいトスを上げるなと傍から見ていても思います。あとはメンタルですね。パニックになるとトスが偏った上げ方をしてしまって、人の意見も耳に入らないところがある。そこらへんは自分がもっと操作できるように、アドバイスを聞きながら操作できるようになればもっといいんじゃないかと思います。

トータル的にはよくなっているし、もともと持っているものもいいので、そこは落とさずに、さっき言ったように、不得手な部分はクイックの上げ方とか、メンタル的にちょっと詰まった時に、いろんな人に意見を言われると思うけど、そこをチョイスしながら、自分の中に取り入れて、どうトス回ししようか考えてほしいというのはあります。

競っているときのサイドアウトの取り方はわかっていると思うけど、負けているときに点差が開くとムセルスキーにばかり上げてしまったりとか、(相手ブロックが)2枚走ってるのに、その方向に上げたりとか、余裕がなくなるんです。セットスポーツだから、その時はまたレフトに上げて、負けてるからこそ敢えてチャレンジして、次のセットにつなげたいなとか、そういうチャレンジをしていくことも大事かなと思います。

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