2024-04-06 10:18 追加
V Cupでは選手が戦力分析! 好調続く日立Astemoリヴァーレ。高間来瞳「分析は大変ですけど、記憶に定着します」、上坂瑠子「大きな決断をしたシーズンでした」 V1女子
Vcup 日立Astemoリヴァーレ 選手コメント
SV女子
「V Cupでは選手が自分たちでデータの分析をしているんです」
日立Astemoリヴァーレ中谷宏大監督はそう教えてくれた。V CupグループA、無敗同士の対決となったデンソー戦後の会見でのことだ。
「今までは対戦相手や自分たちの分析はスタッフからのフィードバックという形で行われていました。でも、V Cupでは自分たちでそういうことをやってみようよ、と」
リヴァーレは2023-24年度のVリーグを7位で終えていた。優秀な若手選手を有し、毎年期待の声は大きいものの、持っているポテンシャルが順位に結びつかない。今年もまた悔しさを胸に抱える結果となった。
「正直、V Cupで勝利は求めていなかったんですが」
中谷監督は自分でも少し不思議そうな面持ちでそう述べたが、日立Astemoはすごぶる好調だ。デンソーにはフルセットで敗れたものの、V Cupファイナルステージ進出を決めている。
「かなり大変だと思うんですけど、選手は前向きにやってくれていますね。ミーティングの負荷をはじめ選手の仕事量は増えていますが、そこから多くの要望がスタッフに出てくるようになりました」
選手による戦力分析とは? 実際にどんなことをしているのだろうか。会見に参加してくれた上坂瑠子、高間来瞳選手に聞いてみた。
――中谷監督から「自分たちで戦力分析をしてミーティングに臨んでいる」と聞きました。具体的にどういうことをしている?
上坂:試合前に次の対戦相手の分析をしています。例えばチームのアウトサイドヒッター同士で話し合って、相手のアウトサイドヒッターの得意なコースを分析したり、自チームならどういう攻撃が決まるか、とかそういうことを詰めています。セッターなら組み立てや相手のブロックシステムについての確認などですね。アナリストから言われたことをそのまま聞くんじゃなくて、自分たちが考えたデータをもとにして、その答えを合わせる感じでやっています。
――すごく大変なんじゃない?
上坂:最初はすごく大変でした。今はだいぶ、いやちょっと慣れてきたかな。
高間:大変です(笑)
――新たな発見はある?
高間:記憶に定着するというか。言われるだけだと頑張って覚えなきゃと思ってしまいますが、自分からデータを見ているので分析にも入り込みやすいですね。
上坂:コート内の会話がしやすいですね。試合中に相手も対策してくるわけですけれども、自分たちで考えたデータのベースがあるので「こう決めていたけど、こっちに変えてみようか」とか、そういう切り替えがしやすくなったと思います。
高間:自分たちから情報を共有して、 みんなで喋りながらバレーボールをしていますね。自分たちでデータを取ったり対策のミーティングしたりすることで、チームの全員で相手に対策していると感じています。練習の中でも会話がすごく増えていて、だから結果もついてきているのかなって。
――高間選手はVcupではスターターでプレーしていますが、その手ごたえは?
高間:途中で入るのとは違う緊張感がありますね。リーグ戦ではリリーフサーバーとして重要な場面で出る場面が多くて、その1回に懸けていましたが、最初から出るときは全体を把握して自分のやるべきこと自分の仕事を理解してそれをやりきらなくてはいけません。また違った集中力が必要だなって思っています。
――上坂選手はケガの影響で今季のリーグには出場できませんでした。このVcupで復帰となりましたが。
上坂:リーグ戦には出れなかったんですけれども、それまで外で見て感じたことがすごくあったので、それを自分のプレーにもみんなにも還元できるようにしたいですね。かけ声だったり、振る舞いとかもちょっと意識するようになりました。
今はリリーフサーバーとして試合に出ていますが、強気のプレーを意識して頑張っています。ちょっとだけ弱気になるときもありますけど(笑)
――中谷監督も代表に入れる選手だと言っていました。本来なら飛躍の年にしたかったですね。
上坂:今シーズンは本当に自分の中で大きな決断をした年になりました。元々膝が悪かったのですが、その膝を治すことに振り切ったシーズンになりました。
自分で決めたことなので、そこはプラスに捉えています。不安も少しはありますが、ここからまた成長できるぞという楽しみもありますし、1つ1つ筋力だったり体幹の能力を伸ばして、チームに信頼される選手になることを目指していきたいですね。
撮影 堀江丈
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