●吉原知子監督

やっぱり力がなかったのかなっていう感じはします。

――アウトサイドヒッターの起用について。2セット目まで林琴奈選手を起用せず、田中選手を先発にしていた意図は？

吉原：林が3日前くらいに少し捻挫をしてしまい、ベストコンディションでコートに立つのは難しいかなっていう状態ではあったんですけど、あまりいい状態じゃなくても、彼女1人入るだけでチームはガラッと変わりますので、やっぱりいい選手だな、すごい選手だなと改めて感じました。

――サンティアゴ選手について。今季移籍してきたばかりで4つの個人賞（スパイク賞、ブロック賞、敢闘賞、ベスト6）を獲得するなど素晴らしい活躍をしました。先日お話を伺った時に、彼女にとって吉原監督は同じミドル出身の監督でもあり、自分自身のロールモデルのような存在だとお話しされていましたが、監督から見たサンティアゴ選手の印象は？

吉原 ：まだそんなに付き合いが長くないんで、こうだとは言い切れないんですけど、ただ本当に真面目で向上心がすごくある選手です。何か会話して、「こういうことやったらいいかもね」っていうようなアドバイスをすると、 即それを取り入れてちょっと試してみるとか。逆に、「こういうのどうですかね？」みたいなことを言ってきたりとか、自分からいろんなことを聞いてきますし、向上心の高い選手だという印象です。

――昨日の会見で「まだまだ成長を続けていかなければいけないチーム」とおっしゃっていて、おそらく今日の試合結果を受けて、またさらに成長という部分で感じているところがあると思うのですが、V Cupも続きますし、今後に向けてこの悔しさ、今日の試合をどう活かしていきたいと思っていますか？

吉原：全勝優勝について、シーズン途中から皆さんに言われ続けましたが、結局この大事な1戦で勝つか負けるかそれだけなので、いくら連勝しても最後に負けてしまったら正直あまり意味がないということだと思います。
会場のインタビューで古賀選手が「うちはこの1試合に合わせるのが上手です」みたいなニュアンスのことを言っていましたが、 うちも下手なわけではないとは思うんですけど、ただやっぱりもう少し…。絶対に勝たなきゃいけない試合って、これからもいろんな場面で、トップに行けば行くほど、そういう試合に直面する選手がたくさん出てくると思います。そういう時に自分の力を発揮できるような選手になっていかなければならない。そういう場面に直面したら、そこはもう普段からずっと自分にプレッシャーをかけるなり、そういうことを自分でやっていかないと。やはりこういう本当にプレッシャーがかかった時にどれだけのプレーができるかが本当の実力だと思います。
そういう意味では、うちのチームはまだまだ成長していかなければいけないですし、今回、決勝を初めて経験する選手たちも多くなっていたので。本当に足りないところはたくさん見つかって、課題が見つかって、止まってるわけにはいかないんで、前を向いてどんどん、どんどん成長していかなきゃいけないなと。そういう試合でした。

――第1・第2セットを競った展開で落とし、第3セットを取り返したという中で、和田由紀子選手の活躍がありましたが、今日の和田選手の活躍について、どう見ていますか？

吉原：和田は去年日本代表に選ばれて、かなり自信をつけて帰ってきています。最初から出た試合もあるんですけど、ほぼほぼ2枚替えとか、途中から出ていってプレーしなきゃいけないっていう立場の中で、 出ていってきっちり自分の役割を果たしてくれる。特に今日みたいな、もう本当にチームがなかなかリズムに乗れないっていうような、切羽詰まった時に、本当に頼りになる選手になったなっていう…。そういう意味では、すごくこの1年、成長してる選手ではないかと思っています。

写真：堀江丈

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