2014-03-05 17:28 追加
JTヴコビッチ監督インタビュー
SV男子
ーー戦術面でのことを教えていただけますか。
むずかしいね。戦術面というのは対戦相手によって日々変わってきますので。サーブを戦術的に狙っていったり、強いサーブが打てる選手は常に強いサーブを打ち込むように指示したり、相手のトスのボールに応じてどういった形でブロックをするかという戦術であったりとか。どのローテーションにおいても誰が拾って、だれがあげて誰が決めるかという約束事はきっちりとある。一般的な戦術は対戦相手に依存する。相手のローテーションや、本当に状況状況において、対戦相手をビデオや紙を使って研究して試合に臨みます。
ーー今JTさんは開幕から非常によい状況でいますが、要因は何だと思いますか?
今言ったことができている。チームとしてプレイして、メンタル的にも非常に改善されている。リードされている状況でも取り返すことができている。プレイヤーに関してもチームの戦術プランにしても改善されている。本当に今は戦術プランがなければ試合に勝つことは難しい。練習だったりミーティングだったりビデオだったり話をしたりだったり、すごく時間を割いてやっています。
ーー昨年までのスターティングメンバーと、セッターが井上俊輔に変わっていると思うが。何故彼を起用しているのか。もちろん起用は当たっていると思いますが。
彼がプレイするに値するから起用しているわけで。深津と菅に関してもすごくいい選手。3人ともたくさん練習するし、いい選手。現時点では3人の中では井上が少しぬきんでているから。
ーーサーブ力とかブロック力があるから?
彼はもちろんいいサーブとブロックを持っているけど、起用する一番の理由はトスワークですね。彼のセッティングはいいといえる。よくなかったらここまで勝ててないと思いますよ。
ーーほかにもファンに対してこの選手に注目してほしいという選手がいたら。
JTは今季、セリエで3シーズンのキャリアを持つ越川優を獲得した。越川と契約するということはJTがそれだけタイトル獲得に対して真剣に戦っている証でもあります。彼は間違いなくここ十年の日本で最も素晴らしい選手の一人。彼のプレイだったりリーダーシップだったり、経験だったりは、チームに対してものすごく大きないい影響を与えている。ただ、チームワークの話をしましたけど、一人の力では大きな事を成し遂げることはできない。なので、チームに対してはチームワークでプレイすると言うことを口を酸っぱくして言っている。
八子とイゴールについては昨シーズンよりもいいプレイが期待できる。交代選手の話をすれば、小澤だったり安井だったりもいいプレイをしてくれている。菅と深津についても、試合の途中で投入しても流れを変えてくれていい働きをしてくれている。町野は高いスタンダードのプレイをしてくれますし、あとは安永とといもとはいいプレイはしているけど、これからもっともっと伸びしろがある。そのために練習させている。
ーー海外のバレーを取材した時にびっくりしたのは、海外では週に1回しか試合がない、でもそれはどうやら世界ではそちらの方が普通ということでした。それについては?
これは選手にとってすごい負担になると思います。本当に今の試合を見る限り、土曜日の一試合目の方が二日目よりいいプレイをできる。JTだけの話ではなく、リーグ全体を通しての話だ。
例に出すと、たとえば土曜日の2試合目にスタートするとなると、今のレギュレーションだとだいたい4時スタートくらいになりますよね。2時間プレイして、試合が終わるのは6時半か7時頃。それで次の日1試合目に組まれていたとすると、1時からスタートなので、選手のリカバリーであったり、次の試合のための準備、研究、ビデオミーティングだったり分析だったりをする時間が少なくなってしまう。本当に肉体的にも精神的にも選手にすごく負担がかかっているんじゃないかと思っています。
ーー今後の展望について。
まずは今シーズンの目標である、会見の時にも述べたが、プレイオフ進出が目標ですね。あとどのチームもそうですけど、そろそろ大学の内定選手が合流する季節。今季JTには3人新人が決まっています。まあやはり若手選手というのは伸びしろがすごくある状態で入ってくると思うのでハードワークしてチームの主軸になってほしい。新陳代謝も必要だ。新入団選手には成長を促したい。あとは、今シーズンが終わったら来シーズンにむけては、フィジカルコンディションの準備の仕方についてはちょっと変えるかもしれないですね。
ーー日本バレーに対するアドバイスを。
まず現実を見ること。現実を見すえて戦うことが大事なんじゃないですかね。高すぎる目標を持つより現実を見るべき。まあ私自身に全日本に対するアイディアはなくはないんですけど、現時点の監督(取材当時はゲーリー・サトウ氏)たちには彼らのアイディアがあると思うのであえて言う必要はないかなと思う。何でこう言うかというと、私も代表監督の経験もありそこで結果も残していますから。本当に一つだけ真実があるとすれば、代表チームが結果を残すということはバレー界全体にいい跳ね返りがあると思いますし、まあ昨シーズンみたいにいろいろな大会で負けたりすると、人気度であったりクラブチームに関してもよくない影響が出てくると思います。ご存じの通り、日本代表はどの大会においても勝ちきることができなかった。この事実から目をそらしてはいけないでしょう。
聞き手:中西美雁
写真:久坂真実、黒羽白、中西美雁
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