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インタビュー

2024-03-01 10:02 追加

ブラジル・スーパーリーグ、松井珠己のマリンガが連敗を脱出

Others / 全日本代表 女子

松井選手と対戦相手サンカエターノのウイリアム・カルバーリョ監督に話を伺った。

―やっと連敗脱出できました。

松井:自分のコンディションはいいのですが、勝てなかったことに責任を感じてしまった部分があって、どうしたら勝てるか考えてしまったんですが、それが今日はいい方向にいって良かったです。連敗している中で、自分たちより上位チームと下位チームの試合があったのですが、ブロックのスピードも上位チームは全然違います。同じようにトスを上げても通用するチーム、しないチームがあるので、強いチームに対抗できるようにスピードをあげるなど、考えながらやるトス回しが大事だと思いました。自分のチームのスパイカーからはネットに近すぎないようにと言われているので、近く低くならないようにいつも気を付けています。

―けがでレギュラーが固定せずメンバーが変わりますが、セッターの立場でどのようにチームメイトに声をかけたりしているのですか。

松井:今はミドルが変わっているので、先にこれに入って欲しいというのは伝えています。慣れていれば言わなくても入ってきてくれたんですが、迷うと判断が遅くなってしまうので、ある程度いくつか最初に決めておいて、その中から選択を早くできるようにしています。

―若い選手は先に打たせて調子を乗らせてという感じなのでしょうか。

松井:チーム全体が若いので、今日は誰にスタートを持っていこうというのは考えますが、いつもその人を先に乗せるという固定はないです。レフト、ライト、その日によって、また相手によっても違ってきます。

―日本代表のセッターの関菜々巳選手も東レを退団して海外を希望していると聞きました。海外でセッターというのはコミュニケーションなど難しいポジションだと思いますが、何かアドバイスはありますか。

松井:いえいえいえ、(私からアドバイスなんて……という感じで)全然ないです、ないです。一緒に頑張っていけたらと思います。

得点ランキング9位のセシェット選手。サンカエターノはブロックが揃わず苦戦する。ブロックの間、後方に見えるのがカルバーリョ監督(写真:Osvaldo F.@osvaldoesporte )

 対戦相手サンカエターノのウイリアム・カルバーリョ監督は、1984年ロス五輪の銀メダルチームのキャプテンでセッターだった。

―監督にお伺いします。日本人のセッター、タマキはどうですか。

カルバーリョ監督:彼女はとてもいいと思います。ブラジルにいないタイプです。とても丁寧に上げていますが、もう少し大胆さがあってもいいかなと思います。ブラジルの選手も日本のリーグにいますが、互いに刺激になるといいですね。私も現役時代、11回も試合で日本へ行きました。

―残念ながらサンカエターノはここまで18戦全敗です。

カルバーリョ監督: スーパーリーグBで戦う予定だったのが、急に繰り上げで参加することになり、準備不足が響いています。若いこれからの選手が多いので、リーグBに比べ試合数も多く、レベルも高い、移動もある、良いことも悪い部分もすべてが経験です。来季につながる経験だと思います。

 試合後にホッとしたような表情だった松井選手。サーブのレセプションが短くなる場面も多かったのだが、ボールをうまく散らし、スタッツを見ると、ポジション別の得点配分がOP31%、OH33%、MB36%と、どのポジションからも満遍なく点が取れていた。特にこの日はMBの動きが良く、相手のブロックが的を絞れずに、1枚になるケースが多かった。この勝利でマリンガは8位に浮上したが、6~10位どこも接戦なので、まだどこが8位以内に入るかわからない。

■余談 毎日バレーボール

 スーパーリーグの試合は、以前は女子がだいたい火、金曜日、男子が水、土曜日というように男女曜日で区切られていたのだが、今シーズンは男女とも曜日を指定せずに少しずつずらす形で、ほぼ毎日、男女いずれかの試合がある。夕方6時半から第1試合、夜9時から第2試合で、テレビの有料チャンネルかYouTube(NSPORTS Canal Volei Brasil)で全試合が放送される。これだけ放送があると見るのも大変だが、見なければ見ないで気になってしまう。バレー好きにはたまらない贅沢な悩みだ。日本のように週末にまとめて試合がないと行ったり来たりで移動に疲れないかと思うのだが、松井選手は、「日本のような連戦より楽だと思います」とのこと。マリンガは残りホーム1試合、アウェー3試合になるが、8強目指して頑張ってほしい。

試合後、ホッとした表情でインタビューを受ける松井選手(写真:筆者)

取材:ブラジル在住 唐木田 真里子

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