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インタビュー

2025-02-16 11:40 追加

大塚達宣「ミラノの環境は素晴らしくて、自分で言うのもなんですけど、愛されてるなって思います!」(前編)

大塚達宣 インタビュー前編

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2月9日のイタリアリーグ1部セリエAの第19節。日本人選手ともゆかりの深いパドヴァとの対戦がホームのアリアンツクラウドで行われた。試合は3-1でミラノ勝利した。スターティングメンバーには両アウトサイドにカジースキ選手とルアティ選手が入り、大塚選手はベンチスタート。1セット目はミラノが先取したが第2セットをリードされてレシーブがためで大塚選手が後半に起用された。入ってすぐにスパイクを決めて流れをミラノに取り戻したが、前衛で交代してベンチに戻り、ミラノは流れをとりきれずにこのセットを失った。第3セットでも終盤から大塚選手が投入され、4セット目はスタートから起用された。ミラノは無事に勝利をおさめ、大塚選手は会場の観客が投票するMVPを受賞した。

――今日の試合。スタートからの出場ではありませんでしたが、1セット目はなんとか取れて。2セット目は途中で出て、いい活躍をされましたが、前衛でまたカジースキ選手と交代した。そのあとレセプションが乱されたこともあり、2セット目は相手に取られてしまった。そして、3セット目の途中でまた交代で入り、4セット目はスタートから。ご自身で今日の試合を振り返っていただくと?

そうですね。今シーズン後半、途中で出してもらうことも増えてきて、そこはまあ信頼してもらってるからだと思います。だいたい試合のセットの終盤で出してもらっているので、その期待に応えたいという気持ちはあります。

――途中からコートに入ったのにもかかわらず、すぐにセッターからトスが上がるの見て「お、なかなかセッターのポッロ選手に信頼されているな」と思ったんですけど、練習の時からああいうコンビができている?

そうですね。普段の練習から、特にこの2025年入って1月ぐらいから、いろいろアドバイスをもらいながら、自分もスパイクの点の取り方やレシーブのしかたも学んでいます。高いブロックを利用することを普段からやれているので、決定率もあがってきている手応えがあります。ただ、練習ではそういう手応えがあっても、やはりなかなか実戦での出場が少ないと試合でちゃんと通用するのかな、という若干の不安がなきにしもあらずではありました。でも実際、先月のピアツェンツア戦ぐらいからコートに立たせてもらって、自分が毎日の練習でやってきたことを実戦でやってみて、あ、これで大丈夫だな、いけるな、という確信がもてるようになった。あの試合以降練習の中でも自分のスパイクの質がもう一段階あがったと思います。

ですから、今日の試合でも特別良かったということでもなく、練習で今まで普通にやってきていることができてると思います。まだスタッツを見ていませんが、おそらく数字も練習の時と同じくらいだと思います。なので、そのまま練習でやっているのと同じ感覚でできているのかなというのが自分の率直な意見というか、今日の試合の振り返りですね。あまり自分が特別頑張ってチームをなんとかしなきゃ!と気負う感じではなくて、練習で普段やってきていることがしっかり試合でも出せたなと。

――とはいえ海外リーグ初挑戦となるこのシーズン、大塚選手は最初のうちは脚のコンディション不良などもあって、実戦でのプレーに少し出遅れてしまったところはありますよね。チームというのは一度固まってしまうとなかなかそこに割って入ることは難しい。

はい。

――だけど、スタメンに入れない、途中からもなかなかコートに立たせてもらう機会がない。その中で初めて実戦で活躍してMVPをとった時の気持ちを教えてもらえますか。

やっぱり年内、2024年の間はコートに立つ機会があまりありませんでした。もちろん先程言われたように脚の怪我もあったんですが…。自分の中で焦りももちろんありました。早く治してコートに立ちたい。早くコートに立って結果を残さないといけないっていう気持ちがすごくありました。そこは少しその気持が先走りすぎた部分も自分の中でありましたね。11月、12月の頃は。なのでその頃に自分の出場機会が来てコートに立ったときに、(結果を出さなければという焦りが先に立って)プレーが少しうまくいかない時もありました。多分それはそういう無駄なことを考えてしまっていたからだなと。

なんかこのミラノというチームでは、自分は本当に環境に恵まれてるなということはすごく感じています。メンバーもスタッフもみんないい人柄の人たちばかりですし。僕が怪我をしたとき、チームメイトもスタッフも僕が早くコートに戻れるように待っていてくれたので、それに応えるためにはがんばらないといけないなって自然と思っていました。

僕が初めて実戦のコートに戻ったとき、10月のベローナ戦のときでしたね。観客席のお客さんたちもコートに入った瞬間にお客さんたちが本当にすごくわーって盛り上がってくれて。なんか自分で言うのも恥ずかしいんですけど(笑)、僕って本当にみなさんに愛してもらってるんだなって(笑)。とてもありがたいことだなと。

だからそういうふうにチームのファンや関係者の方から愛されて期待されているからには、気合を入れすぎてはダメですけど、その分プレーで返していかないと、そして自分個人だけでなくて、自分個人ももちろんですけど、チームの勝利に貢献して結果を出していかないといけないと強く感じました。そういう気持ちを常に持ち続けて練習して、コートに立ったときもその気持ちでプレーができていれば、自分のプレーの質もあげていける。そうすれば「お、タツまた使ってみるかな」ってなるかなと。アピールになると思うんで。練習のときから監督やコーチ、チームメイトみんなにいろんなことを聞いてアドバイスをもらって、自信をつけて、つけたらもうあとは試合で実際に出すだけかなと。まあ、それが今のところだいぶコンスタントにできてきたなと思います。

取材・文・写真:中西美雁

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