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会見・コメント

2021-06-29 09:38 追加

男子代表・中垣内祐一監督「五輪はベスト8が最低限の目標。残りの短い期間でいかにチームを作っていけるか」 会見コメント(全文)

男子代表・中垣内祐一監督 囲み会見全文

全日本代表 男子

日本バレーボール協会は28日、ネーションズリーグ(VNL)を終えてイタリアから帰国した男子日本代表・中垣内祐一監督と五輪内定選手12名のオンライン囲み取材を行った。中垣内監督のコメントは以下の通り。

――イタリアからの帰国はいつでしたか? チームの皆さんの体調は?

中垣内:(VNL開催地の)リミニを24日の午後2時過ぎに出発し、日本到着が25日の午後18時過ぎでしょうか。正確には記憶していませんが、その時間帯になりました。
体調は今のところ、もう問題なく過ごしております。

――バブル下のネーションズリーグでしたが、過ごしやすさ、気分転換などは?

中垣内:非常に難しいものがありました。ホテルは大きいところで、我々のホテルには12チームほど宿泊していたかと思います。そのホテルと体育館の往復のみでした。その中での気分転換と言いますと、中庭があって、椅子とテーブルが置いてあって、お茶が飲めるスペースがありました。別の場所にはプールがあったのみです。日本選手は中庭に出て歓談するというよりは部屋にこもっていたほうが多かったように思います。

――帰国後の調整について。どうしても隔離、ある程度行動制限があるなかで、具体的にどうなっているのか。また、倫理上の問題ではなく、ワクチンの回数とタイミングは調整に関わるところだと思うので、チームとしてどうするのか教えてください。

中垣内:入国後3日間、特にイタリアからの帰国者は完全隔離となります。我々はアスリートトラックで入国していますが、それを終えれば練習会場と宿泊所の往復が可能になります。女子の選手とは会わないように、NTCを利用しながらトレーニングをしていくことになります。
ワクチンの摂取は現在調整中と聞いております。オリンピックまでに2回打つことになると考えています。選手には強制ではありませんので、接種を希望している者とそうでない者がおります。

――2回目は大会直前となり、副反応で発熱のリスクがありますが、それでも今のところ接種の予定でしょうか?

中垣内:それも含めて個人の判断でということになりますけど、チームとしては接種する予定ではおります。

――ネーションズリーグを戦って、改めて世界との差、修正していかないといけないところをどのように感じていますか? また、2019年のワールドカップとの違いは?

中垣内:ワールドカップのときよりは、オリンピックに近づいていることもあり、より強いチームが多かった印象です。全体的な成績でいうと、11位なので、これまでよりも若干下がっている。多くの選手の故障もありましたし、西田(有志)がケガで大会終盤まで出られなかったことや、3名の新人選手(高梨健太、大塚達宣、髙橋藍)を使ったことを考えますと、アルゼンチンとカナダに敗れた以外はこんなところではないかと。相当いいサーブで攻められて、サーブレシーブで苦しんだので、今後はサーブレシーブが我々の基本となってくると思います。ネーションズリーグ全体としては、まだ我々の数字を分析しているわけではないですけど、FIVBの数字ではチーム別でアメリカについで2位というサーブレシーブの成績ではあります。これをトップにするためにサーブレシーブをさらに高めていく。そして、サーブを強化していく必要があると感じています。

――改めてオリンピックの目標と、柳田(将洋)選手がVNLに行くことなく外れましたが、その理由を教えてください。彼のサーブは武器になると思いますが…。

中垣内:最低限の目標は予選ラウンドを突破。あとは一つでも多く勝ってより有利な組み合わせで駒を進めていきたい。最低限の目標はベスト8以上となるかと思います。対戦相手も非常に強い相手ばかりなので、まずはそこをクリアすることに全力を注ぎたいと思います。
柳田の件ですが、外した理由はこれまでもいろんなところで話しているように、新しい戦力がどんどん出てきて、世代交代に入っていることが挙げられます。確かに柳田のサーブについては魅力ではあります。ワンポイントでサーブを使えるのではないかという意見があるのももちろん承知しております。一方でチーム全体のレベルを上げることを考えた時にそうではない選択をしたということであります。

――ネーションズリーグでの新人3人の選手の評価を教えてください。

中垣内:正直申し上げて、代表チームでの遠征が初めて。1か月もの長期の海外滞在が初めて、なおかつ一箇所で、同じ部屋でというのも初めてで、彼らにとってストレスの溜まる、緊張感のあるトーナメントになったと思います。加えてプレーが12名選考の対象になるということで二重にストレスを抱えながらプレーしていたことを考えると、よくやったのではないかと思っています。途中、高橋なんかも疲労的なものと精神的なものもあるんでしょうけど、相当コンディションが悪くなったと考えています。その後、12名発表したのち、前後、休息もありましたけど、コンディションが少し上向きましたので、若い選手にとっては厳しいストレスの中でのVNLだったかなと思っています。それは、大塚であっても高梨であっても同様ですね。

――改めて新人3人を含めたアウトサイドの選手の選考のポイントになった部分を、途中、大塚選手をオポジットで起用されていましたが、それも含めて教えてください。

中垣内:これも何度も申し上げていますが、アウトサイドは、一番技術的なポイントとしてスパイクとサーブレシーブがあります。加えて言うとサーブでしょうかね。そのような中、サーブレシーブがいい選手が選考の対象になりやすい。今回選ばれている選手はサーブレシーブがいい選手ではないのかなと思います。当然スパイクを決定するイコールポイントを取るということですから、得点能力が高いことも基準になります。

大塚をオポジットで起用したのは、一つは西田がケガしたということと、大竹(壱青)の調子が今一つ上がっていなかった。清水(邦広)の2枚替えの時に対象のオポジットがいなくなるので、そこを探した。もう一つは外国人の強いジャンプサーブに対して、4枚でサーブレシーブすることも考えました。本人も納得してくれたことによる起用です。

――2017年以降、いいときも悪いときもあったと思いますが、ネーションズリーグを終えていよいよというところで、どんなチームができたと思っていますか?

中垣内:そうですね。最終第4コーナーを曲がって直線に入っていますが、まだまだ選手の本調子を迎えてない。残り1か月切りましたが、この短い時間でどれだけ西田のパフォーマンスを上げられるか。そして、VNLは肉体的にもハードだったので、他の選手もコンディションを上げて、いかにチームとして作っていくかが鍵になると思います。なので、できあがったなと言うよりは、あとこの短い時間でどれだけ作っていけるかという方が正しいかもしれませんね。

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