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コラム

2023-06-05 22:07 追加

河野裕輔のエール! 21稿  Vリーグ22-23シーズンの終了と国際シーズンの始まり

V1リーグ 男子

◆河野的ここ数年におけるベストバウト Vリーグファイナル 決勝戦!

今年のVリーグの決勝は個人的に非常に見ごたえがあるものであった。対戦カードはWD名古屋vsサントリーサンバーズ。結果を見てみれば3-0のストレートでWD名古屋が優勝した試合ではあったものの各セット本当に両チームのシステムの崩しあいといった観点で見ると互角ともいえる名勝負であった。

特筆すべきは両チームOP以外の決定率が30%台がほとんどだということだ。これはどういうことか。両チーム相手のディフェンスシフトを崩しきれない反面相手の攻撃に対して自チームのディフェンスシフトを完璧に運用しているということになる。そして両チームOPは外国籍選手。バルトシュ・クレクvsドミトリー・ムセルスキーだ。名前だけでもインパクトがあるが、内容のインパクトも素晴らしかった。クレクのスパイク決定率は58.7%であったがムセルスキーの決定率は44.4%にまで落ち込んだ。決勝戦の両チームのディフェンスは本当に素晴しくブロックだけでなくディグにおいてもこの両OPのワールドクラスのスパイクを次々と上げていく場面を何度も見ることができた。今のVリーグは十分に世界に通用するリーグとなったのではないか?とさえ思えるゲーム内容であったことから、是非皆様にもアーカイブにて見返してほしい。

◆ついにアジアの頂点!おめでとうサントリーサンバーズ!

筆者が準決勝、決勝と解説させて頂いたがこのゲームにおいてもサントリーのゲームシステムの秀逸さが随所に見られた。ムセルスキー、アラインという攻撃の大黒柱に加えて藤中謙也の技術力溢れるスパイクや佐藤謙次、樫村大仁のミドル攻撃はアジアにおいても非常にインパクトがあり準決勝において佐藤は決定率100%近かったように思う。そしてセッター大宅が「あの」魔術師マルーフを抑えてセッター賞を獲得、アラインがベストOH、MVPにムセルスキーという素晴らしい成績を収めたことは記憶に新しい。12月に行われるクラブワールドカップにおいてヨーロッパや南米の強豪にも是非いい試合を見せていただきたい。

というわけで駆け足で振り返ってみた22-23シーズンではあったが筆者自身非常に楽しめたシーズンであったことは間違いない。今回WD名古屋とサントリーサンバーズにスポットを当てて書いてみたがそれ以外のV1リーグ8チーム、そしてチャレンジマッチで昇格を決めたヴォレアス北海道を筆頭にV2,V3リーグにおいても戦略、戦術に特色があり多くのファンを楽しませてくれた。すべてのチームの選手、スタッフ、関係者の皆様、そしてそれを支えて頂いたファンの皆様に「ありがとうございました」と「お疲れさまでした」を。

さぁ、いよいよ国際シーズンの始まりだ。龍神ニッポンのVNLは6月6日(火)19:40~イラン戦からスタートする。イタリア帰りの石川、高橋だけではない。甲斐や麻野といった若い龍神にも大注目だ。期待は大きいがいい時ばかりではない。苦しい時も必ずやってくる。そんな時こそ我々バレーボールファンの応援を精一杯龍神達に届けよう。
そんな思いで今回ここまでとさせて頂く。最後までお付き合い頂きありがとうございました。

筆者プロフィール
河野 裕輔(かわの ゆうすけ) 1975年8月1日生まれ ポジション OP.OH 古河4ますらおクラブ-古河2中-足利工大附高(現足利大附高)-中央大学-JTサンダーズ(現JTサンダーズ広島)  現在は長野GaRonsテクニカルアドバイザー、VTVイージースポーツ解説者

写真:黒羽白

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