2021-01-01 14:52 追加
カーテンコール 川村慎二さん(前パナソニック監督)「いつかまた皆さんの前に帰ってきたい」後編
川村慎二さんインタビュー
SV男子
昨年5月に勇退した前パナソニックパンサーズ監督、川村慎二さんのカーテンコールをお届けする。後編は、初めてのリーグ優勝と連覇、アジアクラブ選手権、現在の生活と読者へのメッセージなど。
――3年目の終盤にあれだけ怪我人を出してから4年目には怪我の防止に取り組みましたね。
「完璧な防止というのはないです。できないじゃないですか。ただ、できることはしました。たとえばジャンプの回数を測って、制限をかける。それはやりましたけど、あとはケアしかない。疲労をためないようにケアは大事にしました」。
――4シーズン目、圧倒的な強さをみせてレギュラーラウンドを終えて、大砲の清水邦広が選手生命に関わるような大怪我を試合中に負った。
「思い出したくないです。見たくないですもん。今でも。今でもテレビで流れる時、ほんまみたくない。絶対見たくないからチャンネル変えます。それほどショックだったんです。あのときのことは、選手もあまり言いたくないんじゃないんですか」。
そのときトスを上げた深津英臣は、今でもその時の映像を見られないという。おそらく一生見ることはできない、自分のトスのせいでと思ってしまうからと。
「それほどみんなショックだったんです。そのときは表面上のことしか言えないですよ。『切り替えて頑張ろう。まだ試合は続くから』。そういうことしか言えないじゃないですか。僕の中でも、スタッフ全員ですけど、次のことってあまり考えてなかったです、そのときは。次の試合は負けて。ボロボロに言われましたしね。清水がいなかったらあんなもんやと。
あの時いろんなメールとかコメントが来ました。励ましていただいたものもたくさんありましたけど、そうでないものも結構あって腹がたったんですよね。もちろん清水というのは偉大ですけど、それでも違うメンバーが出ても勝てるというチーム作りをずっとやっていていたので『見とけ』というのはありました。そこからですね。マウリシオと古田さんと行武さんと、『ここにこのメンバーを置いたらどうなるか』というのを何通りも何通りも組み合わせて、シミュレーションして」。
――怪我をした次の豊田合成戦で久原翼さんをセッター対角で少し試しましたけど、それも一つの?
「そうです」。
久原は守備的なアウトサイドヒッターで、それまでは大学の練習でもライトはやったことがなかったという。だがグランドファイナルでフルセットに持ち込んだ時、ファイナルセットのスタートから久原をライトで起用し、それは見事にあたった。
初のリーグ優勝を決めた記者会見のあと、川村は「最終セットのあれは、川村さんぽくなかったですね」と声をかけられてただ微笑んでいたが、筆者はあの布陣こそ川村らしさの出た采配だと思いながら見ていた。川村の現役時代、やはり清水が怪我をしてセッター対角に山本隆弘や助っ人外国人を入れてもうまく行かず、結局川村がサーブレシーブもするライトアタッカーとして入った。優勝はできなかったが、敢闘賞を受賞。つまり、勝っていたら川村がMVPだった。それを、当人が覚えてないはずがない。
「あれはほんまに、みんなで勝ち取った優勝でした」とだけ川村は笑った。
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