全日本バレー、Vリーグ、大学バレー、高校バレーの最新情報をお届けするバレーボールWebマガジン|バレーボールマガジン


バレーボールマガジン>>2025年12月17日SVL理事会報告メディアブリーフィング全文 SVL、SVグロース、Vリーグについてなど

2025-12-29 13:37 追加

2025年12月17日SVL理事会報告メディアブリーフィング全文 SVL、SVグロース、Vリーグについてなど

SV女子 / SV男子 / V女子 / V男子

Vリーグの今後について(補足説明)

最後に資料はありませんが、2026-27シーズン以降のVリーグ運営についてお話しします。

2024-25シーズンからSVリーグがスタートし、地域連携を重視した新しいリーグ体系へ移行しました。
そして2025-26シーズンをもって、現在のVリーグは最終シーズンとし、2026-27シーズン以降はVリーグという名称でのリーグ開催は行わないことを決定しました。

一方で、SVグロースに参加しないクラブ、アマチュア志向のクラブについては、日本バレーボール協会が別途、競技機会を確保する環境を整備する予定です。
詳細については、決まり次第JVAから発表されます。

質疑応答

質問①(今後の制度発表スケジュールについて)

記者:
これから各種審査が行われると思いますが、その結果発表の時期はいつ頃になりますでしょうか。

大河チェアマン:
審査の進行状況にもよりますが、多少前後する可能性はあります。
現時点では、3月頃を目安に、理事会での決定内容が順次発表される予定です。

内容によっては発表日が多少ずれる可能性もありますが、大きな方向性としては3月頃になるとご理解ください。

質問②(中学・高校年代とクラブ化の関係)

記者:
中学年代の部活動地域移行やクラブ化が進んでいますが、SVユースとの関係はどのように整理されていくのでしょうか。

大河チェアマン:
中学については、すでにクラブチームが全中(全国中学校大会)に出場できる環境が徐々に整ってきている状況です。
また、学校登録で大会に出場した選手が、敗退後にクラブチームに移籍できるかどうか、といった点も整理されつつあります。

部活動が先細りしていく中で、クラブチームの存在は非常に重要になります。
SVユースに限らず、地域クラブ全体としての受け皿が必要だと考えています。

一方で高校については、競技力が学校経営や生徒募集と密接に関係している側面もあり、非常に慎重に進める必要があります。
実際、全国大会の出場校を見ると、7〜8割がいわゆる常連校であるという現状もあります。

現時点の考え方としては、
• インターハイや高校選手権にはU18クラブは原則出場しない
• 将来的には、サッカーのように「U18選手権」という別大会を設ける可能性

といった選択肢を、今後の議論の中で検討していくことになると思います。

質問③(高校年代リーグ戦化の可能性)

記者:
高校年代について、トーナメント中心ではなくリーグ戦化する可能性はありますか。

大河チェアマン:
これは非常に重要なテーマだと思っています。
バスケットボールでは、日清食品さんのトップリーグがあり、その下に地域リーグが整備されています。

バレーボールにおいても、トーナメントだけでなくリーグ戦という形での競技環境整備は、本来議論すべきテーマです。
ただし、リーグ戦化には移動費や運営費など、財政的な課題も大きく、簡単ではありません。

とはいえ、バレーボールの競技人気を考えれば、スポンサーやパートナーと連携しながらチャレンジしていく価値はあると考えています。
これはあくまで今後の議論になります。

質問④(理想的な育成リーグ構造)

記者:
理想的には、どのようなリーグ構造が望ましいとお考えでしょうか。

大河チェアマン:
私個人としては、最終的には

地域リーグ → 上位リーグ → プレミアリーグ
というピラミッド型構造が理想だと思っています。

高校かクラブか、という区分に関係なく、地域単位でリーグ戦を行い、そのトップがプレミアリーグに進む。
そうすることで、競技人口、指導者育成、審判育成といった面でも非常に良い循環が生まれると思います。

ただ、これは簡単な話ではありませんので、協会が中心となり、関係団体とも連携しながら議論を進めていく必要があります。
現実的な第一歩としては、高校リーグ戦化が一つの選択肢になるかもしれません。

SVリーグとしては直接の主管ではありませんが、育成と指導者育成が競技の生命線だと考えていますので、忌憚のない議論ができればと思っています。

質問⑤(SVグロースに参加しないチームの行方)

記者:
SVグロースに参加しない社会人クラブの扱いや、応募状況について教えてください。

大河チェアマン:
本日はSVリーグのメディア向け説明会ですので、詳細についてはお答えできない部分があります。
また、私自身がJVAの立場で直接運営を担当しているわけではありません。

ただ、これまでのヒアリングなどを踏まえると、SVグロースに参加しないクラブの中から、一定数が別枠リーグへの参加を検討している可能性はあると想像しています。
ただし、これはあくまで私個人の見解であり、確定した情報ではありません。

質問⑥(SV・SVグロース・その他リーグの関係性)

記者:
SV、SVグロース、そしてそれ以外のリーグは、イタリアのA1・A2・Bのような上下関係とは異なる構造になるのでしょうか。

大河チェアマン:
はい、少し考え方が異なります。
以前、SVグロースを説明した際に、SVを頂点とする三角形の図で示しました。

世界最高峰を目指すプロリーグはSVおよびSVグロースが担い、それ以外のアマチュア・社会人カテゴリーについては、日本バレーボール協会が管轄する、という考え方です。

日本独自の特徴として、働きながら競技を続けられるVリーグ的な環境は非常に価値があると考えています。
その文化は、形を変えながらも残していくべきだと思っています。

質問⑦(外国籍選手増加と日本人選手の出場機会)

記者:
来季からオンザコートの外国籍選手が3名になりますが、日本人選手の出場機会について懸念はありませんか。

大河チェアマン:
レベル向上という意味では非常に良いことですが、日本人選手の出場機会が減るという側面は確かにあります。

記者:
ヨーロッパでは、トップチームとは別にBチームやU23、U19チームを持ち、選手のコンディションや成長によって、そのチームの間では行き来しやすい仕組みがあります。
例えばイタリアでは、モデナなど強豪チームでは、若手が下部リーグで経験を積み、必要に応じてトップチームに昇格する仕組みが一般的です。具体的な例を挙げますと、石川祐希選手がモデナに留学していたときに、星城高校の同期であった川口太一さんがモデナのBチーム、B1リーグに所蔵するチームに留学しました。

スペインリーグでも強豪チームは下部にユースチームを所有し、けが人などの欠員がでたときは昇格させていました。元日本代表の柴田恭平選手がプレーしたアルメリアチームがユースチームに、当時のユースの大会で非常にチームにポジティブなエネルギーを与える存在と評価し、現在男子代表コーチの坂梨さんを招聘したいと頼まれて動いたことがあります。残念ながら実現はしませんでしたが。面白いシステムだと思いました。

大河チェアマン:
SVグロースについては、現時点ではそうした柔軟な行き来を前提とした制度設計にはなっていません。レンタル移籍を活用させるほうがいいのではと思います。現在チームの所有する選手の数が多すぎると思うのですよね。イタリアリーグを先日視察してきましたが、1チームあたり15人くらいしかいなかったように思います。

海外リーグへの挑戦は学生時代にするのがいいのではないか。育成環境全体としてどう補完していくかは、今後の検討課題だと認識しています。

終了挨拶

司会/リーグ代表
ほかにご質問がなければ、本日の会見はこれで終了とさせていただきます。

本日が今年最後のSVリーグメディアレクチャーとなります。
一年間ありがとうございました。

オールスターゲーム当日の会場でも記者会見を予定していますので、ぜひご参加ください。
今後もリーグとして発表の機会を設けてまいりますので、引き続きよろしくお願いいたします。

>> のページ一覧へ戻る

同じカテゴリの最近の記事