2020-10-23 19:07 追加
全治12ヶ月の大怪我の長友優磨を救った清水邦広との約束「もう一度コートで会おう」
長友優磨と清水邦広の絆
SV男子
V.LEAGUE DIVISION1男子が17日開幕した。FC東京は昨季準優勝のパナソニックパンサーズとアウェイで対戦。そのコートには昨年9月に左腓骨骨幹部骨折、左足関節開放脱臼、左脛腓間靭帯断裂、左三角靭帯断裂1年にわたるリハビリを乗り越えた長友優磨が立っていた。
長友はスターティングメンバーとして強豪パナソニックとの対戦に臨んだ。破れはしたものの、1セットを奪い、最後まで諦めない姿で東京ファンを魅了した。16得点でチームのベストスコアラーをマーク。バックアタックで得点を重ね、パナソニックを苦しめた。
長友は、新型コロナウイルスの影響でチームに合流が遅れている外国人選手、プレモビッチの代わりにオポジットとしてプレーした。彼はサウスポーでもともとオポジットに向いていたが、ここ数年はチーム戦略のもとでサーブレシーブに入るポジションも務めていた。
長友は言う。「怪我をする前の数年は、サーブレシーブを担当するポジションで、試合にも出たり出なかったりすることもありました。今季もサーブレシーブに入るレフトでという構想だったのですが、この新型コロナウイルスの状況で、プレもビッチが遅れるから、オポジットでということを監督から言われて、そこからは自分が開幕戦スタートからやるんだという気持ちを持って臨みました。昨シーズンの開幕戦は怪我で出られませんでしたが、今回の開幕戦は緊張することもなく、楽しく自分らしくやれたかなと思います。
1年ぶりに公式戦に出場することについては、言葉に尽くせないほどの思いがあります。ここまで支えてくださったチームメイトやスタッフ、医療の関係者、サポーターの皆さんには感謝してもしきれないですね」
昨年9月、岩手県のオガールアリーナでの練習中のことだった。プレモビッチのスパイクをブロックするというなんでもない練習で、経験したことのない大怪我を負った。ブロックの着地のときに、他の選手の足の上に乗ってしまったのだ。スパイクなりブロックなりの着地の際に、他の選手の足の上に乗って怪我をすることは、実は少なくない。だが、この時長友に起きたアクシデントは、想像を超えたものだった。
「怪我をした瞬間には痛さは感じませんでしたが、何かがブチブチっと出てきたことはわかりました。皮膚から飛び出てきた骨を押し戻してこれで大丈夫と思ったら、すごい量の血が出てきました」。騒然となる周りが「大丈夫か」と声を欠けてくれるのに対して「平気だよ。痛くない」と気丈に周りに声をかけて救急車に乗り込んだところで、涙が溢れた。
手術が終わり、麻酔から醒めたときは「ありえない」と思うほどに痛かったと今でも思う。それは体の痛みだけではなく、「バレーボールをこれ以上続けられるのだろうか」という心の痛みでもあった。
長友はその人なつっこさで、チーム内外にたくさんの友人がいる。副主将の手原紳やリベロの橘裕也といった仲間たちが入れ代わり立ち代わり病室を訪れ、LINEでも励ましの声をかけてくれた。それでももちろん不安はすぐには晴れない。地道で苦しいリハビリが続く中、心が折れそうになったこともあった。
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