2014-11-04 16:30 追加
10シーズン目のサンガイア-中編:冬夏青青
V男子
都澤凡夫・つくばユナイテッドサンガイア理事長インタビュー
プロフィール
- みやこざわ ただお 1948年生まれ 北海道留萌市出身
- 留萌高校→東京教育大学(現在の筑波大学)
- 筑波大学男子バレーボール部監督を2011年まで務めるかたわら、つくばユナイテッドSun GAIAの創設、発展に尽力。2010年より一般社団法人つくばユナイテッドサンガイア理事長。
○まず、サンガイアが立ち上がった頃について。チームとしては2005/06の地域リーグからですが、そのタイミングでチームをスタートさせたという経緯をお聞かせいただけますか。
もう、その時期がぎりぎりというか。東西インカレも3年間続けて、選手がもうだいぶいなくなってきたな、と。大学としては陰りが見え始めて。まさにその頃ですね、チームが立ち上がったのは。
○ちょうど、石島さんが4年の時ですね。
そうです。
○そこで地域リーグを優勝されて、その次の代に三上さんとかがいらして。V・チャレンジリーグを戦っていくわけですが…
チャレンジリーグに昇格した当初は、学生がシーズン中にプレイしてそれで充分だったんだけど、年数を経ると、だんだんだんだん(他のチームも)力がついてくるし、上位に入って入れ替え戦が近づくと、こんどは学生がリーグ戦に向けての準備に入って…。
と、巡り合わせが悪くなってきたんですよ。 2月くらいだったら、(チャレンジリーグに)集中しているからものすごくチーム力があがるんだけど、3月4月になって(大学の)リーグ戦が近づくと、こんどはサンガイアの方のチーム力が落ちるわけよ。で、まずいなーという形。
これはやっぱり社会人だけのチームを作らないと、という風になってきた感じだね。
○大学リーグの開幕とチャレンジマッチが重なったこともありましたし、最近は、全日本インカレの時期にチャレンジリーグの開幕が重なったりしていますね。
選手が出られなかったりとか、負けたりしてた。で、やっぱり、社会人だけでチームを作らないといけないという時期を迎えたわけなんだよね。
○社会人の方、学生ではない方というのは、ここ2シーズンの社会人のみのチームになる前から何人かはいらっしゃったわけですが、そういう方々がチームで続けていける環境を保つのは難しいのではないか、という印象を持っていたんですが。
やっぱり、30歳くらいまでは、選手もセカンドライフをそんなに考えていないからまだしも、家族を持って職業に就いて、となると、こんどは真剣勝負になるわけで。
そのときに、どう対応出来るかだよね。 だからこそ、セカンドライフを心配しなくてもよい環境を私たちは考えながら、バレーボールをやる、と。そういうのが今のステージですね。
○今のサンガイアにいる選手の方々は、それぞれお仕事をされているわけですが、練習はどのくらいのボリュームでされているんですか。
平日はボール練習4回、ウェイト1回。仕事をしながらなので、夜1シートずつしか練習出来ない。大変ですよ。
○というと、今回(合宿中2部練習)のような機会は貴重ですね。ありがたく拝見しています。
ほんとうにまじめな選手が集まっていて、一生懸命やってますよ。
○コートの中でも、コートの外でのPRなども積極的にやっていらっしゃって。
それがたぶん他のチームと違うところなんだよね。やっぱり市民球団というか。
○特に、ここ数年選手自ら、積極的に動いていらっしゃるのを感じます。
それは、以前に較べて選手に関する労働環境が良くなってきたんじゃないかと。お金がない中で、少しずつ選手の条件を良くしていっていて、選手もそれを感じてくれている。だから、他のクラブチームから来ても、段違いにウチのほうがいいということで、来る選手も多くなっている。
バレーボールをする環境がいいんでしょうね。上手くなるのもみんな早いし。上手くなったら出て行ってしまうのも早いけど(苦笑)
○そこはずっと悩みの種ですね…
全日本に持って行かれるし。
○プレミアリーグのチームにも…。サンガイアにとって、10年目を迎えた今もずっと、プレミアというのは、どうしても、ひとつの大きな目標ですね。
でも、目の前にはもう(プレミアは)見えているんです。我々は、日本人だけではだいたい戦える目途はついたから、あとは、バレーボールの競争の競技力というよりは、経済力、資本力なんですよね。
経営力をどれだけ高められるかというのが今の課題です。経営力を高められれば、間違いなく、上がれます。
○ことしのチャレンジマッチを見ていて、まさに「経済力」の面で、プレミアとチャレンジの差が広がっちゃったな…という感がしていました。ジェイテクトも強くなったなぁ…と。
まさに資本力があるんでしょうね。
○サンガイアは、以前から、選手やスタッフのコミュニケーション力が高く、それがチームの土台を支えているという印象がありますが、もともとコミュニケーションに長けた選手が集まるのか、チームに入って変わってくるのか、そのあたりはどうなのでしょうか。
合わない選手っていうのははっきりしている。(コートの外での活動に)興味のない選手は、全然そっちに行かないので、1年でほとんどやめてしまう。
バレーボールしかやらない選手は、ウチのチームには残れない。+αの行動が出来ないと。
○今シーズンを迎えるにあたり、もちろん加藤さんはいなくなったけれど、昨シーズンからほとんどの選手が残られたんですね。
チーム力がついてきたと思っています。 10シーズン目を迎えて、これまでは加藤がずっとチームの中心にいたけど、「脱・加藤」で。
スローガンとしてはこれがぴったりかな。
○とても楽しみなシーズンになりますし、それぞれ無事に開幕を迎えて欲しいと思います。本日はありがとうございました。
文・構成 出口季里
写真 中西美雁・出口季里
同じカテゴリの最近の記事
- 1984ロス五輪銅メダリスト・三屋裕子さん(現・日本バスケットボール協会会長)インタビュー「スポーツが世の中にいい影響を与え、社会課題の解決につながるような活動をしていけたら」 [Others,全日本代表 女子,大学バレー 女子] / 2025.03.28
- PFUブルーキャッツ石川かほく・池谷優佳「現役を続ける選択をして良かった。自分を誇りに思いながら、競技生活を駆け抜けたい」 SV女子 [SV女子] / 2025.03.26
- そして三重の希望になった。ヴィアティン三重・浅川希 V女子 [V女子] / 2025.03.23
- パナソニックスポーツ・久保田剛代表取締役社長インタビュー「地域に根付いたチームながら世界で一番になりたい」 [SV男子] / 2025.03.14
- 中央大・舛本颯真、土井柊汰、坂本アンディ世凪 イタリア派遣選手インタビュー【現地取材】 [大学バレー 男子] / 2025.03.14
コメント
Sorry, the comment form is closed at this time.