2015-05-03 12:53 追加
サントリー中大に貫禄勝ち。柳田兄弟初対決
サントリー中央大戦レポート
V1リーグ 男子 / 大学バレー 男子
「第64回黒鷲旗全日本男女選抜バレーボール大会」第2日が2日、大阪市中央体育館で行なわれた。男子はプレミアリーグ勢、女子はプレミアリーグ7チームとチャレンジリーグのJTが8強を占めた。しかし、第1試合の第1セットでは、会場4コート中3コートで一時、高校・大学チームがVリーグチーム相手にリードするなど、大会ならではの魅力が各試合で見られた。春高の王者である東福岡高校は東レアローズ相手にリードするなど接戦を演じ、春高女王の金蘭会高校はJTに最大8点差を付けて、相手を慌てさせていた。その中でも一番の注目だったのが、サントリーサンバーズvs中央大学の一戦だった。
東レアローズ戦で負けはしたが1セットを取った中央大学が、Vリーグ2014/15シーズンで準Vのサントリーに挑戦した。東レ戦で大活躍した石川祐希が、この日はコンディションが良く無いこともあってか、前日ほどの決定力が無かった。また、サントリーのジルソン監督が「危険なスパイカーを無くすたけにサーブを狙わせた」と徹底的に石川をサーブで狙った。それでもきっちりレセプションを返すなど能力の高さを見せたが、アタックの打数自体へ減らされていた。ほとんど見せ場無く、第1セットは25−17でサントリーがあっさり取る。
しかし、第2セットは石川が本来のプレイを見せ始め、また井上慎一郎や平田亮介がアタックやジャンプサーブでサントリーの守備を崩し、追い上げムードが漂っていたところに再び立ち塞がったのがジルソン監督の采配だった。中盤、中央大に連続ポイントを取られ点差が縮まるや、直前に引っ込めていたオポジットのエヴァンドロをすぐさまコートに戻してボールを集め、驚異的な高さとパワーで中央大を粉砕し、25−21でサントリーが取った。第3セットも決して油断を見せないサントリーに、付け入る隙はなく25−19と失セットすることなく、中央大に貫禄勝ちした。ジルソン監督は「サントリーはどんな相手に対してもリスペクトし、必ず全力で戦うのが基本」と話した。
一方、試合中に足をつりかけるなど、前日ほどの輝きを見せれなかった石川について、ジルソン監督は「まだ伸びしろがたくさんある。ただ、レベルは高いけど、選手としては完璧ではない。これだけの選手なので焦らないで欲しい。年齢的には東京オリンピックにピークが来るはず。うちの柳田将洋など才能溢れる選手たちと共に頑張ってほしい」とエールを送った。一方で、「JVAに対して失礼になるかもしれない」と前置きした上で「例えば、有望な選手の選抜チームしてチャレンジリーグなどVリーグで戦うとか、外国人選手と戦う機会を作ったらどうだろう。ブラジルでは若手のB代表チームがプロリーグの下部で試合経験を多く積んでいる」と話した。
柳田兄弟は公式戦初対決
サントリーの柳田は、中央大1年の弟・貴洋と公式戦初対決だった。試合中に兄の将洋は、明らかに弟を狙ってジャンプサーブを打つなどしていたが、試合後は「自分のサーブを打っただけ。気にしない様にはした」と話していたが、弟は「嬉しい気持ちもありましたが、複雑でした。最後のサーブは自分を狙っていたと思います。自分も兄を狙いましたし。もっとチームに貢献できたら良かったのですが、サントリーのサーブにやられてしまったのが悔しいです」と気持ちを露にしていた。しかし、試合後は兄が弟に歩み寄り頭をなでるなど、兄弟らしさを見せていた。
文責:大塚淳史
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