2021-11-26 19:50 追加
カーテンコール 星城高校監督・中根聡太さん 「インカレ4年の時に中大を倒せたのは、本当にいい思い出です。ずっと4年間そのために戦ってきたから」
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――そして高校は星城高校を選んだ。
中根:当時から愛知県で星城高校ってすごい高校だったんですよ。僕ら愛知の中学生だったら誰もが行きたい星城高校で。その星城高校にとってもらえる、竹内先生にスカウトしてもらえるっていうことはすごいことでした。だから、僕たちは行きたくてしょうがなかったです。中学の時にJOCの大会で準優勝になって負けちゃって、そのメンバーがごそっと星城で、そこに武智が加わって、ああやって(6冠を)勝たせてもらって。
――星城高校時代は、前人未到の記録を作られましたけど、その時の思い出は。たくさんあるでしょうけれども。
中根:思い返すと、僕の中では苦しかったなという2年間でしたね。最初の1発目はすごく嬉しかったんです。タイトルというものを一度もとったことがなかったので。初めて優勝して日本一という夢のようなものをつかめて。「これが日本一か」って。「勝っちゃった!」って。でもそこに何かがあるわけじゃなかったんですけどね。あっさりとっちゃって。そこからが苦しかったですね。
やればやるほど、うち(星城高校)は力があるということが、すごく理解できたんです。僕はセッターですから、色々分析したり人をコントロールする仕事だったので、どこにも負けないアタッカー、どこにも負けないディフェンダーがいるチームで、負けるとしたら俺が原因なんだろうなというのがすごくあった。それをやればやるほど理解できたので、すごく苦しかったです。勝って当たり前なんだって。そのプレッシャーとの戦いでしたね、常に。
――たとえば西田有志選手はちっちゃいときに北京オリンピックを見て「僕もオリンピックに出る」といったらしいんですけど、そういうことは?
中根:ないかな。でも小学校のときに星城高校が日本一をとったんです。オミさん(深津英臣:パナソニック)のときに。そこで、「愛知の星城高校が日本一をとったよ」とお母さんが僕に伝えてくれた。「あーそんな高校があるんだ」と知った時に、「星城高校に入りたいな」ってかすかに思いました。バレーボールに夢はなかったです。現実が見えてたので。身長的なことで。勘違いはしたくなかったから。
――一番思い出に残ってるのは?
中根:様々な思い出があって、一個目はすごくあっさり。ぶっちぎりだったんです。どこにも危なげない試合をせずに。東福岡が第2シードで、ターゲットだった。東福岡の対角の上のラッキーなところにうちが入って。東福岡は前年度の準優勝で右下だったのかな。1回も試合をせずにぶちあったんです。で、ここしかないと竹内先生が言って、倒してそのまま転がった岩が止まらずにタイトルでした。
2個目は国体ですが、石川が捻挫して、きついなというところから、準決勝で兵庫で、山崎貴矢が大大大爆発して勝った。石川がだめだった。
3つ目は春高だったんですけど、大塚が決勝で。そこが結構危なかった記憶があります。ずーっと(練習試合などを)やってきたチームで、互いの手の内はすべて知り尽くした中の試合でなんとか勝てた。
次の3年生のインターハイも決勝が大塚でなんとか勝って。次の国体の準決勝で東福岡戦で、あれが一番危なかった。もうあかんと思いましたね。4セット目には負けたわと思ったんですけど、石川が踏ん張ってくれて勝ちました。決勝は大塚。最後の春高はまあ、東福岡とのリベンジマッチでしたね。国体は石川と川口太一が勝っただけで、後は全員負けていたので。個人的にリベンジマッチだと。その思いでなんとか勝てましたね。
――春高はその東福岡戦から見てたんですけど、あの試合があの春高の星城にとって一番鍵になった試合かなと思いました。決勝じゃなくて一個前ですよね。
中根:そう、あそこが勝負でした。それ以外は余力がありました。
――6-2かなんかで東福岡にリードされてましたよね。
中根:めっちゃリードされてました。でも、あそこは追いつける力があったんですよ。
――6冠を達成したときはどんな気持ちでした?
中根:ホッとした。僕は結構修行でした。つらかった記憶。バレーボールを心から楽しめてなかった。「楽しめ楽しめ」って選手によく言うけど、楽しみ方が僕もよくわかってない。それくらい追い込まれていたというか、自分にプレッシャーを掛けた。それが僕の良さかもしれない。
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