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コラム

2024-01-09 12:42 追加

ブラジルスーパーリーグ、松井珠己のマリンガは新年を勝利で飾る

ブラジルスーパーリーグに挑戦中の日本代表・松井珠己インタビュー

Others / 全日本代表 女子

第1、2セット、ピンチサーバーで活躍したビア。松井選手は積極的にチームメイトに声をかける(写真:Ricardo Bufolin/ECP)

 11月半ばに開幕したブラジルのバレーボールスーパーリーグに日本代表のセッター、松井珠己選手が参戦している。所属するUnilife Volei Maringa(ウニライフ・ヴォレイ・マリンガ、以下マリンガ)では、ビザの手続きの遅れで開幕には間に合わなかったが、その後、順調にチームに溶け込み、12チーム中6位で2023年を終えた。そして、迎えた1月5日の新年の初戦で勝利し5位に浮上。しかし、翌日の他チームの試合結果で抜かされ6位と、特に4~7位あたりは抜きつ抜かれつ順位が変わる接戦になっている。

ミドルを一人飛ばしてサイドへ振ってブロックを1枚に。この日チーム最多得点のカロリーネ(21番)が強打を決める(写真:筆者)

■セット終盤で逆転のマリンガ
 スーパーリーグは12チームでホーム&アウェーの総当たりを行い、上位8チームが準々決勝へ進む。マリンガは年末までに9試合を終え、5勝4敗の6位。年が明け、1月5日の相手は9位のPinheiros(ピニェイロス)。マリンガにとっては、自分たちより下のチームにはしっかり勝ってポイントを伸ばしたい、ピニェイロスにとっては、ここから順位を上げるきっかけにしたい、どちらのチームにとっても負けられない一戦となった。
 第1セット、互いに譲らず離しても追いつかれる展開になり、マリンガが22-23の場面でピンチサーバーを投入。ここでいいサーブだけでなく、サーバーが相手の強打をディグで上げる好プレーも出て、相手があせったのかミスを誘い25-23の逆転で先取する。第2セットはピニェイロスのブロックにつかまる場面もあったが、またもピンチサーバーから流れが傾き、相手のミスで27-25と2セット連取。第3セット、後がないピニェイロスがリードするも12-12で追いつくと、その後はマリンガがリードを保ち25-21、セットカウント3-0で勝利した。
 松井選手は、「年明け最初の試合なので、絶対に勝とうとみんなで言っていたので、3-0で勝てて本当に嬉しいです」と、試合の最優秀選手に選ばれ、インタビューを受けた。

サイトの投票で選ばれる各試合の最優秀選手賞Viva Voleiのトロフィーを受け取った松井選手(写真:Ricardo Bufolin/ECP)

 松井選手とマリンガのアウドリ・ガウデンシオ・ジュニオール監督に話を伺った。

―大分、ブラジルに慣れてきたようですが、食べ物はいかがですか。
松井選手:フェイジョン(豆の煮込み)をご飯にかけて食べるのが好きです。あとは、パステル(春巻きの皮の様なものに、肉やチーズを中に挟んで揚げたもの)もおいしいです。

―シーズンの前半11試合のうち10試合を終えほぼ全チームと対戦したわけですが、印象はいかがですか。
松井選手:どのチームもブロックが高いので、どこに上げればいいかずっと考えるのが大変です。ローテーションをしっかり確認したり、ベンチからもどこに上げればいいか指示がある時もあります。

―これから後半戦に向けて、チームの修正点というか、まだ伸ばしていきたい点はどこですか。
松井選手:サイドアウトをもっと取りたいと思います。あとはセッター以外がボールを上げる時にミスの無いように、しっかりつなげていきたいです。そういう所をもっと丁寧に詰めていけば、上位のチームとも互角に戦って、まだ上にいけるかなと思います。

―監督にお伺いします。タマキ(松井選手)はもうチームに溶け込んでいるように見えますが、いかがですか。
ガウデンシオ監督:最初は言葉が通じなくて、大変でしたが、今はコミュニケーションが取れています。タマキは、選手一人一人、そしてチーム全体が良くなるために一生懸命にやっていて、みんながその姿勢に刺激を受けています。

―セッターのタマキとヴィヴィアンはどのように使い分けているのですか。
ガウデンシオ監督:タマキはスピードがあります。高さ、ブロックはヴィヴィアンの方があるので、対戦相手によってどのタイプがいいか、スピードでいくのか、相手の攻撃に高さで対抗していくのか、相手チームの特徴や、試合の特にセット終盤など場面場面で考えて使っています。タマキはディフェンスもとてもいいものがあります。

 松井選手や監督が言う様に高いブロックというのは、ブラジルのリーグでは当たり前の事になっているが、果たして松井選手のブロックはどうなのか。高さという点では劣るが、タイミングはしっかりあっているので、ワンタッチを取ったり、後ろのディグでカバーできる部分も十分ある。逆に相手がワンタッチを狙い過ぎてふかして後方にアウトボールにしてしまったり、裏をかこうとインナーを狙い過ぎてアウトになるなど相手のミスを誘っている部分もある。松井選手はフェイントのカバーに入る動きが速く、そこから次のセッター以外の人がトスを上げやすいように高めに余裕のあるボールを上げている。順位を争っているFluminense(フルミネンセ)戦では、2段トスが乱れ、スパイカーが相手コートに返せず2-3で負けてしまったので、こうしたもったいないプレーで勝利とポイントを落としてはいけない。
 マリンガは選手登録が14人だけなので、この日一人ひざを痛めてしまったが、早い回復を願うと同時に、他の選手も体調管理に気を付けて後半を戦って行きたい。

セット間にパソコンでデータを見ながら監督(向かって松井選手の右)とコーチから指示を受ける(写真:筆者)

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