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ゲームレポート

2022-11-23 06:00 追加

石川祐希所属ミラノ、ピアチェンツァに勝利目前でまさかの逆転負け。石川「最後の2点をとりきれなかった弱さが敗因」 イタリア1部

ミラノゲームレポート

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イタリア男子バレーボールリーグセリエA第8節、リーグ7位の石川祐希所属ミラノは現地時間11月20日(日)にホームで同8位のピアチェンツァと対戦し、2-3(18-25, 25-21, 25-23, 22-25, 13-15)でミラノが敗れました。

石川祐希はスタメンで出場し、チーム最多の19得点をたたき出しましたが、チームは勝利を逃しました。

第1セットスタメン

ミラノ

OH:石川
MB:ヴィテッリ(イタリア)
OH/MB:メルガレホ(キューバ)、エバディプール(イラン)
OP/MB:パトリィ(フランス)
S:ポッロ(イタリア)
L:ペサレージ(イタリア)

ピアチェンツァ

OH:ルカレッリ(ブラジル)、レアル(ブラジル)
MB:シモン(キューバ)、カネスキ(イタリア)
OP:ロマノ(イタリア)
S:ブリザール(フランス)
L:スカンフェーラ(イタリア)

※ポジション:OH=アウトサイドヒッター、MB=ミドルブロッカー、OP=オポジット、S=セッター、L=リベロ

●試合レポート

この試合、ミラノは先週からコンディション不良で出場を控えていたMBピアノに加え、試合当日にMBロセルも出場できないことが発覚し、急きょ変則的なフォーメーションで試合に挑みました。

MBヴィテッリの対角に本来OHのエバディプールを配置し、エバディプール、OHメルガレホ、OPパトリィの3人がローテンションや状況に応じてミドルブロッカーポジションに入ってプレーしていました。

第1セットはやはり急造フォーメーションのミラノが苦しみます。序盤からピアチェンツァがOHレアルのスパイクで確実にサイドアウトを取るのに加え、MBシモンのエースとMBカネスキのブロックでブレイクに成功して2-5とリードします。ミラノもOPパトリィのスパイクなどで応戦しますが、中盤レアルのサービスエースから3連続ブレイクで10-15とピアチェンツァが更にリードを広げます。その後もミスが続いて反撃の機会を得ることができなかったミラノは、最後もレアルの鋭いパイプ攻撃を浴びて18-25であっけなくこのセットを落とします。

しかし第2セットはスタートから石川がピアチェンツァのOPロマノをブロックで仕留めて1点目をもぎ取ると、その後サイドラインいっぱいのサービスエースとキレのあるパイプ攻撃を決めて5-2とミラノがリード。その後も必死につないだボールからのメルガレホのスパイクやセッターポッロのエース、石川のスパイクなどディフェンスとサーブが機能したミラノが得点を決めて15-10と第1セットとは逆の展開を見せます。ミラノは終盤までそのまま突き進み、最後エバディプールが強烈なスパイクで相手ブロックを弾き飛ばして25-21でセットを取り返します。

第3セット、ピアチェンツァはこのセットからMBカネスキに代えてチェステルをスタートから起用します。エバディプールのクイックでミラノが1点目を取り、続けてパトリィにエースが出て3-1としたミラノがそのまま勢いに乗るかと思われましたが、ピアチェンツァもレアルの連続アタックですぐさま追いつきます。その後もミラノのヴィテッリがブロックでレアルを止めると、ピアチェンツァのセッターブリザールも石川のスパイクをシャットアウトするなど、片方がブレイクするとすぐにもう片方もブレイクを決めて追いつくという点差が広がるようで広がらない気移行した展開のまま試合は終盤を迎えます。19-20と先に20点に乗せたのはピアチェンツァでしたが、22-22の場面からポッロエース、エバディプールのシモンを止めるブロックで連続ブレイク成功したミラノが24-22とセットポイントを握り、最後はブリザールのサーブがアウトになってこのセットもミラノが取り切ります。

第4セットはレアルのスパイクとパトリィの連続失点でピアチェンツァが1-4とスタートダッシュに成功します。ミラノも石川の巧みなロールショットやブロックアウトで7-8と詰め寄りますが、その後なかなかブレイクをとれず、逆にミラノに恐れていたローテンションミスなどが出てしまい14-19とリードを広げられてしまいます。しかしその後石川が相手レシーバーの間を射抜くキレキレのサービスエースを連続で決めて17-19とすると、続くヴィテッリにもエースが出て19-20と1点差まで詰め寄ります。ただしミラノの反撃は続かず、最後は石川のスパイクがロマノのブロックに阻まれ22-25でこのセットをピアチェンツァが取り、勝負はタイブレークへもつれます。

運命の最終セット、石川がスパイクでミラノにファーストポイントをもたらしますが、2度目のスパイクはブリザールのブロックに阻まれてピアチェンツァが1-3とリードします。タイム明けにヴィテッリのスパイクでミラノがサイドアウトを取ると、第4セット同様再び石川のサーブがピアチェンツァコートを襲い、サービスエースを含む4連続ブレイクで6-3として流れを一気にミラノに引き寄せます。8-6とミラノリードでコートチェンジをすると、そこから今度はポッロの好サーブで相手のミスを誘うなどして3連続ブレイクに成功したミラノが11-6とリードを更に広げて試合を決定づけたかに見えました。

しかしレアルのスパイクやルカレッリのエースで12-11とピアチェンツァが1点差まで迫り、ミラノも石川のスパイクで切って13-11としますが、直後にまたレアルが決めて13-12とミラノのマッチポイントを許しません。逆にここから石川のスパイクミス、更にパトリィがレアルのブロックに捕まってピアチェンツァが13-14とマッチポイントを握ると、最後はシモンのショートサーブがエバディプールの前に落ちて13-15となり試合終了。まさかの逆転でこのセットを落としたミラノがフルセットでピアツェンツァに敗れる結果となりました。

MVP:OHヨランディ・レアル(24得点(うちサーブ1、ブロック1)、アタック決定率65%)

石川もチーム最多の19得点(うちサーブ4、ブロック1)、アタック決定率47%のMVP級の活躍をしましたが、チームを勝利に導くにはわずかに及びませんでした。

これでミラノは通算4勝4敗11ポイントで暫定8位となりました。

次週は現地時間11月26日(土)18:00(日本時間翌2:00)から、アウェイでトレントと対戦します。

文:堤敏樹
『トシキブログ』より ※ブログ内で感想や取材のこぼれ話なども掲載しています。)

【石川祐希コメント】
今日はピアチェンツァに2-3で負けてしまいました。今日はミドルブロッカーが1人いないという状況で特別なフォーメーションだったのですが、1セット目はあまり慣れずにこちらのミスも多く相手にやられてしまいましたが、2セット目から切り替えて自分達のバレーができていました。しかし、最後5セット目はリードしていた展開で、最後は負けてしまい、最後の2点をとりきれなかった弱さが敗因だと思っています。僕自身もサーブ、レセプション、スパイクは悪くはなかったのですが、最後13-12のところでミスをしてしまったり、大事な一点をとりきることができなかったので、そこを改めて課題だと感じているので、試合の中でプレーして勝ち取っていく、点をとっていくしかないと思っているので、そこにトライして次のゲームへ臨んでいきます。また個人的には今日はサーブがよかったですし、これを継続することが今後強いチームに勝つためには大事になってくるので、来週のトレント、そのあとのチヴィタノーバとの強豪チームとの戦いが続くので、サーブをもう一度いい状態で打てるように、またスパイクでシャットやミスも少し増えているので、そこも修正をして試合に臨みます。

写真:Lega Pallovolo Serie A

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