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トピックス

2025-10-27 06:31 追加

Vリーグ女子第2節。「完治の見込みなし」重い決断、苦しみを乗り越え東京サンビームズ・小泉海藍がリハビリから復帰。昨季王者の信州ブリリアントアリーズが4連勝 Ⅴ女子

Vリーグの結果

V女子

10月25日、26日バレーボール女子・V.LEAGUE WOMENは第2節を開催。

北ガスアリーナ札幌46、中野区立総合体育館、AGF鈴鹿体育館、山都町総合体育館パスレル、津山総合体育館、感謝と挑戦のTYK体育館にて計12試合を行った。

昨季王者の信州Ariesは順調な出だし。アウェーでV三重に連勝し、無傷の4連勝で首位に立った。

破れたV三重も現在得点王の浮ケ谷夏未が奮闘。GAME2では信州Ariesからセットを奪った。

今節が開幕となったフォレストリーヴズ熊本は福岡ギラソールに連勝。

今季躍進が期待されるJAぎふリオレーナはホームでリガーレ仙台に連勝し、あらためて充実ぶりを見せつけた。

東京サンビームズは高松卓矢率いるカノアラウレアーズ福岡に開幕戦で勝利。
翌日のGAME2では山根茉唯加のパワフルな攻撃が効果的に決まったカノアが逆襲に成功し両者は1勝1敗で対戦を終えた。

東京もアウトサイド陣がコートの中を縦横無尽に切り込むバレーで見せ場を作ったが一歩及ばなかった。
新加入のミドル・ハンダスレン・ガントグトフがサーブ効果率でトップに立っている。

一人の選手のことについて触れておきたい。

話は昨季のシーズン中に遡る。
東京サンビームズのアウトサイドヒッター小泉海藍選手は年明け、腰に4本の疲労骨折が発覚。
しかし彼女は「休養」の選択をせず、自らの意思でプレー続行を決断した。
2月のアルテミス戦では16得点、決定率75%とサイドプレーヤーとして驚異的な数字も叩き出した。
負担は相当なものだったがシーズンを通じて主軸としてチームに貢献した。

オフシーズンは徹底的にリハビリに充てることになった。夏の東京サマーリーグも欠場。

「開幕戦、スタメンでコートに立ちたい。駆けつけてくれたファンの皆さんにいいプレーを見せたい」
約半年かけて体制を整え直し、今季の開幕を迎えた。

その言葉通り、開幕の2戦をスタメン出場。GAME1ではチームを勝利に導いた。
ただ、残念なことに小泉選手の骨折は完治の見込みがないという。

「骨はくっついてないんですよ、もうくっつかないんです」

その事実は彼女に大きなショックを与えた。
それでも彼女はコートに立ち、自身とチームを応援してくれるファンの声に応える道を選んだ。
インナーで固定したり、場合によっては局所麻酔で対処して今季を走りぬくことを考えているという。

事の経緯と経過はすでに本人のInstagramでも明かされていたが、今回、改めて本人より話しを伺った。

彼女の人生は彼女のものである。決断には賛否両論があるかもしれないが、小泉海藍が考え、小泉海藍が選んだ答えは
「それでも今季のコートに立つこと」
だった。

おそらくは、コート上の彼女はそんなそぶりはみじんも見せずに笑顔でボールを追い、宙に舞うであろう。
その意思を尊重し、重い決断をした小泉選手の戦いを見守りたい。

全ての場所に命の輝きがある。
SVリーグのみがシビアな戦いの場所ではない。Vリーグにも、まさに人生の一部を削って、魂の炎を燃やす選手がいることを多くの方に知ってもらいたいと思う。

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