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2024-01-26 06:00 追加

バレーボールⅤ2、V3男子のトヨタ系2チームがV撤退も視野に検討

バレーボールⅤ2、V3男子のトヨタ系2チームがV撤退も視野に検討

V男子

一般社団法人「ジャパンバレーボールリーグ」(JVL)男子V2の「トヨタ自動車サンホークス」と、V3「トヨタモビリティ東京スパークル」が、JVLからの撤退も視野に検討していることが分かった。JVLが2024-25年シーズンから目指す新しいVリーグのライセンス規程に抵触し、二つのチームが同時にライセンス申請をできないため。日本のスポーツ振興に尽力している「トヨタ」がインドアバレーのトップリーグから撤退すれば、その影響ははかり知れない。

JVLは、V1チームを中心とした「世界最高峰を目指すSVリーグ」を新設し、V2、V3チームを中心とした世界最高峰を目指さない「より地域共生を重視するVリーグ」(通称・新Vリーグ)から成る新リーグ構想を進めている。

トヨタ自動車サンホークス、トヨタモビリティ東京スパークルともに、新Vリーグに参戦する意向を示しているが、バレー関係者によると「クラブVライセンス交付規則」のうち、「法務基準」の「他クラブの経営等への関与の禁止」に抵触することから、2チームが同時にVライセンスを交付してもらうことは出来ないという。
「他クラブの経営等への関与の禁止」では、【他のクラブの株式を保有している者が、申請者または申請者の親会社等の株式を議決権の3分の1を超えて保有していないこと】などと条件が定められている。現在、トヨタ自動車サンホークスを持つ「トヨタ自動車」が、トヨタモビリティを持つ「トヨタモビリティ東京株式会社」の株式の100%を保有。2チームが同時に申請するためには、「トヨタ自動車株式会社」が保有する「トヨタモビリティ東京株式会社」の株式の比率を下げる必要があるが、実現はほぼ不可能とみられる。
JVLでは、新しいリーグに参戦するためのクラブライセンスの申請を23年11月30日で締め切っているが、JVL関係者は「現状のままでは、トヨタ自動車とトヨタモビリティが同時にライセンスを申請することは出来ない」として、規則の変更などは考えていないようだ。
関係者によると、この2チームの申請は24年1月末まで期間を延長しているといい、「2チームともに撤退」「交付規則通りに1チームだけを登録」の二者択一を迫られている。他チームの関係者は「どちらかのチームを残すことは、2つの会社として非常に重い決断。仮に規模が大きいチームを残すとしても、選手やファンが納得する説明は難しい」と事態の推移を静かに見守る。

別のチーム関係者は「世界最高峰を目指さない新しいVリーグは、地域共生を重視するリーグを目指しているのに、地域に根差した活動を続けているチームが加盟できない制度がおかしい。利益相反する2チームが同じリーグで戦ってきたことは過去にもあった。選手ファーストで、JVLは再考してほしい」と制度見直しを願っていた。
 
また、同様の規則は2019年8月28日の「Vリーグライセンス交付規則」に明記されていたが、これまで問題にされたことはなかったという。両チームが22-23年シーズンにV2の同じリーグで戦った際にもVリーグ関係者によるとこの時は交付規則に抵触していることの指摘はなかったそうで、「いきなり19年から規則があるといわれても対応できない」というVリーグチーム関係者は多い。


V2リーグで戦うトヨタ自動車サンホークスの選手たち
 
取材・写真:北野正樹

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