2021-12-20 18:37 追加
河野裕輔のエール!13稿 カテゴリを超えた激闘!! 天皇杯・皇后杯を振り返る!
SV男子 / V男子 / 高校バレー 男子
◆河野的注目カードその3 堺ブレイザーズVSJTサンダーズ広島
第2週、準決勝のカードはどちらも素晴らしいゲームであったが紙面の都合上1試合のみであることをご了承頂きたい。こちらのゲームはストレートで堺が勝利したゲームになるが、「ブロック」に着目してみると堺のブロックシステムだけでなく、トータルディフェンスがしっかりと機能したゲームとなった。1セット開始すぐにブロックでJTの攻撃を跳ね返し続け、試合の流れを握った堺ブレイザーズ。試合を通してブロックが非常に効果的に機能し続けたことはファンのみならず、この大会に参加した高校生、大学生にとっても非常にいいお手本になるのではないか。現代バレーにおいてブロックが強いことはそれだけでゲームを有利に進める事ができる大きな武器だ。そこにバーノンを中心とした攻撃がつながるとなると、チームとしての火力が大幅に上がっていると考える。
一方敗れたJTも、前週のサントリー戦から調子は上向いていた。ディグからの粘りも非常に素晴らしかった。得意のディグからエドガー中心のトランジションにつなげるバレーが機能できなくなった場合の打開策が課題か。この試合においても、レセプションやディグは大崩れしていなかったものの、フィニッシュにおいて一歩及ばず。序盤での連続ブロックによる歯車のズレが修正できなかったことが、非常に惜しいゲームであった。
◆決勝戦 ウルフドッグス名古屋VS堺ブレイザーズ
今大会の決勝戦はこの2チームの戦いとなった。本当にどちらが勝ってもおかしくないゲーム展開。そしてフルセットの死闘を制したのは、ウルフドッグス名古屋だった。
このゲームにおいて、まずは両チームの選手達を称えたい。5セットを通じて「凡ミス」と言われるものは見つけられなかった。そんなハイレベルなゲームを展開してくれた両チームの勝敗の分かれ目を探すのは非常に苦労した。そして一つの仮説を立ててみた。両チームの戦術は現代バレーにおいてのスタンダードを踏襲しており、顕著な差は無いように思う。そんなチーム同士のゲームにおいて勝敗の分かれ目になるのは何か。
それは「システム」の上にある「個の技術」である。個の技術である以上その日のコンディションや精神状態に左右されるものであり、この試合においては堺の選手達が劣っていたのではなく、ウルフドッグス名古屋の選手たちが良かったというべきであろう。
そして河野的ベストプレーを上げるならば5セット目、ウルフドッグス名古屋の6点目を挙げた山崎のbickとしたい。乱れた場面でセッターの後ろのスロットに入ったこの攻撃は、正直鳥肌が立った。読者の皆様も是非アーカイブで確認して頂けたらと思う。
◆最後に
さて、このゲームをもって各チームの2021年のゲームは終了した。(オールスターは残っているが)各チーム来年に向けた調整に余念がない事と思う。
昨シーズンからコロナ禍で思うような大会開催ができずチーム各チーム、関係各位、ファンの皆様におかれましては忍耐の時期が長く続いている。しかし今大会においてベストなプレーを見せてくれた選手たち、開催に当たりご尽力いただいた関係各位に対し最大の敬意と感謝を。そしてファンの皆様にはメリークリスマス、そしてちょっと早いですが良いお年を。
写真:坂本清、黒羽白、堀江丈
※筆者プロフィール 河野 裕輔(かわの ゆうすけ) 1975年8月1日生まれ ポジション OP.OH 古河4ますらおクラブ-古河2中-足利工大附高(現足利大附高)-中央大学-JTサンダーズ(現JTサンダーズ広島) 現在社業の傍ら、V.TVにて解説者、オーカバレーボールスクール埼玉校にてコーチ業を勉強中。
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