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ゲームレポート

2014-09-17 12:06 追加

世界のバレー会場から 世界選手権男子編 

海外観戦コラムの特別編

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世界選手権男子大会inポーランド 第2次ラウンドの概要

町中の看板

町中の看板

8月30日に開幕した世界選手権ポーランド大会。第1ラウンドを経て勝ち上がった16チームが、第2ラウンドでは一気に6チームへと絞られます。ポーランド、フランス、セルビア、イラン、アルゼンチン、アメリカ、オーストラリアのプールE。プールFがブラジル、ロシア、ドイツ、カナダ、フィンランド、ブルガリア、キューバ、中国。各プール上位3チームに与えられる第3次ラウンドの出場権を懸け、9月10日から4日間、32試合が繰り広げられました。

金メダル常連国ブラジル、ロシアの2大強豪が揃うプールF。両者ともに第一ラウンドから持ち越した高得点(ブラジル9p、ロシア8p)に、それぞれ3ポイントずつを順調に獲得してゆき(3-0または3-1で勝利すると3点、3-2で勝利すると2点、2-3で敗戦の場合は1点が入ります)、最終日の直接対決を制したブラジルが勝ち点21で1位通過、ロシアは勝ち点17と2位に着け、危なげなく第3次ラウンドの切符を手にしました。
残り一枠を争ったのがドイツとカナダ。運命は最終日の直接対決に持ち越されることに。第一セットデュースの末、28点で先取したドイツは、そのままストレートでカナダを破ることに成功。勝ち点15で悲願の第三次ラウンド進出を決めました。

開催国ポーランドの勢いが止まらないプールEは第2セット初戦、ポーランドが集中力を切らさなかったアメリカに1-3で破れ初黒星。しかし以降はイタリアにストレートで快勝、イランにもフルセットで苦しみながらも勝利を挙げ、最終日を前に第3次への可能性を繋ぎました。
アルゼンチン、オーストラリア、セルビアにそれぞれ3-1で勝利し着実にポイントを重ねてきたフランスは3日目、ポーランドがイランを下したことで勝ち上がりが自動的に決定。プール内一番乗りで第3次ラウンドの切符を手にしました。

アルゼンチンがアメリカに予想外の勝利

アルゼンチンがアメリカに予想外の勝利

残り2枠を争うのがポーランドに加え、イランとアメリカ。調子や対戦相手から、アメリカが勝ち点3を手にし第3次ラウンドに最も近いと予想されていましたが、ここで番狂わせ。最終日、アメリカはアルゼンチンとのフルセットの戦いの末、3-2でまさかの勝ち点1で終了。これによりポーランドの最終試合前に14点で並んでしまいました。一方、直前の試合でセルビアに勝利したイランは、勝ち点15で無事に3次進出を決め、残り一枠は最終日ポーランド対フランスの、ポーランドの勝ち点に託されることになったのです。

そのポーランド対フランスの模様。9月14日日曜日、第2次ラウンド2戦目。キャパシティ13800人の満員の会場で行われた最終戦は、第1セットをポーランドが25-18で獲ると第2セット、フランスは主力メンバーからサブメンバーに交代。この采配が功を奏し2セット目はフランス、これでセットカウント1-1としました。第3セットはサブメンバーの起用のままのフランスがリードして終盤へ。17-19、このままフランスが逃げ切れるかというところで迎えた、ポーランド13番のジズガのサーブがワンタッチエースに。スイッチが入ったジズガは、さらに2本目もレセプションを崩し連続エース。これで19-19同点としました。次に迎えたポーランドのサーバーはクビアク。これも流れに乗ってエースとなり20点目が入ります。勢いに乗ったポーランドはさらにブロックでフランスの攻撃を仕留め21点目。着実に点数を重ねていくポーランドに焦るフランスはここから連続ミスで点数を与えしまいます。結果、第3セットは25-23でポーランドが獲得。この瞬間、試合終了を待たずポーランドに勝ち点1が入り、アメリカを突き放して第3次ラウンド進出が決定したのでした。

ブラジル、開催国ポーランドにフルセットで敗れる

ブラジル、開催国ポーランドにフルセットで敗れる

第2次ラウンドを勝ち上がった6チームは、フランス、ドイツ、イランのプールG、ブラジル、ポーランド、ロシアのプールHと2会場に別れ9月16日より第3次ラウンドをスタートさせています。プールH初戦、ウッチの会場ではポーランド対ブラジルの対戦が行われ、アウェイの中の王者は自分たちのバレーを貫き通せず、もがき苦しみました。セット序盤は常に安定していたものの、中盤にはポーランドの勢いに押され逆転された第2、第4セット。ここでも地元観客の声援の後押しが、ポーランドの一勝に大きな力を与えたことは間違いないでしょう。第5セットは序盤突き進むポーランドになんとか追いつきデュースに持ち込んだブラジル。しかし最後はビデオ判定によってポーランドに点数を奪われ、15-17で敗北を喫したのでした。

開幕から2週間が経過した大会は、いよいよ6チームとなりメダルの行方も絞られてきました。第3次ラウンドの後はクライマックスのファイナルラウンド、準決勝、決勝が行われます。オリンピックより出場チームが多く、オリンピックより歴史の古い世界選手権。世界の頂点を決めるこの偉大な大会を見れば、男子バレーの「高さ」、「速さ」、「強さ」の魅力を存分に堪能できることでしょう。技術のみならず、勝負どころのメンタルの強さも見所のひとつ。そこから生まれる筋書きのないドラマはきっと感動を与えてくれることと思います。決勝戦は日本のチャンネルでも放送決定。9/26(金)24:40〜TBSチャンネル2、世界最高のバレーに触れるチャンスです。

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