2023-11-17 21:39 追加
日本代表のセッター・松井珠己がブラジルのスーパーリーグに挑戦「周りのプレーをどんどん吸収して、チームを引っ張っていきたい」
Others / 全日本代表 女子
■デビュー戦が待ち遠しい
松井選手に入団までの経緯やチームの印象などを伺った。
「海外に挑戦したいと思い、特にブラジルを考えていたわけではないのですが、マリンガがセッターを探しているということで話がまとまり、入団しました。まずブラジルの印象ですが、暑いけれど、ベタベタしないというか、湿気が少ないので、まだこれからもっと気温が上がると思いますが、今のところは日本より過ごしやすい暑さです。基本的に暑いのは嫌いではないです。ブラジルは治安が悪いイメージが大きいですが、マリンガには日系人の方も多くいるみたいで、皆さん親切でいい所だと思います。スーパーに日本食もありました。
最初は言葉が全然わからなくて悩みましたが、チームは皆、優しくて、色々教えてくれます。携帯の翻訳機能を使ったりしながら、今はストレスもなくなりました。
練習時間は日本の時より短いですが、ウエイトトレーニングは結構ハードで、回数も日本より多いと思います。技術的なことでは、スパイク力というか打ち切る力は日本人よりあると思うので、ラリーは短いです。ディフェンスは日本の方が優れていますが、ブロック力はやはりこちらの方が上だと思います。レセプションは日本では低く速くくるのですが、マリンガではとりあえず上に上げておこうという感じで、高く返ってくるので、上から高さがある分重い球が来るのが、一番違うと思います。
日本人はやっぱり他の国と比べて結構控えめだと思うので、勝負所でもっと気迫と言うか、そういうのをもっと出していきたいです。自分が、自分がというアピールがすごいので、周りのそういうプレーを自分もどんどん吸収して、チームを引っ張っていきたいです」
観客席ではメモを取ったり、ベンチの選手に声を掛けたり、気持ちはコート内の選手と一緒だった松井選手。本人も「こうして外から1試合見ることができて良かったです。アウェーの会場の雰囲気もわかったし、試合前はいつも緊張しますが、いいイメージができました」と出番はなかったが、ポジティブにとらえている。会場にいた対戦相手のファンも、「日本から来たセッターを私も見てみたい」と興味津々。ビザも近日中に取れ、恐らく21日のホームでのGerdau Minas(ジェルダウ・ミナス)戦がデビューになりそうだ。「タマキは色々学ぼうという姿勢がとても強く、明るい性格。チームにも溶け込んで、私たちも早く試合で彼女を試してみたい」とスタッフからの期待も大きい。ブラジルに来るにあたり、周りの人から、五輪出場権に向けて大事な時に日本を離れて大丈夫か? と聞かれたそうだが、「日本にとどまっているより、今は外で新しいことにどんどん挑戦したいから、プラスにしか考えていません」ときっぱり。時間とともに慣れていくこともあれば、新たな壁にぶつかるかもしれないが、持ち前の明るさとチャレンジ精神で頑張って欲しい。

新聞社の取材を受ける松井選手
取材・写真:ブラジル在住 唐木田 真里子
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