2015-04-10 12:11 追加
プレミア女子ファイナルレポート NECvs久光
V・プレミアリーグ女子ファイナル
SV女子
Vプレミアリーグ女子ファイナルはレギュラーラウンド、ファイナル6ともに首位通過の久光製薬スプリングスと同じくともに2位のNECレッドロケッツの対戦となり、3(22-25 25-22 25-19 25-22)1でNECレッドロケッツが10年ぶり5回目の優勝を飾りました。
簡単に両チームの紹介をします。
久光製薬はOP(セッター対角)長岡選手の攻撃力を軸に、攻守共に揃った新鍋選手、石井選手がチームの土台となっています。MBの攻撃回数は少なめですが、ブロックで貢献しており、サイドに2枚きっちり揃えてくる印象があります。これによりワンタッチを多く取りトランジションで攻撃力のある長岡選手が決めるパターンが確立しています。今シーズンは岩坂選手のアタック決定率が高いのも特徴です。もう一人のMBはシーズン後半から水田選手が起用されることが多くなっています。
NECは先シーズンベテラン選手が抜け、若手が多いチームです。スパイク力が飛び抜けた選手はいませんが、MBを含めどのアタッカーもハイセット、バックアタックを打ちこなすことができ、どのローテーションであってもいろいろな位置から攻撃を行うことができるチームです。また、選手交代やポジションが変わっても攻撃力が落ちないのも特徴のひとつです。ファイナル6直前にイエリズ選手が指のケガをしてしまい、イエリズ選手のポジション(OP)にはルーキーの柳田選手が起用されています。
ファイナルでは久光製薬はS1(セッターがサーブをする後衛ライトから始まるローテーション)、NECは半分まわしたS4(セッターが前衛レフトから始まるローテーション)とNECが仕掛ける布陣で始まりました。NECのサイド陣で一番背の高い白垣選手を長岡選手のブロックに長く当てたいという意図ではないかと思います。
ブロック面では久光製薬はバンチシフト(ブロッカーがコートの中央付近に位置する配置)でリードブロック(セッターからボールが上がった方向を見て反応)主体でした。一方のNECは相手の前衛の攻撃の枚数により変更しており、2枚の場合は攻撃側から見てレフト側にディディケート(片寄った配置)、3枚の場合は攻撃側から見てライト側に1枚ブロッカーをアンテナに近い位置にあてOPの攻撃に備えるリリースの配置が主体でした。
各セットを簡単に振り返ります。
第1セットは中盤から競り合う展開となり、20点以降のNECのスパイクミスにより均衡が崩れました、久光製薬は長岡選手にセットを集め確実にサイドアウトを取りセットを取り切りました。
第2セットは序盤NECがサーブをMBに取らせサイドに攻撃を絞りディグからトランジションで連続得点をしたリードを最後まで守りきりセットを取りました。久光製薬は終盤S(セッター)とOPの2枚替えを行いましたが差を詰めることはできませんでした。
第3セットは中盤競り合いになりましたが、2回目のテクニカルタイムアウト明けから久光製薬が長岡選手にセットを供給せず他の選手で攻撃をする展開に。この攻撃が決め手にかけるところをNECがトランジションアタックやブロックなどで得点を重ね一気に抜け出し勝負をつけました。
第4セットは終盤に競り合いになりました。NECはこの試合終始石井選手を抑え続けていましたが、第4セット後半は新鍋選手のスパイクもブロックでワンタッチにかけ、一発では決めさせずラリーを最終的に制し勝利に繋げました。
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