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コラム

2024-03-01 23:28 追加

時代が青柳に追いついた! 埼玉上尾・青柳京古「自分がどう成長したいかということにフォーカスし続けてきた」 Ⅴ1女子

埼玉上尾・青柳京古 コメント

SV女子

バレーボールV1女子、埼玉上尾メディックスのミドルブロッカー青柳京古がその本領を発揮している。
レギュラーラウンドを終えた2023-24Vリーグではアタック決定率で2位をマークした。日本人ではトップの成績だ。

青柳は長らく「玄人受け」のするプレーヤーだった。
「派手さはないが、質の高いプレーをする」「高い打点で勝負するミドル」

「青柳京古はもっと評価されてしかるべきだ」
そういう声が各所から聞こえ続けていた。

しかし、高さや打力より攻撃の完成の速さを重視する傾向のあった日本代表に青柳が呼ばれることはなかなかなかった。
「代表が求めるプレースタイルに合致しない」
そう言ってしまえばそれまでだが、自分が理想とするバレーを追求し続けてきた青柳にとってキャリアの前半期、20代は常に葛藤と背中合わせの日々だったかもしれない。

その青柳に、ついに転機が訪れる。
2023年、31歳にして日本代表に選出。

「時代が青柳に追いついた」
当然と言えば当然、サプライズといえばサプライズの選出にはそんな表現が符合するかもしれない。

「決定率よりも、どんな場面で決めたかということが大事だと思っています」
今季のハイレベルな数字に対する感想を尋ねると、青柳は静かにそう答えた。

「前日にすごく決定率が高かった。だから今日も決まるんじゃないか。そんな気持ちの浮きがあるとスパイクは乱れてしまいますね。調子が良くて体が動いても思いっきり叩きつけるのではなく、丁寧にコースを打ち分けることを心掛けています」

サッカーに例えれば、力任せにゴールに蹴り込むのではなく「必要十分な力で必要な場所に流し込む」そんな感覚に似ているのかもしれない。

ここまで数字が伸びた理由は何か?と尋ねると首を傾げながら答えてくれた。
「自分がどう成長したいかということにフォーカスし続けた成果かなと思います。数字は勝手に出ているのかもしれませんね」

青柳は言葉を続ける。
「点を取る取らないではなくて、どこに打つかということだけに集中する。そうすれば状態は良くなって行きます」

武道の心得にも似た境地。
青柳京古は今、プレーヤーとしてひとつの極みに達しようとしているのかもしれない。

現在32歳。女子選手にとっては引退も考える年齢だが、青柳にはそんな気配がみじんもない。ますますそのプレーは冴えわたり、これからが彼女の全盛期になるのではないか、そんな予感さえ漂っている。

今季はVリーグ栄誉賞に該当する通算230試合出場も達成した。
それでもなおベテランと呼ぶにはまだ若々しい、活力にあふれたミドルブロッカーの活躍に今後も引き続き期待したい。

取材・撮影 堀江丈

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