2025-03-11 07:00 追加
サーブで攻めた広島オイラーズが勝利。JAぎふリオレーナはポジションチェンジで”逆襲”も悔しい敗戦。 V女子
V女子
対して、JAぎふにはほろ苦さの残る試合になった。
鈴木智大監督は
「序盤、相手ブロックの枚数が多いシチュエーションで攻撃を仕掛け、加えてフィニッシュ精度にも難があった。そこで苦しい状況になったが途中出場の選手が流れを変えてくれた。替わって入ったセッターの三宅楓の選択も良かったと思う。ただ、それでも1枚のブロックを抜ききれず、本来得点を取るべき場面で取り切れなかったのが敗因になったと思う」
と選手を讃えつつも、ままならぬ思いを言葉にした。
しかし、ただ相手に屈したわけではない。鈴木智大らしい、リスクを取った采配も見せた。
第3セット、これまでチーム事情でミドルに回していた髙石明美をオポジットにチェンジし、後衛ではサーブレシーブから外してバックアタックに備えさせた。
「得点を取ることが必要だった。いくつかの選択肢はあったが、高石にそこを任せることにした。試合の中で高石の打数がやや少なかったことも考慮にあった。急な変更で戸惑いはあっただろうが、破綻なくこなしてくれた」
とチームの軸に対して揺るがぬ信頼を見せた。
高石本人はどう感じていたのだろうか。質問にやや戸惑いながらも
「急な変更ではあったが、求められるものがあってのポジションチェンジだと思う。この形で勝負したいという監督の意思を感じた。どこであろうと自分のやるべきことは変わらないので、しっかり自分の力を発揮することを心掛けた」
と話してくれた。
途中出場の選手が光った試合でもあった。皆川莉乃がチームに活力をもらたし、ベテランの山本裕香がコートに安心感をもたらした。
「自分が入るときはチームが苦しい時。まずはしっかり点を取る、オフェンスで貢献することを考えた。自身の調子が良いわけではなかったが、周囲の声にも助けられてパフォーマンスを上げることができた」
長くリオレーナをけん引し続けるサイドアタッカー、山本裕香はそう語った。
長身セッター、三宅楓のプレーも光った。昨季はほぼ一人でセッターを任されチームを切り盛りしたが、今季は中尾千尋の急成長で役割を分担しながら試合に臨んでいる。
この試合は控えからスタートして流れを変え、かつ高石のポジションチェンジにも対応した。体だけでなく、頭脳も酷使した試合であっただろう。
三宅にそのあたりを訪ねると
「相手の枚数が少ない方で攻撃を組み与えることを意識して配球した。流れを変えることができたのは良かった。個人的には高石選手がサイドにいてくれるとトスワークにも工夫が活かせる」
と微笑んだ。
もう一人、大事なプレーヤーを紹介したい。
今節、JAぎふで強く印象に残ったのはアウトサイドヒッター、水野梨加である。
「2日間、緩急のある広島のサーブに苦しめられた。サーブレシーブから攻撃に移る感覚がなかなか掴めなかった」
と本人は反省の弁を述べるが、チームに欠かせないピースとして存在感を発揮していた。サーブでの働きも大きく、GAME1では3本のエースを取った。
昨季は病気療養で試合に帯同できない日々もあったが、今はそれを感じさせない躍動感で観客の心をつかんでいる。
苦しくともあきらめない。時に闘志を表に出し、時に静かに心に秘める。水野はこれからも攻守の軸として活躍し、リオレーナの心臓になっていくだろう。
そんな未来が見えた試合でもあった。
【V.LEAGUE WOMEN・9日の結果】
@北ガスアリーナ札幌46
アルテミス北海道 0 – 3 ブレス浜松
(12-25 10-25 14-25)
@岐阜メモリアルセンター ふれ愛ドーム
JAぎふリオレーナ 1 – 3 広島オイラーズ
(17-25 22-25 25-21 25-27)
@大崎市古川総合体育館
リガーレ仙台 3 – 0 東京サンビームズ
(25-19 26-24 25-17)
@安濃体育館
ヴィアティン三重 1 – 3 信州ブリリアントアリーズ
(8-25 25-21 23-25 21-25)
@熊本県立総合体育館
フォレストリーヴズ熊本 3 – 0 カノアラウレアーズ福岡
(25-18 25-17 25-13)
今日の結果を受けた最新の順位は以下の通り
(上位4チームがプレーオフに進出)
1位 ブレス浜松 (勝率92% 66ポイント)プレーオフ進出
2位 リガーレ仙台 (勝率85% 68ポイント)プレーオフ進出
3位 信州ブリリアントアリーズ (勝率83% 58ポイント)プレーオフ進出
4位 フォレストリーヴズ熊本 (勝率71% 48ポイント)プレーオフ進出
5位 カノアラウレアーズ福岡 (勝率50% 40ポイント)
6位 倉敷アブレイズ (勝率46% 39ポイント)
7位 JAぎふリオレーナ (勝率42% 29ポイント)
8位 ヴィアティン三重 (勝率38% 25ポイント)
9位 東京サンビームズ (勝率27% 24ポイント)
10位 広島オイラーズ (勝率19% 17ポイント)
11位 アルテミス北海道 (勝率0% 0ポイント)
【次回のV.LEAGUE WOMEN】
2025 03.15(土) 13:00 @ウインドヒルくしろスーパーアリーナ
アルテミス北海道 – 信州ブリリアントアリーズ
2025 03.15(土) 13:00 @アグリパーク
JAぎふリオレーナ – リガーレ仙台
2025 03.15(土) 13:00 @ウイングまつばせ
フォレストリーヴズ熊本 – ブレス浜松
2025 03.15(土) 15:30 @亀山市西野公園体育館
ヴィアティン三重 – 東京サンビームズ
撮影 堀江丈
同じカテゴリの最近の記事
- 大阪Bが中国の上海光明に3-0で勝利。元チームメイトのクビアク主将「大阪Bはこの大会で優勝する力もあると思う」 アジアチャンピオンズリーグ男子ジャパン2025 [SV男子] / 2025.05.13
- フォト ファイナル・ジェイテクトSTINGS愛知 関田誠大、宮浦健人、デファルコ、ルカレッリ、小川智大ら 2025.05.05 LaLa arena TOKYO-BAY [SV男子] / 2025.05.12
- 埼玉上尾メディックスがファン感謝祭「メディックス学園林間学校」を開催。チームへの愛を胸に退団の仁井田桃子「これからも仲間としてリーグを盛り上げていく。私は夢をあきらめていない」SV女子 [SV女子] / 2025.05.12
- 大阪Bとサントリーがともにストレート勝利で白星発進。アジアチャンピオンズリーグ男子ジャパン2025 [Others,SV男子] / 2025.05.12
- 姫路 元日本代表の柴田真果とブレス浜松から期限付き移籍の森木かれんが現役を引退 SV女子 [SV女子] / 2025.05.11
コメント
Sorry, the comment form is closed at this time.