2025-02-07 13:18 追加
冷静と情熱のあいだ 福山汰一さんカーテンコール(前編)
福山汰一さん カーテンコール(前編)
Others / SV男子 / 全日本代表 男子
バレーボール元日本代表で、2024年5月に行われた黒鷲旗を最後に現役を引退した福山汰一さんにお話をうかがった。福山さんは早稲田大学からジェイテクトSTINGS(現・ジェイテクトSTINGS愛知)に入団。チーム史上初のリーグ優勝にも貢献している。ポジションはミドルブロッカー。190cm前半の身長はミドルブロッカーとしては低い。しかし早稲田大学時代はいわゆる「センターエース」と呼称されてきたように、ミドルブロッカーでありながら多くのスパイク得点を叩き出した。
主将を務めた2017年ユニバーシアードにて
2017年に台湾で行われたユニバーシアードではキャプテンとしてチームをまとめ、銅メダル獲得に大きく貢献。またモデルとしてスカウトされた整った容貌で台湾の観客を魅了した。筆者はこのとき前半から大会終了まで台湾で取材させてもらったが、毎日観客だけでなく会場ボランティアのスタッフたちまでが福山さんとチームメイトだった今村貴彦選手にサインとツーショットをねだって行列を作っていた。
銅メダルを獲得した2017年ユニバーシアード。左端が福山汰一さん、その隣がその後、日本代表リベロとして2度の五輪に出場した山本智大選手
また、この大会で筆者の福山さんへの印象もかなり変わった。松井泰二監督により強くなった早稲田大学のセンターエースであることは知っていたが、「モデルもやっている」という噂も伝え聞いて、失礼ながら「ちょっとチャラチャラした選手なのかな」といった先入観を持っていた。ところがユニバーシアード台北大会で、彼が主将であったことからほぼ毎日コメントをうかがっていると、非常に真面目で、自身のプレーもチームの状態も客観的に把握し、言語化する力がある選手であることがわかった。
ユニバーシアードだけでなく、東京五輪が開催された2021年には初めてシニア代表にも選ばれて、ネーションズリーグや五輪には選抜されなかったが、アジア選手権には出場した。合宿で石川祐希や関田誠大のほか、シニア代表の選手たちと練習や生活をともにし、試合にも出場したことが福山さんの中で大きな人生の機転となったという。
「もっと早くあのレベルを体験できていたら…と思いました」
転機となった2021年アジア選手権にて。同じ早稲田大出身の宮浦健人、大塚達宣両選手と指で”早稲田ポーズ”を作る福山汰一さん
(後編に続く)
取材・文:中西美雁 写真:中西美雁、火野千鶴
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