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会見・コメント

2025-04-25 13:54 追加

合言葉は”これで優勝できるのか?” SAGA久光スプリングス・平山詩嫣が目指すもの SV女子

SAGA久光スプリングス・平山詩嫣 インタビュー

SV女子

バレーボールSVリーグはいよいよセミファイナルを迎える。

女子の4強は大阪マーヴェラス、NECレッドロケッツ川崎、デンソーエアリービーズ、SAGA久光スプリングスに決まった。
大阪MVとデンソーはパナソニックアリーナで、NEC川崎とSAGA久光はとどろきアリーナにて25日から3戦2勝方式で対戦する。

「これで優勝できるのか?」

レギュラーシーズンを3位で通過したSAGA久光は後半戦、合言葉を作って戦ってきたという。
メンバーをその決意に導いたのがミドルブロッカー平山詩嫣だ。

「ミーティングの中で出た平山の言葉がすごく選手たちに響いているんですよ」
酒井新悟監督はチームの精神的支柱に育ちつつある愛弟子の成長を笑顔で語る。

SAGA久光は3月15日、ホームSAGAアリーナでNEC川崎とのGAME1に3-1で勝利し、チャンピオンシップ出場を決めた。しかし、翌日のGAME2では1-3の敗戦を喫した。
「これで優勝できるのか?」
その合言葉はここから始まった。

翌週のPFUブルーキャッツ石川かほく戦、平山詩嫣はGAME1で控えに回り、GAME2出場して7割のアタック決定率を叩き出した。
試合はフルセットにもつれたが、最後はSAGA久光が勝ち切った。2セット先行されてからの逆転勝ちであり、大きな価値のある1勝になった。

「気持ちがオフェンスに出たと思います」
平山はそう話す。
「(長丁場のリーグで)チームも出場メンバーを変えたり、いろいろな挑戦をやっています。自分はシーズン前半、スタートで出ることが多かったのですが、1本も決まらないような日もあって…でも、コートから出たり入ったりを繰り返している中で、だんだん自分のプレーを客観視できるようになりました」
平山は言葉を続ける。
「PFUさんもトスが乱れた状態から打ってきていましたし、引いちゃダメだなと思って。自分も負けないぞって。挑戦する気持ちも日に日に強くなっています」

タイムアウト時も平山は会話の中心にいた。

「ミドルは後ろのローテで外に出るので、コーチやベンチメンバーから意見をもらう時間がありますし、自分がプレーしている時と外で見ている時の感覚の違いのようなものも伝えたくて。相手の強いオフェンスに対してどうブロックを修正するかとか、ディフェンスはこう動いて欲しいという要求もしました。チャンピオンシップで勝ち上がるための試金石としてPFU戦はすごく大事な試合だと思っていました。2セットを先取される苦しい展開になったんですが、それを乗り越えなければ、と。私たちには今、合言葉があるんです。”これで優勝できるのか?”ということを自らに問いかけながらプレーしています」

合言葉が生まれた背景を平山に聞いてみた。

「チャンピオンシップ進出が決まったので、あらためて自分たちがこのシーズンで何をしたいのかということを明確にしなければならないという思いがありました。もちろん、目の前の試合は大事です。でも、その先も見る。自分たちは本当に一番になるプレーができているのか。本当に一番を取りいく試合で自分が選ばれるのか。良い意味での競争意識も必要だと思いますし…競争と言いましたけれどもベクトルは人ではなくて、優勝するための力が足りているか、そのことをそれぞれが考えているのか、ということですね。その気持ちをミーティングで話しました。そこから”本当に今のプレーで優勝できるのか”自分に問いかけよう、という流れができました。全員が同じ方向を見ている状況を作りたかったんです」

NEC川崎もSAGA久光もクォーターファイナルは2連勝で勝ち上がった。しかし、試合日程の関係上、SAGA久光の方が2日インターバルが少ない。
その状況がどう戦況に影響するか。
キープレーヤーとなるであろう平山詩嫣の奮闘に注目したい。
「これで優勝できるのか?」
平山詩嫣はその言葉を胸にチャンピオンシップのコートに立つであろう。

撮影 堀江丈

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