2022-03-17 11:40 追加
ザムストPresents”Vの肖像”vol.5 小野寺太志(JT広島)「ワンシーズン大きな怪我もなくVリーグを戦って数字もしっかりいいものを残せて、『通用するじゃん』と思えた」
小野寺太志インタビュー
SV男子 / 全日本代表 男子
バレーボールをプレーする人なら誰でも知っているザムストが提供する、Vリーガーを深堀りするシリーズ。第5回は東京五輪でも主力として活躍したJTサンダーズ広島のミドルブロッカー、小野寺太志選手に登場してもらった。中編は東海大学から広島の古豪、JTサンダーズ広島に入団を決めた経緯や、キャプテン就任について、そして現在戦っているリーグについてを語ってもらった。
東海大学では主将を務めた小野寺。いくつかのチームから声がかかっていたが、JTサンダーズ広島に入団を決めた。小野寺の中で、3つのチームに絞っていてその中にJTも入っていた。今だから明かせるが、JT広島は「第3候補」だったという。第1候補、第2候補とあって、3番めに考えていたのがJT広島。決断に至っては両親と恩師積山監督の意見も大きかった。
教育実習で地元の宮城県に帰った際、父の車で実家に向かうときに進路の話になった。「僕は第1候補に行きたいという話をしたんですけど、お前の気持ちはわかるけどJTがいいと。積山先生も同じ。上位のチームだと、僕が行ってすぐに出られる自信がなかった。でもオリンピック(リオ)が近づいているし、とにかく試合に出たかった。試合に出る機会が多くて、僕が入ったら強くなるチームがJTだった。深津旭弘さんもいたし、八子大輔さんとか東海の先輩もいっぱいいて。天皇杯を見に行って、ミドルがより強くなったら、このチームは絶対強くなると直接見て思ったんですよ。そこに僕が入れば絶対JTは優勝できる感じたんです。だから両親と積山先生からのアドバイスもありましたが、他人に流されてだと後で絶対後悔する。自分でこの道と決めないと、あとで絶対悔やむだろうと。それでJTに行こうと決めました。結果的には両親や先生が喜ぶ選択でした」。
小野寺の進路で筆者が記憶にあるのは、彼がJTに決めたという天皇杯でのこと。パナソニックの清水邦広が小野寺に笑顔で「うちに来いよ!絶対だぞ」と声をかけて、小野寺が直立不動で「はいっ」と答えているところに偶然居合わせたのだ。だからてっきり小野寺はパナソニックに入団するのだとその時は思っていた。
「清水さんには今でも言われるんです。『パナ来いよ』って(笑)。当時はまだ今みたいに何でも話せる関係じゃない。挨拶するのも緊張する間柄だったので、『はいっ』みたいな」。
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