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インタビュー

2025-03-23 08:46 追加

そして三重の希望になった。ヴィアティン三重・浅川希 V女子

V女子

最後の1年を主将として向き合うというのはどういう気持ちなのだろうか。実際、主将に指名されたのは「今季をもって引退」の意思を監督に伝えた後だったという。

「キャプテンは監督の指名ではなく、みんなに選んでもらったんです。でも、自分がキャプテンになるとは思っていなかったというか。自分はチームで1番年上ですけれども、何人か候補はいて、キャプテンをするタイプではないと感じていますし。チームをまとめる役割なら他の選手の方が上手いとも思っていて」

今季限りでチームを離れる自分が主将に就任する。そこに葛藤はなかったのだろうか。

「それはないですね。キャプテンだから頑張る、キャプテンじゃないから頑張らないというわけではないですし。毎年選手は入れ替わって本当にワンシーズン、ワンシーズン違うチームができますから。そこは割り切ってというか、自分のやることに集中するという気持ちが常にありました」

引退を表明した浅川希に向けられた言葉を収集していくと、アランマーレ山形時代からの応援がいまだに続いていることに気が付く。そもそも三重の高校生(三重高校出身)が、アランマーレ山形という東北のチームでキャリアをスタートさせたのはどういう経緯だったのか。

「高校を卒業してバレーボール続けるかどうかっていうのを迷っていて。大学に行ってバレーボールをしたいっていう気持ちもあったのですけれども、普通に一般企業に就職するつもりでした。そんな時、高校の監督から『山形にできたばかりのチームがであるけど行く気はあるか』と声をかけてもらって。時期的にも早く決める必要があったのですが、練習にも参加させてもらって、チームからも是非にとのことでしたので、山形に行くことを決めました」

3部リーグからのスタートはヴィアティンの立ち上げとも状況は似ている。

「そうですね、スタートは似たような感じかもしれません。本当にできたばっかりというか、Vリーグに参戦したばかりのチームです。どちらでも土台作りの部分は意識していました。アランマーレの時はもう一生懸命やっていただけなんですけれども。ヴィアティンではその時の経験も踏まえて、これからきっと苦しい時もあるだろうけど、下から支えられるような立場でいれたらいいなと思っていました。そこはつながる部分があったと思います」

浅川希にとってヴィアティン三重はどういうチーム、どんな場所であったのか。

「楽しむということがヴィアティンの根本にあると思っています。見てくださる人に楽しんでもらう、自分たちが楽しむということも含めてですね。関西の人が多いからかもしれないですが、そういった雰囲気というか空気感はあるなとずっと思っていて(笑) ただ、今年は去年悔しさを経験したからっていうのもあるかもしれないんですけど、なんとかしたいっていう気持ちがみんなからひしひしと伝わってきています。一人ひとりが考えて、行動に移せるチームに育ってきてるんだな、って。
それから年齢に関係なくコミュニケーションを取ることができるチームで、そこが良いなと思っています。
若いチームなので、これからもっと伸びしろもあるし、勝つためにはまだまだ成長しないとダメな部分もあるとは思います。人としてもどんどん成長してもらって、その力でチーム全体がレベルアップしてくれたら嬉しいなって思います」

引退後は今の企業で働きながら少し体を休めることを考えているという。

「バレーボールをやってきて、今が一番楽しいですし、ここまでチームが成長できたっていうのも自身の充実に繋がっています。やりきった感じは、あります」

曇りのない笑顔で浅川希は言う。そして今日、最後の舞台に立つ。

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