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会見・コメント

2025-12-31 13:28 追加

倉敷アブレイズ・吉田敏明監督「バレーボールが大好きな選手たちに戦術の楽しさも伝えたい」 V女子

倉敷アブレイズ・吉田敏明監督 インタビュー

V女子

バレーボールVリーグ・東京サンビームズ対倉敷アブレイズ戦後に倉敷アブレイズの吉田敏明監督からコメントをいただいたのでご紹介する。

吉田監督はかつてアメリカ女子代表、パイオニアレッドウイングス、埼玉上尾メディックスなど錚々たるチームを率いた名将である。
その吉田監督が倉敷の新興チームにどのような磨きをかけていくのか、限られた時間の中ではあったが興味深い話を伺うことができた。

――今季から指揮を執っている倉敷アブレイズに対する第一印象は? これからどういうチームに導いていきたいと思っていますか。

吉田:率直に言うと思考という部分ではちょっと難しい面もありました。というのは、彼女たちにはもともとこのチームの文化というかね、そういうものがあるわけで。
私のこれまでの考え方とは若干違うところもありますし、ほかにもいろいろあるわけですけども、その2つをうまく融合させていかなければいけない。
ただやっぱり、バレーボールを楽しくやってもらいたいというか、言葉が難しいんですけれども…そうですね、彼女たちがバレーボールが大好きだっていうのはよくわかるんですよ。
だからその辺をうまく活かして、溌剌とプレーしてもらいたい。でも、その中でレベルを一つ二つ上げる。そのために、私のアドバイスが浸透してくれればいいなというような感じで始めています。
徐々にですけれども、チームとしては少しずつ良くなっているんじゃないかなと思います。

――倉敷というチームをV3(リーグ3部)の時から拝見していました。スタンダードというか、手堅いバレーをされる印象がありました。
そこに吉田監督の経験や知識が融合して「バレーを頑張る」だけじゃなくて、考えたりする楽しさも彼女たちに芽生えてきているのではないでしょうか。

吉田:選手にも時折言うのですが、やっぱりね、バレーの戦術っていうのは面白いんだよ、と。
こうだけじゃなくて、こういう考え方もあるよね、みたいな。
当然、技術体力は必要なのですけれども、バレーボールに対する取り組み方、戦術、ゲームプランであったりとか、そういったものを考える力というか、これがバレーの楽しさなんだということは教えたいなと思うんです。
技術面でもこうやったら面白いよね、とか。いろんなことを受け入れて、自然にそれができるようになってレベルも上がってくればいいんじゃないかと思いますね。

――例えばオポジット兼セッターの楠岡真緒選手。面白い起用方法ですね。最初はオポジットなんですけれども、セットの後半になるとメンバーチェンジで彼女がセッターになる。この意図はどういったものでしょうか。

吉田:私はほぼ開幕直前に監督に就任したのですけれども、このチームの皇后杯予選のビデオを見たり結果をヒアリングしたんです。どのようなシステムでやったのか?
その時、ファーストセッターである大村和鼓と楠岡が対角を組んでいたのですが、いろいろ話を聞くと、楠岡はセッターもできるんだということがわかりました。
選手層の問題もあり、楠岡には毎日トス練習もしてもらっているのですけれども、そういった中で大村のブロック面をカバーするために要所でそこにアタッカーを入れて楠岡にトスを上げさせています。
就任した時すぐに着手したことです。
「楠岡はハイブリッドでいこう」と。
本当に面白いというか、いい使い方ができていると思ってます。

――後半戦はどういったところを強化して、どのぐらいの順位を目指していくというビジョンをお持ちでしょうか。

吉田:勝敗は五分五分なんですけども、(プレーオフ進出の)トップ4に入る可能性はまだゼロではありません。
しっかり連勝ができるようなチームにしていかなければならないと思っています。
外国籍選手も少しずつ馴染み始めたので、そこの成長にも期待しています。ようやくチームは色々なことに慣れてきたんですよ。
だいぶ時間かかりましたけど。これが始まりだという意識で取り組みたいですね。
2部は力が拮抗していると思いますので、ここからですね。

撮影 堀江丈

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