2022-03-05 12:56 追加
PFU・堀口あやか「坂本監督の指導は全てのことが勉強になっているというか。本人を前にしては言えないのですけど(笑)」、埼玉上尾・岩崎こよみ「出産、復帰。自分がやりたいことをチームが受け入れてくれました」
SV女子
●アントニオマルコス・レルバッキ監督(以下、マルコス)

特に試合の頭は相手サーブで攻められていました。なかなか難しい状況が続いてしまいましたが、何とか第1セットの中盤から終盤にかけて、少しずつ修正していきました。それでも、試合を通じてサーブに終始苦しめられたという印象です。
ーー相手のキープレーヤー、バルデス・メリーサ選手への対策は? 埼玉上尾の選手対策は徹底している印象ですが、今日は効果があった?
マルコス:確かに、バルデス選手は我々が一番気を付けないといけないプレーヤーでした。試合を迎えるにあたっては戦術と個人の技術というところをまず分析しないといけません。チームとしてどのような戦術を取るべきか。戦術の中ではもちろん、各選手に対しての対策もあります。
戦術を分析した後に最後に戦略に入ります。戦略、すなわち各戦術の中でどういうふうに今は仕掛けていったらいいのかとか、ディフェンスしたらいいのかとか、そういうところをフェイズごとに順序立てて考えるのが私のやり方です。

どこにサーブを打ったらバルデス選手が決めにくいだろうかとか、こちらがブロックしやすいだとかいうところを考えておきました。サーブターゲットからバルデス選手までの一連の流れに対して、我々の方がブレイクすることができて、特に第2セット以降では随所に効果が出てきた印象でした。
最後のセットに関しては、我々のサーブターゲットは相手のレフトの選手でした。向こうの特徴として、レフトは速い攻撃です。我々の対策にもちろん向こうも慣れてくると思うんですけど、そこで我々は2つ目のオプションとしてサーブターゲットをゾーン1の方向に打つ。それも前々から準備していたことです。
ゾーン1に打つことによって、セッターの左からパスが来る状況になって、コンビが崩れることがあると分析していたので、それによってブロックを絞ることができた。レフトの選手がサイドアウトを切りづらい状況を作ることができました。そういう状況下でレフトの選手が軟打で打ち分けてくるということも予測して、ディフェンダーがうまく処理してブレイクすることができました。

今のはあくまで一つのケースですが、こういった戦略を組み立てています。もちろん他のケースもあるので、それに応じたまた違った攻めも使います。
埼玉上尾にはとびぬけた選手がいるわけではないですが、そういったチームでどうやって良い結果を出すのかということをよく質問されます。私の場合は全チームをしっかりと分析することです。そして、できるだけ上位に食い込む、まずはその段階から作ります。
今のバレーボールはどこのチームもそうですが、いかに戦略を多く準備できるか、的確にシミュレーションできているか。そのことが重要になっていると思います。

撮影 堀江丈
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