2020-10-23 19:07 追加
全治12ヶ月の大怪我の長友優磨を救った清水邦広との約束「もう一度コートで会おう」
SV男子
「清水さんともう一度対戦するために」
そんな中で、長友に光を与えてくれたのが、2018年の試合中に同じように膝に12ヶ月の大怪我を負って、長く苦しいリハビリを乗り越えてリーグに、そして日本代表に復帰した清水邦広の存在だった。清水も長友と同じサウスポーのオポジット。靭帯を断裂した複合的な大怪我というところも共通点がある。ワールドカップでの清水の活躍をねぎらった長友のツイートに、清水が応えた「コートで一緒にまた戦いましょう」という言葉が、本当に励みになった。
「今は怪我してキツいかもしれないけど、 乗り越えた先に満足感や達成感、感動も味わえる! 怪我して悪いことばかりじゃないはず。 大きな怪我は 一人の力では中々キツいけど みんながついてるから 復活出来るよ! そしてまた一緒に戦いましょう。 諦めずにコツコツ。 笑顔を忘れずに!! 頑張れ!」(清水邦広ツイッターより引用)
相手は長年日本代表のエースを背負ってきた存在。以前のインタビューでも、長友は目標とする選手に清水を挙げていた。そんな清水が自分の怪我とリハビリを踏まえて、『また一緒に戦いましょう』と言ってくれたことが、長友には本当に励みになった。リハビリで辛くなったときは、清水のプレーの動画を何度も見返して「清水さんとまた対戦するんだ」という目標のために頑張り抜くことができた。開幕戦の対戦カードが出てからは、一層その思いに拍車がかかった。
そして、開幕戦。パナソニックアリーナのコートで、長友はスターティングメンバーとしてコールを受ける。対するパナソニックパンサーズのオポジットは…もちろん清水邦広だ。長友も清水も、怪我のことを感じさせないくらいの素晴らしい打ち合いを見せた。
試合後、清水が長友に駆け寄り、弾けるような笑顔で言葉をかけた。「よく頑張ってきたな!」長友はただ感無量だった。
清水は「僕自身、辛くて長いリハビリをやってきた経験があるので、長友選手が越えてきた辛さもわかります。それをやり抜いたことを尊敬します。長友選手もあれだけ調子を上げてきて打ち合うことができました。昨日と今日は本当に僕にとっても長友選手にとっても意義のある試合になったと思います」。
新型コロナウイルスの影響で、観客が50%以下に制限されたり、V1男子については土日同じカードでの対戦となるなど、従来とは大きく異る状況で始まったVリーグ。二人がまた対戦するのは、年明けの1月10日、11日に今度は東京のホームゲームでとなる。V.TVでは開幕2連戦の様子を視聴することができるので、それまでに彼らの攻防を振り返ることも可能だ。困難を乗り越えてお互いを高め合う二人の活躍に一層期待したい。
取材・文:中西美雁
写真:火野千鶴
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