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インタビュー

2015-05-25 17:51 追加

サントリー河野克巳さん「やりたいことは、いっぱいあります」

SV男子

人気の面でも期待される新人・柳田将洋

人気の面でも期待される新人・柳田将洋

―バレー界の現状についてはどう思われていますか。

お客さんが満員になっていた頃、選手としてプレーしていたので、その頃と比べると今は……。すごかったころも知っているし今の厳しい現状も知っている、今、GMという役職をやっているメンバーにはそういう人も多いので、そういう若いGMが最後の仕事ではないけれど、責任を持って、バレー界のステージを上げるために大きな改革やしかけをやっていかないと。JTの栗生澤(淳一)さんらとそんな話をしています。今はお客さんになかなか来てもらえないのが普通になっている。昔はすごかったんだよ、と言っているだけでは、ああそうなのって話で終わってしまう。そうではなくて、しかけやアクションを起こして、もう一度、以前のようにならなければ。そのためにマスコミの人や昔のことを知っている方とか、みんなで議論するとかいいと思う。Vリーグ機構はそういうことができる組織。木村(憲治)会長は柔軟に考えてアクションされる方だし、それでバレー自体も新方式を導入して世界基準になったので。

―バレーボールには(人気になる)潜在能力があると思うのですが。

とっつきやすいですよ。昼休みなど、ボール一つあればできる。ルールもわかりやすい。会社の方にもよく見ていただくのですが、たとえルールがわからなくても、ボールが落ちたら終わりだし、コートもわかれていて入り乱れない。いろんな意味でバレーは魅力があると思います。一般のファンをもっと増やしていきたい。アクションですね。運営と強化、バランスを取りながら、もちろん日本代表も含めてやっていく中で、どうアクションすればいいのかの発想が出てくると思います。

―男子バレーも世界と対等に戦っていましたね。バルセロナ五輪で6位に入賞したり。河野さんはそのときメンバーとして出場されました。オリンピック経験者として、今、伝えたいことは。

話す機会があると、「夢と感動」と。自分にとってオリンピックは夢で全日本は憧れでした。今の若い子がどう思っているかはわからないけれど、自分がバレーを始めたときには、全日本に入りたいと思っていて、最終的にはオリンピックにも立てた。振り返るとしんどいことばっかりだったけれど、オリンピックに出られるのが決まったときの感動、それ以上の感動はないですね、生まれてから。バルセロナではアメリカやEUNに勝ったり。でも当時も海外のチームとは今と同じくらいの差があった。では何が違うんだ、と。代表も背中を追いかけているだけでは駄目。しかけ、新しい発想で攻めてほしい。若いメンバーには経験を積んでもらって……。

―最後に、GMとしてサンバーズをどんなチームにしていきたいか教えていただけますか。

国内で優勝というのは当然の話で、ここ数年の方針は「グローバル」。世界基準の、世界で戦えるチームを作る、イコール愛されるチーム、強いチームであるわけですしね。まずはアジアクラブ選手権出場、それにはVリーグチャンピオンにならなければいけない。そしてハードルは高いですが、イランとか強いチームがいるアジアで優勝して世界クラブ選手権へ、そのステージにチャレンジしていきたい。そのために2012/2013シーズンから、創部以来初の外国人監督、(イタリア人の)パオロ(モンタニャーニ)を迎えて。それがスタート。その後も一貫して世界で戦えるチームを目指してきて、今季からはジルソン。日本人的な感覚を持っている彼なら日本人選手もより入りやすいと思ったので。ともに世界にチャレンジしていきたいと思っています。

ホットな監督、ジルソン・ベルナルド氏

ホットな監督、ジルソン・ベルナルド氏

―ジルソン監督、しばらく続きそうですか。

スローガンの「SPIRIT&POWER」は1年ですぐ完成するわけではないですからね。これから「ジルソンイズム」を完璧にチームに落とし込んでもらいたい。彼もまだ1年目の新人監督です。でもジルソンはあんなもんじゃないというのはみんなわかっているので、期待したいです。監督の真価は2年目だと思うんですよ。1年目は新鮮で右いくぞっていうと右いくし左っていうと左いくし。でも2年目になるとなんで? という部分も出てくるかもしれない。そこの所でしっかりとどういったチームを作っていけるのか、真価が問われます。ジルソンともそんな話をしています。彼のパッションについては安心しているけれど、さらに熱いもの、ジルソン色を出してほしい。今年の結果に甘んじているようじゃ駄目。

―やはり優勝でなければ、ですね。

そうです。勝ちきらないと。「SPIRIT&POWER」、もう一つスピリット、もう一歩パワーが足りなかった。優勝できなかったというのはそれもある。決勝戦にしても、見に来た社長も社員もファンもみんな、あの場では結果だけを求めていました。1セット目から競って(39-39まで競り、最終的には39-41で落とした)いい試合でしたねと言ってもらってそれはありがたいですが、我々はそこに何も価値を見出せない。そこで結果を出すのが我々の仕事ですから。監督とも話をしましたが、そこで“いい試合”はいらない、勝つだけ。

1セット目、11回ほどアドバンテージがありながら勝ちきれなかった弱さ。2セット目から意気消沈した、そこもスピリットの弱さ。跳ね返せたら2セット目からも変わってきたでしょうし、仕切り直せたかもしれない。あの決勝戦というステージで出た弱さ。経験の差もあったかもしれないけれど、「SPIRIT&POWER」を掲げてずっとやってきて最後にそれを実現できなかったのは非常に悔しいです。来季も強化方針やスローガンは変わらないと思うので、もう一つ気持ちを、もう一つパワーを。チーム力として出せるようにしたいです。

 

*このインタビューの行われた黒鷲旗大会で、サントリーサンバーズは優勝を果たした。
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