2025-02-16 11:42 追加
大塚達宣「実は(石川)祐希さんがイタリアリーグでプレーしているのを生で見るのは今季が初めてで、純粋にすごいなって思いました。でも負けないです!」(後編)
大塚達宣インタビュー 後編
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バレーボールイタリアセリエA・ミラノで海外挑戦中の大塚達宣インタビュー後編をお届けする。
バレーボール男子日本代表の主将、石川祐希選手は主力選手としては初めてVリーグを経ず、大学1年のときからセリエAでプレーし、卒業後もすぐにイタリアリーグでプロ選手としてプレー。以来ずっとセリエAで選手生活を続けている。昨年までは大塚達宣が現在所属するミラノで4季プレーし、格上のペルージャに勝利するなど今のミラノチームの中堅チームとしての地固めに貢献した。石川選手やロセル選手、そして今季もプレーするカジースキ選手などが活躍し、ミラノは今季欧州チャンピオンズリーグの出場権をつかんだ。
今季のミラノとペルージャの日本人対決はミラノのホームゲームで11月に行われたが、このときは石川選手も大塚選手も同時にコートにたつことはなく、それぞれが別々にリリーフとして出場した。
――来週またペルージャとの対戦があります。
やっぱりペルージャは本当に今シーズン前半はずっと連勝を続けていて。最近少し連敗してしまっている状態でしたけど、またターラント戦で連敗を止めて。でもそういうことは関係なく、このリーグは1位から12位までどのチームと当たっても勝つか負けるかわからない。そのあたりは日本のリーグとはまた少し違うかも知れないですね。上位チームと下位チームの差があまりないというか。どこが勝っても不思議ではないというか。だからペルージャだから絶対勝てないっていうこともない。何が起こるか分からない。だからもう本当に全員で一点一点を取りに行く。それはこのチームがずっとやってきていることで変わらないですね。
でも個人としてはやっぱりコートに立って勝利に貢献したいという思いはあります。まあそれはどのチームに対しても思っていますけど、特にペルージャには石川選手がいるので。昨季の覇者であるペルージャでああやってプレーされているのを見させてもらっているので。まあ、僕も生でイタリアでやってる石川選手を見るのは今シーズンが初めてなんで。
――あ、そうなんですね。
だって僕大学3年の時からパナソニックでプレーさせていただいていたので。
――たしかにそうでしたね。シーズンが被ってますから、生では見れないですよね。Vリーグが終わったら大学リーグ、そして代表ですもんね。
はい。今まで日本代表でやってる石川選手はもちろんそばでずっと見てきて。でもイタリアでプレーされているのを生で見るのは初めてだったんです。で、こういうスタイルの、日本とはかなり違う雰囲気の会場でやってるのを、初めて見た時に、やっぱり今までのこの10年間この環境の中でやってきた成果なんだと。すごい長いことこのリーグで鍛錬されてきたからこそ出せる雰囲気とか表情だとか声かけとか、もちろんプレーの数々も。なんか本当に純粋にすごいなっていうのは強く感じました。僕が初めて祐希さんがイタリアリーグでプレーしているのを見たのが、僕自身がイタリアに来て1か月目くらいだった。だから試合の時の会場はだいたいこういう雰囲気なんだっていうのがわかってきたころだったんですけど、だから余計に祐希さんの立ち居振る舞いやプレーがすごいなって純粋に思いました。異国の地でこうやってやってる姿を見て。
でも今度の試合は僕もますますチームに慣れて、イタリアの環境にも慣れて来たところで、コンディションも上がってきましたから、まずは自分の仕事を全うしたいですね。祐希さんと直接対決したい気持ちももちろんありますし、僕自身のプレーを一つ一つしっかりまっとうして、その場にいる方や配信で見てくださってる方全員にミラノの勝利に貢献するところをお見せできたら一番いいなと思います。
大塚達宣 Tatsunori Otsuka
国籍 日本
生年月日 2000年11月5日(24歳)
出身地 日本大阪府枚方市
身長 195cm
体重 87kg
所属 パワーバレー・ミラノ(イタリアリーグ一部)
背番号 15
愛称 タツ
ポジション OH
指高 246cm
利き手 右
スパイク 340cm
大阪府枚方市出身。小学3年生の頃、地元のVリーグ強豪・パナソニックパンサーズの下部組織「パンサーズジュニア」の存在を知り、入会してバレーボールを始める。中学までパンサーズジュニアで活動した。
2016年、洛南高等学校に進学。全日本バレーボール高等学校選手権大会では2学年時の準優勝、3学年時の優勝に貢献した。優勝メンバーは「洛南カルテット」と呼ばれた。垂水優芽(OH)、山本龍(セッター)、中島明良(ミドルブロッカー)
2019年、早稲田大学スポーツ科学部に進学。早稲田大学でも全日本インカレの優勝に貢献。
2020年、大学2年の年に日本代表に選出された。しかし、この年度は、新型コロナウイルス感染症の流行の影響でオリンピックをはじめとする国際大会が中止・延期となった。
2021年、大学3年の年にも日本代表に選出され、ネーションズリーグに出場した。ネーションズリーグでは本来のポジションではないオポジットもこなし、プレーの幅を広げる手応えもつかんだ。
そして、2020年東京オリンピックの最終メンバーに選出された。選出されたことについて、「選ばれなかった選手たちの分まで戦わないといけないと思いました」と責任を感じたコメントをした。オリンピックでは出番がイタリア戦の途中出場1試合のみだったが、「ここで終わりじゃない。パリ五輪に向けてもう一度頑張ろう」と思えたという。その後のアジア選手権にも出場した。
球歴
ユース日本代表(U-19)
アジアユース選手権 – 2017年
世界ユース選手権 – 2017年
日本代表 (2020年-)
オリンピック – 2021年、2024年
世界選手権 – 2022年
ネーションズリーグ – 2021年、2022年、2023年、2024年
アジア選手権 – 2021年
所属チーム
洛南高等学校 (2016-2019年)
早稲田大学 (2019-2023年)
パナソニックパンサーズ (2022年1月-2022年4月)
パナソニックパンサーズ (2023-2024年)
パワーバレー・ミラノ(2024年-)
受賞歴
2022年 – 2021-22 V.LEAGUE DIVISION1 MEN 最優秀新人賞
2023年 – 2022-23 V.LEAGUE DIVISION1 MEN ベスト6
取材・文・写真:中西美雁
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