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コラム

2022-10-11 09:00 追加

石川祐希所属のミラノ、大逆転で今季1勝目! イタリアセリエA1

セリエAゲームレポート

Others / 全日本代表 男子

イタリアセリエAスーパーリーガ第2節、石川祐希が所属するミラノは現地時間10月8日にアウェイでモンツァと対戦し、3-2(23-25, 23-25, 25-20, 25-23, 15-11)で勝利しました。ミラノは2セットダウン、3セット目も最大8点差があったところからの大逆転勝利でリーグ戦初白星をあげました。

チステルナに3-0で完敗した先週とは違いミラノの選手たちはスタートからよく動けている印象でした。1, 2セット目、オポジットのグロゼル(ドイツ)にボールを集めるモンツァに対し、ミラノはOH石川とエバディプール(イラン)、OPパトリィ(フランス)のサイド3人を中心に得点を重ねてどちらも20点までリードする展開を作ります。特に先週不調だったエバディプールの活躍が見られたのは嬉しかったですね。

しかし、そこからモンツァのグロゼルやOHダヴィスキバ(ベラルーシ)のサーブで連続ブレイクを許し、1、2セットともギリギリのところで落としてしまっていました。

あとがなくなった第3セットは序盤からモンツァに大量リードを許して12-4と最大8点差の崖っぷちに追い込まれます。正直このとき僕は「今日も3-0負けか、BIG4じゃないチームに2連続でストレート負けはヤバいぞ、今シーズン大丈夫…?」とほとんど諦めてました(ごめんなさい)。

しかし、そんな絶望的な流れを変えたのがエバディプールに代わって途中から入ったOHメルガレホ(キューバ)。その身体能力を十分に活かした高さのあるスパイクとブロックであれよあれよという間に得点を量産。いや本当にすごかった。

メルガレホの活躍で流れがガラッ変わり、そのプレッシャーに押されてか相手のミスも重なって中盤同点に追いつくと、更にその勢いのままにミラノのキャプテンMBピアノ(イタリア)、そして石川がサービスエースを奪いモンツァを突き放して第3セットを取り返します。

第4セットもメルガレホの勢いが止まらず、それに感化されるかのようにミラノの他の選手のパフォーマンスも上がっていって続けてミラノが取って試合はフルセットに突入。

第5セットはメルガレホが相手のブロックとサーブに苦しみ、序盤はモンツァがリード。しかしそのメルガレホに代わってエバディプールがコートに戻ると、彼もまた仲間の活躍に感化されたのかサーブレシーブはもちろん、スパイクでも難しいボールを得点に変えてチームに貢献。更に石川の好サーブから連続ブレイクで逆転に成功すると、ピアノのエース、石川のキレッキレのパイプも決まって終盤一気に突き放したミラノがこのセットを取り切り、大逆転でモンツァに勝利しました!


MVPはメルガレホ。これはもう文句なしですね。5セットのうち2セット分くらいしかコートに立っていなかったですが、スパイク14点とブロック4点の18点はチームベストスコアラーですし、何よりもチームに勢いをもたらしました。間違いなく彼がゲームチェンジャーでしたね。キューバ代表のときはどちらかと言えば守備要因で印象が薄かったですが、この試合でその能力をいかんなく発揮し、「そういえば彼もキューバ人だった」というのを思い出させてくれました(笑)。

石川もこの日は調子が良かったように見えました。アタックは13本決めて決定率50%、サービスエースも2本と数字的に見てもそうですし、ジャンプの高さやスパイクの力強さ、キレというのもこの試合では見ていてかなり感じられました。また他の選手が得点を決めたときにも「しゃー!!」って大声で喜びを表現していたり、劣勢のときでも絶対に諦めていない目だったり、なんだかとても気迫を感じました。

たしかにこの試合を落とすのは今後のリーグを考えるとかなりまずいことだったので、「絶対に負けられない」という気持ちがより出ていたのかなと思います。

一方、モンツァは敗れはしましたが素晴らしいパフォーマンスでした。特にやはりオポジットのグロゼルはすごかった。この日もひとりで53本打って決定率49%、サービスエースも2本で計28得点の活躍。この選手38歳なんですけどね。日本で言うと越川や米山兄、富松あたりと同級生です。この歳でこれだけのパフォーマンスを維持できるなんて本当に怪物です。少なくとも40まではこのまま頑張ってもらいたい(笑)。

しかしメルガレホの大活躍でミラノのアウトサイドヒッターのスタメン争いは激しさを増しそうですね。ここ2試合は石川-エバディプールでしたが、次の試合からは石川-メルガレホで行くんじゃないのかなと個人的には思います。ただエバディプールも第5セットは素晴らしいカムバックを見せたのでどうなるんでしょうか。石川も今後の活躍次第ではスタメン落ちの可能性もゼロではないでしょう。でもこうしてチーム内で刺激し、高めあっていけるのはとてもよいと思います。でもやっぱり石川にはスタメンで出てほしいからとりあえず頑張れ石川!(笑)

またミラノの今後の課題、というか個人的に頑張ってほしいのがMBロセル(アルゼンチン)とセッターポッロ(イタリア)のコンビネーション。この日は5セットもあったのにスパイク4得点、決定率44%と微妙な数字でした。ロセルはもっと点取れる選手なんや、5セットもあったら15点くらいはとれる選手なんや。ポッロ、頼むわポッロ。

改めて、この試合は2セット取られて、3セット目も途中までボロボロで、そこからの大逆転。たぶんここまで大きくひっくり返して勝った試合ははじめて見たかもしれません。やっぱりスポーツって何が起こるかわからないし、バレーボールって面白いなって思いました!!

次の試合は現地時間10月16日(日)15:30(日本時間22:30)から、ホームで石川の古巣シエナと対戦します。ここにはスパっと勝ってもらいたいです。

文:堤敏樹
https://www.toshiki71.com
写真:Lega Pallavolo Serie A

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