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インタビュー

2023-12-04 11:26 追加

髙橋 頌インタビュー(前編) 世界最高峰・ポーランド1部リーグで契約を勝ち取った、もう1人の“TAKAHASHI”。

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ー続いて所属チームのチェンストホバについてお伺いします。今シーズン一緒に戦ったチームメイトの中には、各国の代表レベルの選手が含まれるんでしょうか。

髙橋頌さん:外国人枠では、オーストラリア代表のミドルブロッカー・ボーグラハムがいます。彼と僕以外は全員ポーランド人です。ポーランドのA代表に選出されているメンバーはいませんが、ダミアン・コーグッドというアウトサイドヒッターの選手が、今年アンダーカテゴリの代表候補に選ばれているはずです。

ー1チームあたりに在籍できる、外国籍選手の人数は決まっているんですか。

髙橋頌さん:ちょっとそこが曖昧なんですけど、たしか3人だったと思います。

ーチェンストホバは3枠のうち2名しか登録されていないんですね。

髙橋頌さん:そうですね。はい。

ー他のチームもそんな感じなんですか。

髙橋頌さん:2部のクラブは、2名のところが多いですね。

ー3枠ある外国人枠を2名しか使わないチームが多いことに、ポーランドリーグ全体のレベル(の高さ)を感じます。

髙橋頌さん:2部ですけど、レベルは高いですね。それには本当にびっくりしました。

ーポーランドリーグの特色や特徴はありますか?

髙橋頌さん:とにかく高いです。みんな身長が2m近くあって、身長だけじゃなくて身体能力もそれなりに高いので……ブロックで仕留めてくるところと、サーブの威力は印象的です。高い打点で放たれるスパイクも角度がありますし…。あとは、やっぱりポーランドの代名詞っていうか、特徴的なスタイルが1つあって。トスがネットに少し近くなって打てない時に、無理やりブロックアウトを狙うんじゃなくて、押し込むのが上手いんですよね。戦い方として、ポーランドはすごい堅実的だなと思って。

ー近代的ですね。最近の日本代表もそうですけど、リスクマネジメントがしっかりしてるというか。

髙橋頌さん:そうですね。本当に基礎がしっかりしています。2部リーグでも、若い選手でも、2mクラスの高さで技術も高いという……。やっぱり、それがポーランドのバレーボール界のレベルの高さを物語ってるなと思います。

ーポーランドリーグを含む、ポーランドバレーボールシーン全体のレベルが高い理由はどんなところになるんでしょうか?例えば、アンダーカテゴリーの育成がしっかりしているとか……。

髙橋頌さん:育成環境はすごく整っていると思います。例えば2部リーグで、U-19だけの若手を集めたクラブがあるんですけど。そこに、19歳とか20歳とか、18歳、17歳の有望な若手選手だけを集めて、リーグに参戦させているチームがあるので。アンダーカテゴリーというか、若い時から、高いレベルに触れられるという意味では、すごく良い環境だと思っています。


(KS Norwid Częstochowa公式Facebookページより引用)
ーなるほど。Vリーグでは、将来有望な若手選手が競合チームに入団したものの、なかなか出場機会を得られないまま年齢だけ重ねてしまう、という現状がしばしば見受けられます。見方によっては練習から自チームの高いレベルに触れられるものの、特定のチームに選手が偏ってしまうことによって、どうしても実践経験が減ってしまうというか……。その機会損失が勿体ないな、と思っていました。一昔前に比べると近年は大物選手の移籍が活発になっているので、ある程度リーグ全体のパワーバランスが解消されつつある、とは思っているのですが……。

髙橋頌さん:ポーランドは移籍が結構激しいですね。スタメンで出ていない選手が出場機会を求めてクラブを移籍したり転々としたりすることは決して珍しくないです。
「数シーズンにわたって、特定のクラブだけが強い」という状況がなくなりやすくなりますし、そうなると必然的にリーグ全体のレベルが底上げされてくると思うので。
それも、ポーランドのレベルが高い理由の1つなんじゃないかなと思います。
何より、ポーランドはバレーボールが国技なんですよ。あと、スキージャンプ。

ー国技!それはバレーボールが盛んなわけですね。

髙橋頌さん:街の中がバレーボール1色というか、バレーボールとその街がすごい関わってるというか、バレーボールが文化になっていると感じます。

ーなるほど。ポーランド人のバレーボールキャリア形成について伺わせてください。例えば日本だと、大学に行って、そこからVリーグのチームに入団するのが一般的だと思うんですけど。

髙橋頌さん:ポーランドは、高校を卒業したら、大学に進学せず、そのままプロ選手になるケースがほとんどだと思います。逆に、大学へ進学するケースの方が珍しいかもしれません。17歳・18歳でプロ契約をしてキャリアをスタートするというのが一般的ですね。

ー比較的下位のリーグ・クラブからキャリアをスタートして、出場機会を増やして、結果を出して上位のリーグ・強豪チームにステップアップしていく……というイメージでしょうか。たとえば、高校卒業後にいきなり強豪チームへ入団するケースもあるのでしょうか。

髙橋頌さん:あ、それももちろんあります。

ー少々余談ですが、そのポーランドでキャリアをスタートさせたポーランド人バレーボール選手・クビアク(2016-2023 パナソニックパンサーズ)とクレク(2022-2023 ウルフドッグス名古屋)が、近年はVリーグでシンボリックな活躍をされています。ポーランド内でもクビアクとクレクの知名度と人気は高いのでしょうか。

髙橋頌さん:すごい人気ですね。ポーランドでTVを観ていると、クレクがCMに映るんですよ。スポーツ番組のコマーシャルでバレーボールを持って宣伝しています。知名度は抜群ですね。

(後編に続く)

取材・写真:石井ジョゼ

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