2020-10-13 14:06 追加
嶋岡健治Vリーグ機構会長「外国籍選手及びスタッフは全員にビザが下りた。今季はどんな形であれ、リーグを完結させたい」
Vリーグ機構 嶋岡健治会長取材コメント
SV女子 / SV男子 / V女子 / V男子
Vリーグ機構の嶋岡健治会長が12日、取材に応じ、10月17日に開幕するVリーグを活性化させるための展望についてなどを語った。
「どんな形であれ、今季のリーグを完結させたい」と語った嶋岡会長。コロナ禍で観客の密を避けるため、今季は入場者数を定員の50%とする「リモート50」での開催となる。選手・スタッフの定期的なPCR検査、会場における来場者の検温、消毒液の設置など感染対策を十分に行うことはもちろん、リーグ成立条件などの見直しも行った。10月2日に行われた記者会見でも既に発表の通り、従来のリーグ成立条件はV・レギュラーラウンドの予定試合数を75%消化としてきたが、今季は50%としている。
海外渡航に制限が設けられている状況で、今季の入部が決まっている外国籍の選手やスタッフにビザが下りない、入国できないなどの問題もあったが、「現在は全員にビザが下りている。チームによりまだ入国待ちのケースもあるが、解決の方向に向かっている」(嶋岡会長)という。
そのような中、新しい試みも始まる。V1男子は土・日曜と同一カードの試合を2日続けて行う。「これはホーム&アウェイを定着させるためにいろいろな考え方を試していきたいということ。開催地に関係のないチーム同士の対戦カードが多くなると、ホームの意識が薄れてしまう。足元をしっかり固め、地元で応援していただけるチームにする。チームを根無し草にしない。そのためにVリーグとして何ができるかを考えています」と嶋岡会長は語る。男子先行となったが、試行錯誤しつつ、来季以降女子にも導入の可能性もあるという。
また、今季はリモートマッチ(無観客試合)の会場もあることから、Vリーグ公式動画配信サービス「V.TV」での試合配信も充実させる。V2、V3も全試合を配信し、認知につなげる。
「V1ではサッカーに例えるならメッシのような大物外国人がプレーしているが、なかなかそれが露出されない。どうすれば世間の注目を集められるのか? 日本人はストーリーが好きなので、その選手のバックグラウンド的なものを出していけばより見てもらいやすいかもしれない。また、コアなバレーボールファンに加えて、ライト層をどう引き寄せるか? チームも選手自身が地元の人たちにチケットを販売するなど、自発的に動いていかなければならない時代。ホームタウンを大切にして、そこで利益を出して、企業の費用をおさえるという考え方も必要。昔のリーグは企業チームが主体だったが、現在は堺、岡山のような市民クラブや、WD名古屋、久光のように独立採算制で会社を設立するチームも出てきた。これからはチーム内に責任を持ってジャッジできる人材も必要になる」(嶋岡会長)
今年は9月末に2年に一度のVリーグ機構の役員改選があり、嶋岡会長の代表理事会長続投も決まった。「東京オリンピックはどうなるのか? そして、その後、世の中のスポーツを見る目はどう変わるのか?」と、五輪メダリスト(68メキシコ大会銀、72ミュンヘン大会金)としての視点からもスポーツ界の将来を見据える。日本バレーボール協会とVリーグ機構の会長を兼任し、多忙な毎日を送るが、コロナ禍においても歩みを止めずに改革を推進する。
写真提供:V.LEAGUE
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